↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エバーレコードパーツ ピークアブー編 エバレコ  作者: 行雲 日千羽
太陽と陰の晩餐詩 〜激闘ギャンリック戦〜
47/48

【 外伝 】第12話 ヒーローと言う名の英雄譚

 右手を床につけ、鉄巨人が上半身を起こしギャンリックが叫ぶ!



「 ヤロウ......アノヤロウ。カーリーノヤロウ!俺様を嵌めやがったなー!!! 」


「 ガシン、ガシン、ガシン! 」


「 俺様は怒っているぜぃーい!カーリー・シン!許さねぇーぞ! www 」



 私はギルドを立ち上げ軍師になってから真の絶望感に襲われて、

 立ち上がったゴーレムを見上げていた。


 メンバー全員の瞳からも希望の光が消えている。


「 なんだ?おまいら誰だ?

おう!そうだった!おまいらジャバロン軍だろ?www 」



 私たちは、それに応える気力すら残っていなかった。。。


「 カランカラン! 」 


( 眩しい。眠い。。。 )


 私は太陽の光の中、巨大な金属の兵士の前で全身の脱力感に襲われ、

 握る力さえなくなり、手から剣が滑り落ちてしまう。

 

「 聞かれたら答えろやー虫ケラ!踏み潰すぞwww 」



 最早、世知なギョロ目なんてどうでもいい。



( 相棒。アブー。お前たちを見てもっと笑いたかった。。。 )



 しかし、あの時の赤髪の娘のセリフを思い出し力が戻ってくる!


「 おおっ!母なる太陽よ。なんて神々しい姿なんでしょ。ほととぎす! 」



( ププ w 最後ぐらい元気だすか www )



「 私は千手のバーン!この地の民を愛する男だ! 」


 頭半分の男はギョロ目を大きく見開き笑いながら叫ぶ!


「 俺様はオスマトルを呪い恨んでいる。死ねやぁァァー! 」


 巨大な腕が持ち上がり止まる。。。


 ギョロ目が高笑いをして何か騒いでいる。



 どうでも良い。剣を拾い構えんとな w



「 ヒーローは遅れてやってくる!!!

喰らいやがれいぃィィィ〜〜!!! 」


 輝く太陽の光の中、天高く舞い上がった黒い男が、瞬時に膨大な氣を燃え上がらせ、巨大な大剣を構え落下してくる!!!


「 ズガン!!!ブシゅゅゅうー! 」



 !?......



「 あ、相棒?違う。黒い髪と肌、黒い甲冑、黒いマント......誰だ? 」


 剣を構え見上げてみれば、天井からギョロ目を肩口から、ゴーレムごと串し刺しにして、巨大な剣にぶら下がっていた黒い男が高笑いしながら着地する。



 そこにドンたちが御輿に乗って部屋に入ってきた。



 漆黒の立派な体躯の男がこちらに歩いてくる。


「 遅くなっちまってすまねえ〜!www おっとあの化け物まだ動くのかよ! 」



 その男がこちらを向いて何か話すも、ギョロ目を見上げる。



 確かに。微かに、うごめいていた......



「 キョウダイタチ(弟妹たち)ニゲノビロ(逃げのびろ)。

ダメな......兄ちゃんで、すまねぇー! 」


「 コード1。|カエンコウゲキヲジュリシマス《火炎攻撃を受理します》 」


 ゴーレムの振り上げていた腕。指を「 ギギッ 」っと天に向けて掌を広げた。


すると!?天高く巨大な火球が立ち上がる。


( ギャンリックの腕の武器と同じだ! )



「 キュルルルルルル...... ドドーーン! 」



 ギョロ目の座椅子から青白い炎が吹き出し、機体が青白く光ると眩しく輝き出す!



「 ハソンハッセイ(破損発生)コード000。キンキュウテイシ(緊急停止)シマス! 」


「 ウィンウィンウィンウィンウィ...... プシュウゥゥゥゥー!...... 」



 ......



 動かない。。。決して常識では推し量れぬ遺物だが、どうやら完全に停止した...... ようだ。



 ――!?



 その刹那! 突き刺さった剣から火柱が天高く舞い上がった!


 ドンが御輿で、偉そうに大騒ぎするも、漆黒の男が後ろから声をかける。



「 もういいじゃねえか!

それよりちみは、またも白目を剥いて気絶していたのかね?

わたすのジャバロンパンチを食らった時のように! www 」


( あ、あの日の...... あ、相棒だ。。。 )


 心からの涙が溢れ出す。


 ドンが両目を見開き、信じられないといった面持ちで、振り向き涙腺を一気に崩壊させる。。。


「 なんじゃ、なんじゃ。。。ダメ大将!生きておったか!遅いんじゃ!いつもいつも心配させおってwww 」



「 うるせいぞ!ドン!ヒーローは遅れてやってくるんだぜぃ〜!www 」



「 なんじゃ?またアブ語か?『 ヒーロー 』とは、どんな意味なんじゃ? 」



( ドン!せっかく綺麗にした縮れた自慢のヒゲが鼻水で汚れているぞ www )



 駆けつけてきた、みんなが安堵の涙と笑顔で、相棒の一言に注目する。



「 う〜ん。。。アブーが小難しい事ベラベラ言ってて忘れちまったな www

とにかく、カッコいい男って事だ! 」



 全員、涙を流しながら相棒に「 なんだそれは! 」と、盛大にツッコミを入れ、笑い、そして罵ってやっていた。



 私もこの日を決して忘れはしないだろう。



 我らが王とミリアにも喜んでもらうため、この一文も加えて物見役に書簡として渡しておいた―――




 【 一時《いっとき》前のジブラ戦 】


 ―――朝のまだ涼しい気配と真逆の血と汗、そして鉄の匂いが充満していた。


 後、数刻もすれば丸一日、行軍と戦闘をしている事になる。


 しかし、この巨躯の戦士は、未だ衰えない他者を圧倒する莫大な憤怒の氣を発していた。



「 ゴオオオラアァァァァー!!!

逃げてないでオラと戦え!ギャンザックくくぅゥゥー! 」



「 ギャ〜キャキャキャ〜 www

ウスノロの鈍牛野郎が!

遅すぎてアクビが出るだギャ〜! 」


「 くそっ!本当にしつこい野郎だぜ...... リックの兄貴、俺に出来るのはこれぐらいだそ!盛り返せ兄ちゃん!逃げてくれ兄ちゃん! 」



 そこにピエー率いる200名の精鋭が登場する!



「 ジブラ!良くやってくれた!こっちは色々あった...... すまん遅れた! 」



 目に隈を作り、鼻をススりながら、乗っていない口上を述べる彼女。


 オラは嫌な妄想をしてしまう。


( 何かあったか。まさか、ドンか?バーンか?ジャバロンは無いだろうが。。 )



 その時!?



 古城の方角から火球が打ち上がる!



「 キュルルルルルル......ドドーーン! 」



 それを見ていた、ギャンザックが何故か、大粒の涙を流しながら両目をぐるりと回して叫ぶ!


「 く、くそおおォォォー!おまいら!【 タルビア 】まで逃げのびろ!

命令だ!また合流するだギャ! 」



「 ザックさま。。。 」



 何かを察したように四散する幹部と大盗賊たちの面々。


「 逃げるなー!オラと戦え!!! 」


 憤怒の氣を、爆轟させるも決して届かない位置に奴らは行ってしまう。



 そして、森の奥から呪いの言霊がこだまする。


「 ジブラ!!!お前の娘の首を!

アハルの未来を俺様が絶対に刈り取ってやるからなー ギャ〜キャキャキャ〜 www 」―――





 【 更にメディー商会前 】


 ―――漆黒のムチを構え、悠然と立つ女盗賊の足元には屈強な男たちが、目を貫かれ絶命している。


「 パナーム!舐めてんのかい!この私の名前を言ってみろ! ビシン! 」



 この女は本当に悪趣味だ。



 邪神バシリカを崇拝していて、穂先に蛇頭の鋼鉄菱がついているムチを使い、何人もの私の部下を倒しやがった。


 黒く染めた皮製の奇妙で妖艶な衣装もまったく理解できない。



 私は、この女と決別する。ようやくだ。不敵な笑みでコイツを見下し蔑んでやる!


「 賞金首、バシリカ盗賊団統領、魅惑のジュマリナーでしたかな?www 」


 怒りの邪悪な氣を立ち昇らせて、

 女大盗賊が、「 バシン! 」とムチを鳴らす!



「 なめんじゃ無いよ!お前さん! 」



 不敵な笑みを浮かべ、私は宣言する。


「 おい!バカ女。【 タルビア 】も我が商会となった。

サイファー!レクター!バズーカ!

この賞金首を捕縛しろ!

金貨200枚の小物だがな!www 」



「 くっ!!! お前たちまで! 」



 逃げていく女盗賊を見て、私は心からの喜びと勝利に湧き上がる感情を抑えられず叫んでしまう!


「 くっくっくっ、わっはっ〜はっ!

盗賊なんて、これからは流行らないのだよ!

この【 倍々売買のパナーム様 】の時代がやってくるのだよ! 」―――




 ―――川辺の茂みに消える女盗賊は不敵な笑みを浮かべ、海岸線に向けて走っている。


 数々の不遇な人生を物ともしなかった彼女。


 それは、過酷な盗賊界でも着実にのし上がっていった自信に裏付けされた確固たる勲章であり、生き様であった。


( くっそー!また一からやり直しだよ www )


 しかし、その瞳は朝日に照らされ静かに、そして激しく燃えていた。


 細かくした三つ編みを解くため、束にして切り揃えた彼女の漆黒の髪が、東からの強風に美しくなびいている。


 左手には切った髪の毛の束と先端の蛇の頭の黄金たちが妖しく輝いていた。


「 パナーム!アイツは、絶対に殺す!

サロスとアハルの連中も絶対に殺す!

蒼天のピエーと身内は絶対に根絶やしにしてやるからな! 」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。