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第18話 アハル3人娘

皆さんは、川で遊んだ経験はありますか?


私は都会っ子だったので、そんなに経験ないですし、

底の見えないそれは少し怖いなと感じています。


しかし、大人となり子供たちを連れ、

川で遊ぶ、娘と友達たちがはしゃいだり、

大自然を肌で感じ呟いた、その感情と、

自身の思い出を馳せて、描いてみました。


今、私的な身内のトラブルに心を揺らし、

作品投稿も控えようとしていましたが、

暖かい応援もあり、続投する力をいただきました。


本当にありがとうございます。

楽しんでもらえればうれしいです。

 我々、『 アハル3人娘 』は川へと足を踏み入れる。


 私は、ひんやりとしたシルト層の指の間で 

 ( ニュルリ ) と柔らかい感触が気持ちいいが、

 【 オウカ 】は少し苦手のようだ。


 そんなに綺麗な色の川じゃないのもあるし、少し泥臭いのもあるだろう。


 ひんやりしていて、軽く火照った肌がとても気持ち良く、その熱を奪ってくれるアハル川。


 【 シェリ姉 】を先頭にそのまま ( ズンズン )と川に進み、

 しばらく遊んだ後は、( プカプカ ) 流れるアハル3人娘。


 ちなみに私は肺をつねに膨らませていないと、

 沈んでしまう、全身筋肉少女。


 決して、骨と筋だけの女では無い www


 ちなみにシェリ姉も同じ事を言っていた。


 そして、オウカは浮かぶのは得意だが、

 『 ぽっちゃりさん 』と言うと怒るので言えないw

 


 彼女の【 父ジブラ 】はアハルから南西の山沿いの鉱山の町【 マデン 】の城主。


 鉱山だけでなく林業や牧畜も盛んで山の幸も豊富らしい。


 ちなみに、ジブラと同じ背格好の弟【 シムラ 】が兄の異名でもある、牛の牧畜に力を入れているとのこと。


 この世界の保存方法は、無いが如く。


 私も初耳だったが、マデンでは、

 猛牛印の『 シムラの牛乳 』と言ったら、

 子供から老人までに愛される地元ブランドにまで成長しているらしい。


 つまりミルクも、チーズも、牛肉も、食べ放題、飲み放題なわけである。


「 うらやましい......A5の肉を......喰らいたい w 」


( それにしても、そんな所でインドアライフしていたから、

ぽっちゃりさんなわけだ www )


 プカプカ浮かびながら、そんな事を考え、一人( ニヤニヤ ) している5歳児。




 耳は水の中。

「 コオォォォ〜〜〜」という水の音。

 

 流れに身を任せ、ふんわり浮かぶ雲を見ながら頭の中が空っぽに。

 

 時折、耳が水面を割ると、地上の喧騒が飛び込んでくる。


 セミの「 ジリジリジリジリ」と、鳴く声が小さくなり、

 草むらから「 チリチリチリ」とコウロギに変わる時期。


 水中の音と、鳥のさえずるかわいい声を聞きながら、流れて行くよ。

 我らは、アハル3人娘。


 どこまでも流れて良い気持ち。


 ゆったり、ゆっくりと自然と一体感が心地よい。




 この時、水面に浮かびながらでの『 ゾーン 』を体験する事になる。。。




 しばらく川のゆりかごに揺られていると、 

 風に乗って香ばしい煙の匂いが鼻をくすぐる。


「 ねえ、シェリー?魚の匂いね!」


 ぽっちゃりさんのオウカが反応する。


 シェリ姉が ( ニヤリ ) と笑い、

 ドン爺みたいにからかい始めた。


「 おい、オウカ!そんなんだから、いつまでも、ぽっちゃりさんなんだぞ www

明日も私がみっちり鍛えてやるからな 」


「 あ〜!シェリー!もう、言わないって約束したじゃない!」


 オウカが頬を膨らませ ( プンプン ) 怒り出す。


 私は相方ばりの『 ジト目 』で1人思う......

( こんな時は反応が早いんだな www )


「 もう!シェリー!許さないんだからね! 」


「 お?やるか!ぽっちゃり系お姉さん!

受けてやるぜ!!!」


「 もう!また言った!パパっ子さんのくせに!www 」


「 モウモウ牛さん!かかってこいやー!www 」



 そして、天下分け目の壮絶な、水のかけ合いが始まる。



 私は、そんなガキンちょどもは、放っておいて、目を岸辺に向けた。


 キラキラと光る水しぶきの中で、網を投げる大人たちの姿。


「 おーい!こっちへ来いよ!」


 手招きをするのは、アハルの|食料調達部隊の隊長【 ヘルモン 】さんだ。


 岸辺に上がると隊長《ヘルモン》は、たった今釣り上げたばかりの黄金色に焼けた魚を指差す。


 「 パチパチ、ジュー、ジュー」と良い音を、立て香ばしい匂いが漂ってくる。


 父がたまに料理してくれるアハルでは定番の川魚。


 これには、ご機嫌3人娘。


 

「 ヘルモン隊長、ありがとうございます!頂きま〜す!」


 熱々の身を頬張ると、

 皮はパリッと、中はふっくらと甘い脂が口いっぱいに広がる。


「 お前ら、いっぱい食べろよ!」


 しかし、今日も母の愛情たっぷり料理が待っている。


 ご飯と串焼肉は流石に美味しかったが、

 基本、味付けの『 あ 』の字すらもわかっていない、

 ジャバズキッチンならまだしも、

 体の少し弱い母が一生懸命作ってくれた、その料理。


 娘として全力で堪能しなければいけない責務があるのだ!


 少しもったいないが、お腹三分目にしておこう。



 そして、ぽっちゃり系お姉さんに、

 お腹いっぱいと言い食べかけを渡す。


 2人には、そんなだから痩せっぽっちなんだと言われ笑われるw


 私はまだまだ食べれるが、お腹も心も、満たされて顔を見合わせ( ニコニコ )笑顔。


 我らは、幸せアハル3人娘。


 服もだいたい乾き帰宅する―――




 ―――川遊びで、どっぷり気だるく少し眠いが、

 夕飯前に文献のまとめに入った。


 色々検討してみたが自動で高い砦の貯水池まで水を上げるには、

 水車を利用するのが一番、現実的。


 20m以上の巨大水車なんて可能なのか、

 座学の終わりに、ひっそりお師匠に質問していたが、

 大体、5mから10mぐらいが普通らしいとのこと。

 

 どの道、お師匠も文献での知識でしかないと前置きをしていたので、

 その範囲内で構想を練っていた。


「 職人村に水車の設置工に携わった職人さんが、いればなぁ〜。。。 」


 水車の力は用水路を引けば一定の水量と落差も作れるので、

 揚水《ようすい》の能力を平均的に得れる。


 アハル3人娘の調査では、用水路からの落差は大体、3m以上だ。


 水車の10mだと、砦の約半分以下だが、

 ベルトコンベアのように水の入った桶を垂直に上げる事が出来るか大雑把だが計算してみる。


 例えば、2リットルの水桶が20個。


 落差3mなら、14個位なわけだから、28kgか......


 桶は、木製が軽いが耐久性がな〜。


 青銅製の桶だと、丈夫に作っても2キロ位かな?......


 

 そうすると......こんな感じか?


 滑車と縄の自重と、その摩擦抵抗力を

考えたとして、

 更に重量ある素材を使っても、

 動力は大体10倍以上を確保出来ている!

 

 まずまずだ!水車などの耐久性などを考えれば、強くは無く、弱くも無いのが理想かな?



しかしあれだな......


 肝心なベルト部分の素材が想像つかない。


 漁師が使う麻縄で十分な破断強度を得られるだろうか?


 そろそろ職人達の意見を聞きたい。


 ライハーンと、わたしのお気に入りにランクインした愛しのデミル君の所に行くかな? www


「 ぐ〜〜〜 」っとお腹が鳴る。


 おっと、浮気をしている場合じゃない!


 お腹が減った、腹ペコだ!


 それは既に、ふんわり愛情の匂いが漂っているから。


「 アブー、ご飯よ〜!降りてらっしゃい!」


「 時は来た、待っていました、お母ちゃん!」

改稿日、R8.4/1 5:05

    R8 4/2 4:54


行雲 日千羽

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