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最弱の骸骨兵として異世界ダンジョンに転生した俺は、進化で最強を目指す  作者: Sigil


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第21章:〖ゼロ〗からの贈り物

敵を斬首して殺すのが好きなマニアなんじゃないかってことについて、少し時間をかけて考えたあと、ようやく顔を上げ、気持ちの整理をつける。


おれを殺そうとしてきたモンスターの首を落として、一体何が悪いんだ!? そもそも殺し合いなんだから、どちらかが死ぬのは当たり前だろ。首を狩るのが好きな変質者ってわけじゃない、あの瞬間、それがたまたま一番いい選択だっただけだ!


そうだ、そういうことにしておこう! そう思っておけば、あまり罪悪感で落ち込まずに済む。


さて、もう十分に待ったと思う。


正直、新しい力の確認を続けるのを少しためらっていた。だって、これからあのゼロとかいうやつからの贈り物を鑑定しないといけないんだから。


嘘はつかない、あの不気味な笑みを浮かべながらあいつが寄越したものだと思うと、正直不安だ。


おれの知る限りじゃ、こういう魔法に[鑑定]を使っただけでコンピューターウイルスに感染することだってあり得る。


名前だけはやたらと違って強そうだけど、まさにこういうのがハッカーの誘い文句ってやつだ。


……


よし、もうこれ以上は先延ばしにできない。この魔法は、おれの効率的で強力な攻撃魔法を全部食っちまったんだから、少なくともそれなりのものじゃないと困る。


まあ、吸収されたはずの[ダークチェーン]と[ダークヒール]は普通に使えたわけだから、本当に失ったとは思っていないけど。


とにかく、まずは一つ目からいこう。[鑑定]!


【まほう:[フルミナス:Lv3]】【電気と雷の属性における、最高位の制御魔法】


【この属性を完璧に制御し、最高水準の効率で雷を生み出し、使用者の望む形に自在に操ることができる】


【使用者が習得した電気・雷系の魔法を取り込むほど、その威力は増していく。ただし、使用できるのはあくまで使用者がすでに習得した魔法に限られる】


なるほど、なるほど……こいつはとんでもなくぶっ壊れてるな。


もう一回ゼロと話して、こう怒鳴ってやりたい。「お前、頭おかしいんじゃないのか!!? 12人で一番強いやつを決めるゲームを作っといて、それなのに一人のプレイヤーだけをここまで贔屓して、切り札中の切り札を渡してるんだぞ!!」


あの馬鹿の頭に少しでも常識が入るかどうか、本当にそう叫んでやりたい気分だ。


正直、プレゼントでもらったもう一つの魔法を鑑定したら何が出てくるのか、ちょっと怖いくらいだ。


よし、[鑑定]!


【まほう:[ノクス・ウンブラ]】【闇と呪いの属性における、最高位の制御魔法】


【闇と呪いの属性に対する至高の支配権を与える魔法で、自在に闇や呪いを生み出し、最高水準の質と効率でそれらを完全に操ることができる】


【使用者が習得した闇・呪い系の魔法を取り込むほど、その威力は増していく。ただし、使用できるのはあくまで使用者がすでに習得した魔法に限られる】


よし。また切り札か。


こんな魔法、ランクDのひ弱な骸骨が持っていていいものじゃない。


個人的に、他のプレイヤーたちに少し申し訳ない気持ちになる。正直、これはまさに、全プレイヤーに平等だと謳っておきながら、急に課金アイテムを実装して、金を払えるやつだけを強化するようなゲームと同じだ。


これのせいで、他のプレイヤーたちに恨まれないといいんだが。


まあいい、そのことを考えるのはやめて、全体像を冷静に分析してみよう。


どちらの魔法も本質は同じで、違うのは操る属性だけだ。そして、説明が正しいなら、両属性の中で最も強力な基本魔法ということになる。個人的にも、それには同意する。


この二つの属性の魔法を際限なく覚え続ける限り、その制御力と威力をどんどん高めていけるはずだ。


[ダークチェーン]と[ダークヒール]がまだ使えた理由が、今なら理解できる。それに、あらためて考えてみると、どちらも発動がずっと速くなっていたし、効率も驚くほど良くなっていた。


[ダークヒール]では、ごくわずかなコストで脚と腕を同時に治せたし、[ダークチェーン]で湖から脱出したときも、まるで子供の遊具にでも乗っているかのように体を振り子みたいに揺らせるくらい、うまく制御できた。


ただ、一つだけ足りないことがある。


[フルミナス]を手に入れたとき、雷系の魔法だけじゃなく、[まほうのマント:Lv-]と[まほうせいぎょ:Lv3]のスキルも一緒に取り込まれていた。


それがなぜなのか気になるが、[鑑定]の説明にはその答えは書かれていなかった。


いや、実はちゃんと答えは出ているか。


どちらも、それぞれの属性に対する至高の制御魔法なんだから、[まほうせいぎょ]を吸収するのは、そこまでおかしな話じゃない。[まほうのマント]も、同じ理由で吸収されたんだろうか?


というか、[まほうのマント]は、ただ魔力で自分を覆うだけのスキルだ。特別な性質なんてない。でも、[フルミナス]に吸収されたってことは、たぶん属性魔法で自分を覆えるようになってるはずだ。たぶん?


まあ、MPが完全に回復したら試してみる価値はある。それも、もうそろそろのはずだ。


正直、こんなにすごい力を持たされたことに複雑な気持ちはあるけど、それでも試すのが楽しみで仕方がない。


あれこれ考えているうちに、もう両方の魔法の使い道を何百通りも思いついてしまった。ちゃんと実際に使えるといいんだが。


***


しばらく待ったあと、ステータスを確認すると、MPが完全に回復していた。[MP:140/140]。純粋なわくわく感を目に輝かせながら、すぐさま立ち上がり、等間隔に並んだ枯れ木の列を眺めて、実験の準備を整える。


まず何をやるか、いくつか考えてある。最初は、吸収された二つの主力攻撃魔法を使って、威力とMP消費を確認してみたい。


遠くにある木の一本をまっすぐ見据え、手を伸ばして、掌に魔力を集中させる。


[ダークブラスト]!


黒い光の球が形を成し、高速で撃ち出される。木の幹の真ん中に命中すると、見事な爆発とともに、おれの胴体の倍ほどもある太さの木の半分が、粉々に吹き飛んだ。


つ、つ、強い。一瞬、心の中で言葉に詰まる。無理もない。もしケルピーと戦ったときにこれと同じ威力があったら、一発しっかり当てるだけで殺せていたはずだ。


つまり、ケルピーを一撃で殺せるほどの威力があるってことだ。もちろん、その一因には、ケルピーと戦ったときよりも[まほう]のステータスが上がっていることもある。それでも、[ダークブラスト]自体が強化されていて、しかも唯一の弱点だった「発動が遅くて射程が短い」という欠点まで解消されている。


さっきの実験だけで、これ以上威力を試す必要はもうなかったが、それでもやっておく。別の木に向かって手を伸ばし、マナを集中させる。


[かみなり]!


手から電気が弾け、そのまま撃ち出されて木に直撃し、幹に雷の形をした焼け跡を刻みつける。


思ったとおりだ。これも強くなってる。


[かみなり]を使ったあと、その伝導性と制御についても試してみたが、これにはかなり驚かされた。


[かみなりのへんか]を持っていたときは、雷を横に曲げるのがやっとだった。でも、今は[フルミナス]に取り込まれたおかげで、雷を曲げるどころか、完璧に制御できるようになっている。まるで鞭のように動かせたり、怒り狂った蛇のようにうねらせたりできて、その動きだけで木を二本、真っ二つに斬ってしまうほどだった。


そのあと、属性魔法を乗せた[まほうのマント]を試してみる。


電気で試すと、弱い雷が骨の間でパチパチと弾けながら体を包み込むが、これといっていい効果はない。


せいぜい、触れてきたものに軽い感電を与えるくらいで、それも大した強さじゃない。結局、コストに見合っていない。


一方、闇属性の[まほうのマント]は、体全体を覆う黒いマントのようなものを生み出し、暗闇の中でほとんど姿が見えなくなるうえに、おまけとして、気配までほぼ完全に消してくれるようだ。


強いモンスターに見つからずダンジョンを進むのに役立ちそうだ。でも、常にマナを消費し続けるから、ずっと使いっぱなしにはできない。


さて、あとはもう一つだけ、試してみたいことがある。


子供のころに読んでいた漫画で、雷を使って戦う主人公がいて、その必殺技がおれのお気に入りだった。マナを回復させている間、今持っている魔法を使って、あの架空の技を再現できないかとずっと考えていた。それで、魔法とスキルを組み合わせれば、なんとかなりそうな方法を見つけた気がする。


それを、今から試してみる。


この一帯に残った最後の木に目を向け、腕を上げてそれを指し示す。


[フルミナス]に吸収された[かみなりのちくせき]を使って、濃密なエネルギーを溜め込んでいく。続けて、[ちからのしゅうちゅう]のスキルを使い、エネルギーの出力を一点に集中・制御して、不要な力を必要な場所へと回していく。そして最後に、[かみなりのへんか]を使い、攻撃が逸れないよう正確に方向づける。一瞬、ひどい眠気に襲われる――くそ、とんでもない量のMPを食ってるじゃないか!


狙いを外さないよう照準を保ったまま、魔法を放つ。手から光の筋が放たれる――まるでレーザーのように空気を切り裂く、細く速い雷だ――そして木に命中した瞬間、過剰なエネルギーとともに木が爆発する。


[ダークブラスト]や[かみなり]よりも、はるかに強力だった。火力は本当にすさまじいが、消費も高すぎるし、詠唱にかかる時間も長すぎて、一対一の戦闘では使い物にならないだろう。それでも、ちゃんと成功してくれて嬉しい。


めまいと眠気が一気に押し寄せてきて、そのまま地面に倒れ込んでしまう。また、MPがほとんど尽きかけているが、少なくとも、ゼロがくれたこの新しいチート魔法で、やりたかった実験は全部やりきることができた。


【まほう[ばくらい:Lv1]をかくとくしました】


【まほう[ばくらい:Lv1]が、まほう[フルミナス:Lv3]にとりこまれました】


なるほど、子供のころの漫画からパクった必殺技が、正式に魔法として認められて、そのまま即座に取り込まれたってわけか。これで多少は使いやすく、発動も速くなるはずだけど、今のMP量じゃ、快適に使うのはとても無理だ。


もう少し休んでから、また動き出すことにしよう。


くそ、眠い。


そんな最後の思考とともに、意識は闇の中へと沈み、おれは深い眠りに落ちていった。


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