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カチカチ山のたぬき悪口言われるのは許さない~サイト管理人に抗議しに行ったら大変なことに気付いた件について  作者: RiderLisa


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いざ水星へ!ギャフン!

斜め上から見た美しい世界2の前日譚。

無事、月の住人として幸せに暮らすようになった元カチカチ山の狸タヌちゃんは、寺子屋の先生として楽しく勉強を教えていた。

ある日、月についてアレコレ予言や透視をする水星人について生徒たちから聞かされる。

それはトンデモナイ者かもしれない!詳しく確認しなければ!あまりにも酷いことが書いてあるのなら、抗議文を送ってやろう。

まずは、ある事ない事書きまくる水星人カサンドラ嬢が管理する《ツキペディア》という百科事典サイトにアクセスするのだった。

「タヌ先生が、カサンドラに言いたいことは《クソ野郎、好き勝手なことを書くんじゃねぇ!》という気持ちです。これを少し丁寧に直すといいですね。」


教壇の上に立ち黒板に書き始めます。

狸用の背の低い小さめの黒板ですが、生徒たちから苦情などは来たことがありません。

月の住人は目が良いらしい。


「こんな感じだといいと思いますよ。

《初めまして、カサンドラ嬢。

私の名前は元カチカチ山のたぬきタヌちゃんと申します。大変申し上げにくいのですが、ツキペディアに月の内情や住人について投稿されているようですが、少し内容の変更をお願いしたいと思っております。》」


「先生!ちょっと丁寧すぎませんか?悪いのはカサンドラ嬢ですよね?」

ひとりの生徒が不満気な顔で言いました。


「ふむふむ…そうですねぇ、それも一理あります」


再び、狸は続きを書いていきます。


「少し工夫しましょう。こちらの気持ちも伝わるようにするといいですね。

《貴殿の書いているクソしょうもないツキペディアの内容を変更するか、削除をお願い申し上げます。》

これならどうでしょう?」


生徒たちの笑い声が聞こえてきます。


「こんな感じもいいかも。

《てめぇ様の作っているツキペディアを消しやがれ(そうろう)言うことを聞かないとぶっ殺し申し(そうろう)》……とか良くないですか?」


やりすぎですよ〜、そうろうってなんすか?など、

楽しそうな声が飛び交っています。


「まぁ…今回は《貴殿の書いているクソしょうもないツキペディアの内容を変更するか、削除をお願い申し上げます。》こっちでいきましょうか」


「先生!ナイスです!」


「頑張って下さい!!」


「えぇ、もちろん。では、今日はこれで終わります」


「先生!じゃあ、私はタクシーの用意をしてきます!」

金髪の人間っぽい生徒は、寺子屋を飛び出して行きました。


なんとも頼もしい!

戻ってくる間、抗議文をレターセットの便箋に書き写しておこう。


「えーっと、私は〜元カチカチ山の〜たぬき

タヌちゃんです………っと。」

黒板の内容をもう一度書いていく。


「実際、会えるかどうか分かりませんからね。

目の前にいれば手紙など必要ないですけど…」


力を込めて抗議文を書き、少し便箋が破けてしまったが…それもいいだろう。

お手紙は気持ちを伝えるためにあるのです!

丁寧に折って封筒に入れていく。


狸の煙でも入れてやろうかな

煙たくてゴホゴホするくらいしか効果は無いが、それでも嫌な気持ちにはさせられるだろう

ひひひ…


悪いことを企んでいると、かぐや姫のニコニコ笑顔が思い浮かびます。


………いけない、いけない

煙はやめておこう。


「ったく!誰がぷよぷよの腹やねん!」

机の上にバシッと封筒を投げつける


あ…そういえば。

今日は神様が来ていなかったな、珍しい。

あ、そうか。

狸が珍しく寝坊したもんだから、帰ったのかもしれないな…あっ水星に行くなら許可証を貰いに行かなければ!

あとで神殿に寄ってもらおう。



ブーーー

ブーーーーーー!!!



「ん?」

なんの音だろう

寺子屋の窓から外を見ると、玄関の前に鉄の塊が停まっています。


あっ…あれは車というやつだ。

月では滅多に見ないのですが、一度うさぎが得意気にカタログを見せてきたことがあるのです。


車もバイクもMOONDA(ムンダ)が一番カッコイイ!と教えてくれました。

タクシーは、月ではもっと珍しく

MOONSSAN(ムッサン)車が使われているとか…。

どうでもいいので、あまり聞いていなかったのですが

どちらのメーカーも觔斗雲と同じように空を飛べるらしいのです。


ここでは雲かトナカイに乗るひとが多く、車は珍しい。

あれはタクシー運転手の生徒だな!


狸は怒りを込めたお手紙を手に取り、寺子屋を後にしました。


「先生!来ましたよー!」

玄関を出ると、生徒の歓迎する声が響きます。

窓から顔を出して、元気よく手招きしてくれています。

「隣どうぞ!」

助手席のドアが開き、ぐるっと反対側に回って乗り込むと、再び自動でドアは閉まりました。


「では、よろしくお願いしますね」


「もちろん!あ、どっかに掴まっててくださいね!」


「え?」

生徒のほうを向いた途端、車は急発進しました。

しかも……

空の方向へ!


「ぎゃぁぁぁぁああああ!!!!」

狸は、一気に後部座席まで吹っ飛んでリアガラスに激突しました。

ぷよぷよなお陰で助かりました。


「ぬぅわーーーー!!!」

生徒は気にせず、車をどんどん上昇させていきます。

狸の顔は、ガラスにぶちゅーーっと押し付けられて

可哀想なくらい不細工になっています。


止まれー!と言いたいのに言えません。


こいつ…!!!許さん!!

寺子屋出禁にしてやる!!!


「さぁ…あっという間ですよ。

あと少しで着きますからーーー」

金髪の人間っぽい生徒は、冷めた声で言いました。


急に車が垂直から並行になり、狸は後部座席のシートにドスンと落っこちました。

「ぐぬぬぬぬぅ」

顔が潰れたかと思うくらい痛かった!

許せん…許せん…許せん!!

全くトンデモナイ!!!

まさか寺子屋の生徒にこんな奴がいるとは!!!

全く全く!!!


「楽しんだかー?」

運転席から振り返った生徒は、ニンマリしていました。

なんだか様子がおかしい…

なんなんだコイツは。


「あーごめん、名前言ってなかったな

私がカサンドラ嬢だ」


「なっなっなにぃー!!!!!!!!!!!!!!!!?」

狸は顎が外れそうなくらい叫びました。

「なっ!なっ!なっ!」

人差し指は情けないことにガクガクと震えています。


「ダッサ」


「はっはぁ?!きっきっ貴様!

なぜ!!!?なんのつもりですか!!」


「べつにーーー…暇つぶしだ」


ワナワナする狸を尻目に、車は速度を落としながら

見たことのない光り輝くまぁるい星に近付いて行きました。


綺麗な丸の雪玉のようなイメージの星で


淡い水色に光るこの場所は、まるで…棚田で蛍が舞うような神秘的なところだった。


なんというか…

月は、いつでも明るく楽しい祭りのような雰囲気だが


ここは、人の気配がまるでしないのだ


ただ黄色い光が漂う暗くて………とても寂しい感じ


月のように楽しそうなところは一つもない


ふと、遠くへ目をやると神様の神殿くらい大きい

白い建物が見える


細長い塔がいくつも建っていて、塔のてっぺんは針のように尖り刃物のように鋭く光っています。

立ち並ぶ塔たちの真ん中には、球体のように膨らんだ建築物があり大きい扉が付いているのが確認できます。


離れていても相当豪華なのが伝わってくる…

「ここは水星ですか?」


「そーだ」


「ていうか…月の神様には許可取ってるんですかぁ?サンタワールド以外の者が月に入っちゃいけないんですよ!」

聞いておいて、自分も許可を取らずに水星(ここ)に来てしまったことに気付く


くそ!この阿呆のせいだ!ルール違反になってしまうじゃないか!


「ふん、どーせ気づかれちゃいない

アホな神様だからな」


「なにぃ!!?月の神様に向かって無礼ですよ!!!」


「アハハッ!面白い!変な顔!」


狸が鼻息を荒くしているというのに、ひとを小馬鹿にしたような振る舞い。許せん。


「帰ったら報告してやる!神様とは仲が良いんですよ!」


「狸が神様と友達だって?」

カサンドラ野郎が鼻で笑っています。


「……とっ友達では無いが」


「はいはい、あっそ」


ぐぬぬぬぬぬぬ!なんじゃコイツ!

思ってた以上に腹が立つ!


手紙を投げつけて帰ってやる!!!


……………あっ

どうやって帰ればいいんだ?


「さっ着いたぞ。文句は中で聞くから

来い」


ぬぬぬぬぬぬぬ!!!!!

まったくトンデモナイ!

なんて口の悪い奴だ!


手紙をぐしゃぐしゃに握りながら車を降りると、

ムカつくから強めにドアを閉めてやりました。

あとで気づかれないように引っ掻いて傷をつけてやる。


怒りMAXの狸は、ドスドスとカサンドラの後を付いていきました。

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