ループ3~7 とにかく攫われないように頑張ってみた
さっさとパーティのあるモラッセ侯爵の屋敷に向かいます。
あの王子様、死体と同じ部屋に居たってだけで、斬り殺しにかかるわ。
こうなったら眠らせられないように全力を尽くすしかないわ。
と言う訳で、マクマホン?熊の目をかいくぐって会場の外へ。
(ゴンッ)
失敗。
ザシュッ
チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク
後ろに目でもあるの……
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(ゴンッ)
なんで。
ザシュッ
チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク
剣の剣身の中に黒い靄が……時計の針も動いていた……
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何でかしら、時が巻き戻っているなら、剣は毎回同じはずなのに。
「どうぞ。」
「ありがとう。(ごくごく)。」
しまった。
ザシュッ
チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク
剣に回数制限でもあるのかしら……
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とりあえず、あの熊から逃げないとね。
あれ?狐と目が合った?
(ゴンッ)
ザシュッ
チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク
狐が教えてた……?
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やった!
熊も狐も見てない時に抜け出したわ!
これで庭を見ながら時間を潰せばいいのね。
あれ?あっちの生垣の方に人が居るわ。
え?ヴァンハークト侯爵令嬢?
生垣を抜けて、別の屋敷へ入っていったわ。
ドレスにべったりついていたの血じゃなかった?
じゃあ殺したのはヴァンハークト侯爵令嬢ってこと?
殺す動機は有るけど、私を身代わりにする動機は無いでしょう?
もしかして、あの時狐が言ってたことが本当だったの?
『この娘も災難だね、ただ似てるだけで犯人にされるんだから。』って冗談じゃないわよ。似てるから身代わりって、偽物偽物言われて迷惑したのはこっちだってのに。
どうにかして王子の前に引きずり出したいわ。
でもまずは私が引きずり出されない事。
時間も結構経ってるし、もうそろそろ大丈夫かしら。戻りましょう。
会場に入った所に居た召使に声をかけた。
「ねえ、こっち側のお隣ってどなたの屋敷なの? 庭から見た景色がとても綺麗だったのだけど。」
「そちらはヴァンハークト侯爵様のお屋敷になります。」
召使は恭しく答えてくれたわ。
「有難う、今度招かれた時に、お庭を見せてもらうわ。」
まず招かれないけどね。
ヴァンハークト侯爵令嬢はこっそり家に帰ったのね。
それはそうと殺人現場の方に行かないと。
ここからどういったら殺人現場の方に出るのかしら。
いつも運ばれてたから知らないのよね。
「人殺し!」
狐の声だわ。
今までのループでも声を上げるのは狐だったから、あっちに行けばいいのね。
そこには死体が転がっていた。
その奥に窓が有って、窓と死体を挟んで逆側に、エリオット王子が立っていた。
まだ剣は腰に差した鞘に入っているわ。
ナイフを持った若い男がいた。
癖のある栗色の髪を短髪にしているわ。
衣服も黒を基調にしたスーツで、どこにでもいそうに見える。
「ヴルムン=カルツォーニ伯爵子息、お前はリナリー=マクラフト伯爵令嬢殺した。手に持っているナイフがその証拠だ。」
「違う!僕は殺してない!」
手に持ったナイフを振り回しながら、エリック王子に訴えているわ。
「じゃあ、何故手にナイフを持っている。」
「これは拾っただけだ!ここに落ちてたんだ!」
うん、気にしないと無意識に拾うわよね。
「それを証明できるか?」
「そんなの無理だ!でも僕じゃない!」
首を勢いよく横に振っている。
エリオット王子がスラリと剣を抜いた。
「僕じゃない!」
目が剣に釘付けになっている。
「この剣は『時の天秤』と言って、無罪であれば無傷だそうだ。」
ゆっくりと、カルツォーニ伯爵子息方へ歩いていく。
「僕じゃ……な…………い…………の…………に……」
カルツォーニ伯爵子息はぶるぶる震えている。
「生き残ったら感想を知らせてくれ。」
エリオット王子は剣を振り下ろした。
ザシュッ
チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク
何でまた時計の音が聞こえるの……
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読んでいただき有難うございます。




