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カチカチ山のたぬき悪口言われるのは許さない~サイト管理人に抗議しに行ったら大変なことに気付いた件について  作者: RiderLisa


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6/7

カサンドラの城へ!大変なことになった!

斜め上から見た美しい世界2の前日譚。

無事、月の住人として幸せに暮らすようになった元カチカチ山の狸タヌちゃんは、寺子屋の先生として楽しく勉強を教えていた。

ある日、月についてアレコレ予言や透視をする水星人について生徒たちから聞かされる。

それはトンデモナイ者かもしれない!詳しく確認しなければ!あまりにも酷いことが書いてあるのなら、抗議文を送ってやろう。

まずは、ある事ない事書きまくる水星人カサンドラ嬢が管理する《ツキペディア》という百科事典サイトにアクセスするのだった。

後ろから噛み付いてやろうか?それとも、やっぱり足を引っ掛ける程度で許してやろうか?


もんもんと考えながら、カサンドラの後ろを歩いているとクソ野郎の金髪がユラユラと嫌味っぽく揺れているのに気付く…

あれを突然、思いっきり引っ張ったらどんな顔をするだろう?

ひひひ…


「入れ」

先ほど、遠くから眺めていた豪華な建物に到着すると冷めた声でカサンドラは言いました。


大きな両開きの扉は、重そうにジワジワと開いていきます。

やっぱり自動らしい。


ゴゴゴゴゴ……という効果音でも付けたほうが良さそうなくらい重厚な扉に見える。


少しずつ建物の中が見えてくると…

真ん中には大きなクネクネした階段がありました。


かぐや姫が貸してくれた漫画に出てくる主人公·シンデルワの城の中みたいだと思いました。

王子様がその階段から転落して死にかけてしまい、魔女にお願いして自分の寿命を半分あげるという内容だった。

んなことあるか!と悪態をついて読んでいたが、最期はなんともロマンチックな内容だった。


主人公が王子様に寿命を渡したことで、ふたりは同じ日に亡くなる事ができたのです。

なんというか…親狸に先立たれて長い身としては、そんな風に想い合える相手がいて羨ましいと思ったのです。

かぐや姫のことは大好きだけれど、やっぱりうさぎとの仲と比べると…とてもかなわない。


ふたりのように強い絆がある関係に、とても憧れているのです。

「あらやだ、わたしたちシンデルワ!」の台詞で終わった最終回。

なんて面白いものを描くのか!と幸せな気持ちになりました。


ポケ〜ッと漫画のことを思い出していると、

「その阿呆面ツキペディアに載せてやろうか?」

また意地悪なことを言われてしまいました。


「いちいち意地くそ悪いんですねー!」

狸も負けていられない

性格の悪さなら天下一品なのだ!


「お前にだけは言われたくない」

カサンドラは、スタスタと歩いて行ってしまいます。

大きな階段の横を通り過ぎて、小さい扉の前で立ち止まりました。

「この部屋で待っていろ」


「………客人にはお茶を淹れてくださいね?

あっいや!やっぱり良いです!毒でも入っていたら大変だ!茶菓子も結構!まぁ……そんなの用意していないですよねぇ?あんたなんかを訪ねてくるひとはいないでしょうから。いる訳がない!だから月に無許可で来ていたんでしょ!?可哀想に!」


返事を聞かずに、部屋の中へ入りました。

ひひひ!スッキリした!


扉と反比例する広い部屋の中は、右側の壁一面が本棚になっており沢山の書物が並んでいます。

左を見ると、机の上に見慣れない機械が置かれていました。

スマートフォンのでっかい版だと、かぐや姫が言っていた気がします。

確か…名前はパソコンだったはず。


真ん中にある豪華で硬そうなソファーに腰を下ろしました。

「ふんっ…随分本をたくさん持っているらしいな。

豚に真珠……言い換えは馬鹿に書物って感じですかね!?アハハ〜!」

本棚には、月で見かけたことのある題名の本がたくさん並べられています。


「おっ」


さっき思い出した《シンデルワ》や《藤原道真だった私が死んでから思ったこと》、《地獄百景!》などなど…

狸も大好きなものばかりだ。


「あっ…たぬき全書…」

立ち上がり本棚まで歩きます。

下の段に置いてあったので、狸でも手が届きました。


「ん?」

手に取ると、表紙の質感や重さも違いました。

最初のページをめくってみると、書いてある内容が異なっていることに気付きます。

やはり自分の持っているたぬき全書とは違う

「まさか上と下に分かれているのかな!?それとも限定版とかか!?」

くそぉ…これは気になる…。

しかし、貸してくれる訳もないだろう

今あいつが来るまでに読んじゃおーっと!


急いでソファーに戻り、まずは目次に目を通します。

気になるところだけ読むとしよう!


《一流のたぬきは物に化ける事が出来る》

ココに目を惹かれました。

急いでページをめくります。


「狸は、人に化けられるから凄いと思われがちだが

実は物に化ける事が出来て一流なのだ」


ふむふむ…

それは持ってる全書にも書いてありました

しかし、一流だという理由はこうだから…とか、それを知りたいというのに詳しくは書いてありません。


地球育ちの狸からしたら、物に化ける方がラクなのです。

動かなくていいし、バレる可能性は少ないのです。


神にしか分からない感覚なのか…?


「あ!ここに書いてありますね

物には思い入れが宿るので、化けるのが難しい…」


んー

でも、それって人も同じではないか…?

わからない…


「うーん、神狸に質問してみたい

もし、タヌがかぐや姫に化けたとしても

うさぎにはバレそうですよね?強い思い入れがありますもん。やっぱり物より人に化けるほうがバレやすい気がしますよ」

今度試してみようかなと思いました。

うさぎビックリするかな


…………ひひひ。


思い入れのある物に化ける事が出来たら一流狸か

帰ったら神様に聞いてみよう


パタンッと本を閉じ、棚へ戻そうと立ち上がると

パソコンがチカチカしているのが見えました。


なんだ?


近寄ってみると、ツキペディア更新の通知が画面に表示されています。


「な!!!」

あの悪口野郎、ひとをここに待たせておいてツキペディアを更新していたというのか!!?

ゆっ……許せん!!


「まさか、また狸のことを悪く書いているんじゃ!!!?」


机の上に飛び乗り、かぐや姫がやっていたみたいにカチャカチャとボタンを押してみます。


何度押しても、画面には【ERROR】と出るだけでした。


「くそ!」

あ、そっか、自分のスマホで見ればいいのか

「あっ………持ってきてなーい!!」

ガックリ項垂れていると、どんどん腹が立ってきました。


また車の窓にぶつかってアホ面だった、とか書かれているかもしれない

くそ!

あいつ!

許せん!

今すぐ抗議してやる!!

どこだ!?どこにいる!


狸はドアを勢いよく開けて廊下へ飛び出します。

しーんっと静まり返った城の中、物音ひとつしません。


うさぎのように耳を澄ませてみます………


「……………。」


当たり前ですが、全くもって何も聞こえません。


仕方なく適当に探してみることにします。

一番近くにあったドアの前に立ち、耳をピタッとくつけてみますが………やはり物音はしません。


手で奥に向かって押すと、玄関の扉とは違い簡単に開きました。


「ここは……台所か」

コーヒーのいい香りが漂っています。

それと焼き立てのクッキーの匂いも!!


狸の家のキッチンもかなり広いほうですが、ここは…更に二倍…いや、もっとありそうだ。

生活感のない整った台所は、狸は使わない調理器具やハイテクな機械で溢れています。


あれは…うさぎの家にあったな

トコトコ奥へ歩いていくと、クッキーの匂いがする場所、いい匂いの発生源をみつけました。


オーブンだ

うさぎがこれでグラタンを作ってくれた事があったので、覚えていたのです。


「うわぁ…美味しそうな匂いだぁ」

油断すると涎が落ちちゃいそう!

グラタンもいいけど、クッキーもそそられます!


オーブンが置いてあるカウンターの奥に、暖簾のかかった空間があるのを見付けました。


そこまで行ってみても、やはりカサンドラの気配はしません。

暖簾をくぐり中へ入りました。


食材を貯蔵する空間らしく、野菜や果物、米、小麦、缶詰など、食べ物が棚の中にたくさん収納されています。

小さいテーブルと椅子も置かれていて、ふと見るとテーブルの上にメモ帳がありました。

開かれた状態だったので、一番上に書かれていることが見えたのです。


《予言書 確定前 ①かぐや姫とうさぎのタスケルした桃太郎が16歳?あたりで死亡する》


「………え!?」


さすがの狸も心臓が跳ね上がりました。


桃太郎はかぐや姫の友達だ…


「なんですか、これ」


ページをめくります。


《桂女の岩田さん死亡する?

 病気になって→薬が必要、村に届かなくなる》


《鬼のせいか》


走り書きだった

きっとカサンドラの筆跡なのは間違いないだろう


《鬼退治が失敗するのか桃太郎が殺られる?》


「なんなんですか、これ…」

狸はとてつもない胸騒ぎに襲われました。

下に《確定前》と書かれている


「大変だ……かぐや姫とうさぎに伝えないと」


まさか

さっきの更新は、これが確定したからか……?


狸は、出入り口に向かって走り出しました。


「大変だ!!!!」


狸にしては猛スピードで、あの重たい扉の前まで急ぎました。

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