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殺人犯の濡れ衣を着せられて、変な剣で斬られたら、時間が巻き戻りました。  作者: 九幻琴


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ループ3~7 とにかく攫われないように頑張ってみた

 さっさとパーティのあるモラッセ侯爵の屋敷に向かいます。


 あの王子様、死体と同じ部屋に居たってだけで、斬り殺しにかかるわ。

 こうなったら眠らせられないように全力を尽くすしかないわ。


 



 と言う訳で、マクマホン?熊(でいいや)の目をかいくぐって会場の外へ。



 (ゴンッ)



  失敗。



  ザシュッ




 チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク





 後ろに目でもあるの……





+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 (ゴンッ)



  なんで。



  ザシュッ




 チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク





 剣の剣身の中に黒い靄が……時計の針も動いていた……





+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 何でかしら、時が巻き戻っているなら、剣は毎回同じはずなのに。


「どうぞ。」


「ありがとう。(ごくごく)。」


 しまった。 




  ザシュッ




 チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク





 剣に回数制限でもあるのかしら……





+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


 とりあえず、あの熊から逃げないとね。




 

 あれ?狐と目が合った?




 (ゴンッ)



 

  ザシュッ




 チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク





 狐が教えてた……?





+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++




 やった!


 熊も狐も見てない時に抜け出したわ!


 これで庭を見ながら時間を潰せばいいのね。


 あれ?あっちの生垣の方に人が居るわ。


 え?ヴァンハークト侯爵令嬢?


 生垣を抜けて、別の屋敷へ入っていったわ。


 ドレスにべったりついていたの血じゃなかった?


 じゃあ殺したのはヴァンハークト侯爵令嬢ってこと?


 殺す動機は有るけど、私を身代わりにする動機は無いでしょう?


 もしかして、あの時狐が言ってたことが本当だったの?


 『この娘も災難だね、ただ似てるだけで犯人にされるんだから。』って冗談じゃないわよ。似てるから身代わりって、偽物偽物言われて迷惑したのはこっちだってのに。


 どうにかして王子の前に引きずり出したいわ。


 でもまずは私が引きずり出されない事。


 時間も結構経ってるし、もうそろそろ大丈夫かしら。戻りましょう。


 

 会場に入った所に居た召使に声をかけた。


「ねえ、こっち側のお隣ってどなたの屋敷なの? 庭から見た景色がとても綺麗だったのだけど。」


「そちらはヴァンハークト侯爵様のお屋敷になります。」


 召使は恭しく答えてくれたわ。


「有難う、今度招かれた時に、お庭を見せてもらうわ。」


 まず招かれないけどね。


 ヴァンハークト侯爵令嬢はこっそり家に帰ったのね。


 それはそうと殺人現場の方に行かないと。


 ここからどういったら殺人現場の方に出るのかしら。

 いつも運ばれてたから知らないのよね。


「人殺し!」


 狐の声だわ。

 今までのループでも声を上げるのは狐だったから、あっちに行けばいいのね。




 そこには死体が転がっていた。 


 その奥に窓が有って、窓と死体を挟んで逆側に、エリオット王子が立っていた。

 まだ剣は腰に差した鞘に入っているわ。


 ナイフを持った若い男がいた。

 癖のある栗色の髪を短髪にしているわ。

 衣服も黒を基調にしたスーツで、どこにでもいそうに見える。


「ヴルムン=カルツォーニ伯爵子息、お前はリナリー=マクラフト伯爵令嬢殺した。手に持っているナイフがその証拠だ。」


「違う!僕は殺してない!」


 手に持ったナイフを振り回しながら、エリック王子に訴えているわ。


「じゃあ、何故手にナイフを持っている。」


「これは拾っただけだ!ここに落ちてたんだ!」


 うん、気にしないと無意識に拾うわよね。

 

「それを証明できるか?」


「そんなの無理だ!でも僕じゃない!」


 首を勢いよく横に振っている。

 エリオット王子がスラリと剣を抜いた。


「僕じゃない!」


 目が剣に釘付けになっている。


「この剣は『時の天秤』と言って、無罪であれば無傷だそうだ。」


 ゆっくりと、カルツォーニ伯爵子息方へ歩いていく。


「僕じゃ……な…………い…………の…………に……」


 カルツォーニ伯爵子息はぶるぶる震えている。


「生き残ったら感想を知らせてくれ。」


 エリオット王子は剣を振り下ろした。




  ザシュッ




 チクタクチクタクチクタクチクタクチクタクチクタク





 何でまた時計の音が聞こえるの……





+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++



読んでいただき有難うございます。

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