作家になりたいハルピュイア

　ソフトウェア開発会社のテスト部門で、ひっそり働く女性社員がいた。
　勤続九年目。地味で目立たぬ存在――のはずだが、実は彼女の正体は伝説の怪鳥ハルピュイア。

　猛禽の脚は靴とごまかし、翼の両腕を人間の形に変化させ、平然とＰＣに向かってカタカタ。
　彼女の本当の夢は「作家になりたい！」だった。
　ただし寿命も子孫も持たない自分に、人の心に届く物語なんて書けるのか……そこが最大の悩み。

　そんな彼女の前に現れたのは、創作大好き五十代オッサン。
　痛々しいほど夢にしがみつき、しょっちゅう空回り。だがなぜか妙に熱い。
　「人生の無駄遣いだなぁ」と思いつつも、彼女は少しずつ巻き込まれていく。

　人外ヒロインと痛オッサン。
　夢を語れば炎上し、仕事では崖っぷち。
　社畜ライフの隙間に繰り広げられるのは、怪鳥なのに人間くさいドタバタ創作コメディ！？

　――これは、ちょっと変わった職場と、ちょっと変わった仲間たちが織りなす、笑って読めるローファンタジーである。

ChatGPTで作ったとんでもない作中作もあり。
本編は１話あたり２０００文字程度。挿絵あり。