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第6話 求めよ、さらば与えられん

改稿いたしました。

第二章で描くつもりだった、母との思い出の『 あらすじ 』をあえて序章で『 セリフ付き 』で落とし込みました。

さらには、親子のつながり、仲間とのつながりを大事にしている作品ですので、文字数と相談しながら、再度、描いていこうと思っています。


まぁ、あまり読まれてないですけど、自身の気持ちが最優先ということで、粛々と進めていきたいと思います。

 3人だけの心温まる夕食タイム。


 すっかり日が落ち、楽しく会話をしていても満腹感に眠気が襲ってくる頃だ。


 【 アハル 】の町を襲う大ピンチの最中でも、

 自らの内情精査と活力補給、状況構築は、それに立ち向かう時、一番大切なものだ。


 特に前世から、忙しく商売に打ち込む両親と、生活環が見事にすれ違っていた幼少期の私。


 家族とのアットホームな食卓を囲む夢を常に心に描き込み、

 自身の子供とのそれを大事にしていた。


「 ふぅ〜食った。食った。

アブー、父さんのパンを食べて大きくなれよ! www 」


「 うん!わかったよ。父!

食器の片付けとキッチンの火落としは、

この麗《うるわ》しの赤髪の乙女がやっておくからね! 」


 食後のハーブ茶を飲み干した父が ( ニヤリ )とこちらを見る。


「 なんだよ、アブー!父さんはお小遣いはあげられないぞ www

だいたいからお小遣いなんて今までもらったこともねぇ〜もん! 」


 母が「 ギロッ 」っと愛しの旦那様を一瞥《いちべつ》すると、椅子から立ち上がり( うるうる )した、その大きな瞳を父に近づける。


 父の ( メロメロ ) な顔が、面白かわいい瞬間だ www


「 私の愛しの旦那様、女の子は人間関係を円滑に作り上げるために、多少のお金も使い構築していく、か弱い生き物なのですよ w 」


 優しい流れるような言霊《ことだま》でそれを父に優しく奏でる、

 【 女神ミリア 】モードの美しく愛らしい私の母。


「 じゃあ頑張ってね!私のかわいい、カッコウさん w 」


「 母よ!ありがと!ホトトギス w 」


 父を悩殺した彼女は、テーブルの私に、かわいく ( ウインク )すると、

 骨抜きにした旦那様とともに自室に上がっていった。


「 よーし!『 古文書《コモンジョ》イント大作戦 』を、決行するぞぉォォ〜い www 」


 早速、私は手早く食器を洗うと、

 台所から貴重なオリーブオイルをこっそり拝借する。


「 こ、こぼすなよ、私!高いからな w 」


 父の部屋から盗み出したランタンに、

 ドキドキしながら充填し始めた。


 そして暖炉の残り火をそっと掻き集め、ランタンに火を移す。


「 よし!...... 」


 見よう見まねだったが、上手くいった......


 自身とランタンを毛布で隠し、照明が外にもれないように書庫に向かう。


 しかし思った。


( なんで、子供というだけで、こんなにも罪悪感が襲ってくるんだろう? www )


 子供が火を使い、大切な文献がたくさんある夜の書庫に忍び込む行為が、

 何か盛大な失敗イベントを招きそうな気がして、

 私を余計に ( ハラハラ、ドキドキ ) させるのだった。


 重たい書庫の扉に手間取るも、何とか侵入に成功する。


 書庫の独特の匂い。


 それは乾いた埃と、遠い昔に死んだ獣の脂。


 そして長い年月を経て酸化したインクが混じり合った、少し重苦しい臭いだ。


 ランタンを掲げるたびに、その濃密な空気が喉の奥にへばりつく。



「 あった......良かった www 」

 

 私は ( ニヤリ ) と悪い顔で微笑むと、インクの木箱を手に取る。


 そして、椅子に毛布を丸めて置き正座でその上に座ると、

 作業に取り掛かるのであった。


 ランタンの炎がゆらゆら揺れ、羊皮紙のざらついた感触が指先に伝わる。

 

 インクの瓶を開けると ( ツン ) とした酸っぱい匂いが鼻を刺す。



 第一弾として、この国の治療法と環境構築、

 町を衛生的に保つ方法を特化させた文献を大人たちに投下する。


 その当時、一般的な治療法は病人の血を抜くものが主流だったが、

 私はそれを止めさせたかった。


 このために、私がコツコツ貯めた串焼き肉資金を羊皮紙に注ぎ込んだと言っても過言ではない。


 食中毒のような症状で苦しんでいる患者をさらに傷をつけて、

 治療と称するその行為が、全然理解できなかったからだ……


 とりあえず、真っ先に先行させる対処として、重病人を一箇所に集め、

 濾過か煮沸した水を定期的に与える。


 食事はお腹に優しいパン粥や消化に良い野菜煮込みスープを、

 無料配布するのが良いだろう。


 この世界に生まれて、まだ5年しか経っていないけど、

 衣服も暖房も寝具も全然充実してなくて、

 秋が訪れると毎日、朝晩に体が冷えるのを感じている。


 だからこそ、温かいスープを飲むと体の中からじんわり熱が広がって、

 生きてるって実感が湧くのだ!


 野菜スープの利点は、体を温めるだけじゃない。


 その旨味や栄養素が汁に全部溶け出して、

 病人でもスプーンで飲むだけで余すことなく摂取できるところだと思う。


 特に前世で健康オタクだったサラリーマンの私は、

 料理レシピに関しては消化の良い健康的な物をたくさん記載する。



 次に、私は2つの大きな対策を分けて書いた。


 1つは病人の看病をする人たちのための衛生論。


・病気の看病をする者は、

 患者に触れる前に手を洗い、

 終わりにはお酢や酒で消毒すること。


・口や鼻を布で覆い、

 手には厚手の布を巻いて触れること。


・布は使い回さず洗濯をすること。


 これで病気が他の人に移らないはずだ。


 図解も入れて、手を洗う順番や布の巻き方を簡単に描く。


 二次感染を防ぐのが大事だから、ここは特に丁寧に書いた。


 もう一つは町全体の汚物処理とリサイクルで、

 これは都市計画でも根本的な考えをシンプルに表現。



・飲み水に使う上水川と汚水を流す下水

 川を説明すると共に、汚物は大壺に集 

 めて、牛馬車で農地の下水川付近まで運ぶ。


・そこで落ち葉や草などと混ぜて堆肥に

 する。


 図解で壺の置き方や運び方、堆肥の作り方など管理の仕方を描く。


 汚物を堆肥化して畑に再利用し、

 作物を収穫して有効利用できる資源として、

 ちゃんと循環させる所に意義がある。


 そして......


 ・従事する者は町の衛生管理を司り、

  人々の健康を守る者として、

  普通より高き俸給を与え、

  高級職として待遇すべし。


 と、古文書っぽい言い回しで書いておいた www


 ここがいい加減では、もともこうもない。


 そもそも衛生管理の理念を理解していない者に任せたら、

 仕事が雑になって全部台無しになってしまう。


 まだまだ書きたいことが山のようにあったが、

 羊皮紙がもうないし、私のお小遣いももうない www


 最後に、


 求めよ、さらば与えられん。


 尋ねよ、さらば見出さん。


 門を叩け、さらば開かれん。


 欲するなら、我に羊皮紙を捧げよ!


 求めるなら、更なる古き叡智《えいち》を与えるであろう。


 と、私の切実な思いも込めて締めくくった 。


( 届け!私の切実な気持ち www )

現時点での、自身のベストを描いてみました。

また余裕ができて、読み返した時に変えるかもしれませんwww


行雲 日千羽 R8.3/29

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― 新着の感想 ―
施工管理職としての合理的で実務的な視点が街の危機を打開していく構成が非常に面白いです。 単なる知識の披露に留まらず、子供ゆえの無力さを古文書の偽造という手段で補う知略には、現場監督らしいリアリティが感…
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