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お師匠

 お師匠は、赤獅子と讃えられている父も認める戦闘力を持つ。


 そして、スーパー軍師のバーンおじさんも認める頭の良さを持つ上に、

 イケメンというスーパースペックの持ち主だ。

 

 相方も当然、狙っている!


 しかし負けたくないw


 将来的に私の旦那にしたいと思っているwww


 母も婿にしちゃえば?と言っていたw


 お師匠はゾーンに入り、

 そこから増幅する氣により、

 身体能力を爆発的にあげる。


 それは私も前世でその威力を跳躍力に使っていたので知ってはいた。


 それでも常に使いこなせるものではなく、

 集中力やプレッシャーに大きく左右される。


 仮に上手くいっても、

 周囲には「今日はたまたま調子がよかっただけだよ!」と笑って言うくらいのものだった。


 その点、このお師匠は明らかに違う。


 すぐにゾーンに入ることができる呼吸法を実践している上に、

 氣を電気のスイッチのように簡単にオンオフできるという、

 変態的な才能を持っているw


 しかも、そのやり方や私達に何が足りないのかを明確に言語化できるのが、

 彼の強みでもある。


 ちなみに、父とお師匠の練習試合なんかは、観客席が満員御礼になるだろうぐらいの熱い激しい戦いを見せてくれるのだ。


 そのぐらい開始直後から氣を練り上げて攻めてくる、

 お師匠はすごいという事。


 父は30歳、

 刃渡り80cmのシミターと盾。


 油が乗った全盛期。


 完全に維持しているだろう見事な体躯の持ち主。


 お師匠まだ15歳。


 まだまだ線が細くて、

 少年の面影が残る。


 両手に60cmの細身のショートソードを持ち、

 黄金の腕輪が輝く。


 この時、お師匠は大体すでにゾーンに入っている。


 試合開始。


 お師匠が即動く。

 一直線の残像が父に襲いかかる。


 激しい金属音をさせ、

 容赦無い怒涛の攻撃が父に叩き込まれていく。


 お師匠の華麗で俊敏な動きと共に、

 乾いた土埃が舞い上がり、鼻を突いた。


 赤獅子と言われる自分達の大将が、

 若干15歳に押し込まれる姿に、

 周囲の大人達も思わず、

 低い声をもらす......


 ただここからだ。


 盾の奥で、猛獣の赤色の瞳が光る。

 

「 ゴゴゴゴ……。」


 来た!!!


 刹那、赤獅子の重厚に凝縮された氣が爆散(ばくさん)するように全方位へ弾け飛ぶ。


 視界が歪み、大気が震える。


「ビリビリビリビリ!!!」


 耳鳴りと共に、私の肌が粟立ち、肩をすくませる。

 

 凄まじい闘気と土埃が舞い、鉄の匂いが練兵場を包み込む。


 こうなると周囲も身動き一つ、

 瞬き(まばたき)一つ出来ずに、

 見守るのが、いつもの状況。

 

 父の盾捌きと剣撃の回転数が、

 凄まじい勢いになる。


「 ガキン! ガン!」


 火花が散り、

 鉄の焦げたような匂いが鼻をくすぐる。

「 ゴキン!」


 ここで、お師匠の左肘から先が鞭のようにしなり、指が不自然に開き、汗の飛沫と共に剣が吹き飛ぶ。


 しかし速い!

 反撃だ!


 自身の左腕に構わず、

 残像を残すほどの右ハイキックを父の顔面に叩き込む!


 顔面に入る......!?

 

 その刹那、父は剣と盾を同時に離し、

 左肘でそのハイキックを受け止める。


「 見事だ、強くなったな!」


 父は彼の右のショートソードを裏拳で軽く弾くと、

 お師匠の懐に入り、

 彼のその右腕を絡めとり、

 柔道と同じ一本背負い......


「 ドス......」


 地面に叩きつけられた衝撃が、

 土煙を巻き上げた。

 

 お師匠の、もう1本のショートソードが、

 カランカランと金属音を響かせ、

 戦いの終了を告げる。


 決まった!

 

 すっかり観客となっていた兵士たちが叫ぶ。

「うおおおお〜〜!!」


 お師匠に手を差し伸べ父がおどける。

「 ふ〜やれやれだぜ!こりゃすぐに追い越されるかもなwww 」


 お師匠が苦笑いしながら手を握る。


 立ち上がるも、まだ息が荒い。


 汗の匂いが強く漂う。

「ゼイゼイ......精進いたします......」


 父が頭をぽりぽりかきながら、

 爽やかな笑顔で言った。

「 可愛い俺の子供達の指導頼んだぜ!」


 正直、完璧なイケメンでは無い父が唯一と言っても良いほど、

 カッコいいと思える顔の一つを見せる。


 私の好きな父の顔だ!


 母も同じ事を言っていたw


「 はい、ジャバロン様!」

 こっちは全てが、どんなシュチュエーションでも似合う男だ。


 相方がいつも言っているw


 と、戦ってもいない私の口の中が、

 興奮でカパカパに乾いていた......


 ざっと2人の直近の訓練はこんな感じ。


 父やバーンおじさんは見込みのある若者を集め、

 武芸、学問や多岐にわたる指導をしていて、次世代の育成に余念がない。


 そんな中、お師匠は書庫に立ち入ることが許可されている人物の一人でもあった。


 私たちがアハルに移動したため、

 サロスの町に残った守備軍団長のドンドンが言うには、

 お師匠はこの国からはるか南西にある巨大な湖の沿岸に住んでいた、

 有名な暗殺集団の末裔だという。


 その証拠に右手に付けている黄金製のリストバンドには、

 細かいルーン文字が刻まれていて、

 その一族の地位の高い者が身に付けるものだと力説していたのを思いだす。


 一応、お師匠に真偽を確かめたことがあったが、

「なんだよ! それ!wそんなわけないだろ」

 と軽くあしらわれる。


 相方は、そんなお師匠にますます怪しさを感じたらしく、

 いつもこの質問をして困らせていた。


 お師匠の授業は午前中だけ。


 瞑想から始まり、ゾーンの入り方、気の練り方など。


 前世の日本人の約八割はゾーンに入ることができていたと記憶しているが、

 相方の弟はゾーンに入れず、

 いつも半べそをかいていたw


 剣術や体術は五歳児以下限定なのもあり、

 型にもならないお遊戯会みたいなもので、  

 それを他の大人たちに微笑ましく応援されている。


 ちょっと屈辱的だwww


 座学に関しては、語学や世界情勢などを、

 私たち子供の興味を引くアレンジを加え、わかりやすく教えてくれる。


 師匠はまさに理想の先生だった。

R8.1.8 戦闘シーンの描写変更と共に内容変更しました。

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