第22話 疾風のプランティ
皆さんは、有名なアイドルの追っかけをしたことがございますか?
ちなみに私は全然興味がなく、親友たちのそんな話題の輪から外され、少し寂しい気持ちになっていたのを思い出しておりますwww
そんな思春期の私でしたが、物語にアイドルを試行錯誤し、作り上げておりますw そして......
ついに 物語のアイドル的 存在の男の名
と、過去と闇の存在が語られる......
執筆していて 納得できず何回も書き直した箇所でございますwww
視点の変化って 大事!
是非、楽しんでください!
風を切り裂き、放たれた虚空を貫く一陣の光の矢となるお師匠。
そして、草すらなぎ払い、土煙を立ち上げ、凄まじい風圧が巻き上がる。
それは、【 英雄王オルガルド 】の、仲間の一人【 光の戦士 】の如くだ!
舞い散る、草の青臭さが鼻腔を突く。
( しかし、工房で抜いた剣はさすがに戻しているようだな www )
そんな事を思っている間にも、どんどん離されていく。
お師匠の愛弟子としてのプライドが鎌首を持ち上げ、さらにスピードを上げる。
短距離ならば、もはやシェリ姉とも互角の私。
「 そうだ、そうだった!
我こそは、灼熱の豪炎!アハルの赤き神速の矢!戦乙女アブー様だ!!!www 」
「 ゲッホ、ゲッホ、ゼイゼイゼイゼイ...... 」
息が続かず、止まってしまう......
セリフが余計だったと反省するも......
到底、追いつけるはずもない。
( こ、これが、世界の実力...... )
どんどん小さくなっていくお師匠は、
もはや、ほとんど見えなくなり、
半べそを掻きそうになる、私......
( どうせ、行ってもお師匠が全て解決するはず...... )
( 我が愛剣『 ぼっさん丸 』もアハルだし......
重すぎて、未だに振り抜く事もできないし...... )
( ライハーンの所で、『 ハニーミルク 』でも、
飲んでようかな?...... )
ち............
違う!
( 待て!私!、私は赤獅子ジャバロンの娘!
何を思うか!自分に負けるな、戦乙女! )
私は、再び走り出す。
障害物の少ない平坦な道に出て、
まずは、おのれに向き合う......
意識するのは他人や掲げた目標だが、
最大の敵は、いつも自分自身だったからだ!
そして、熱く焼けるような肺を意識的に整えリズムを作っていく。
一連の動作は自身の肉体ではなく、
同じ動作を繰り返す機械をイメージ。
意識と動作を切り離して行きつつも、
その一部は、繋いだまま完全に動きに同調させていく。
更に意識を、深淵に落とし込む......
私の中の小さな私と向き合う―――
―――ゾーンに入ると、次は下腹部に意識を集中させる。
だんだん温かく、熱を帯びエネルギーが満ちてくるのを感じ始めたら、
それを溜めながら、さらに増幅させていく。
これが氣。
さらに、満ちて来たら、自身の足に送るイメージ。
とたんに、足が生命体のように脈動し、
爆発的なパンプアップが始まる錯覚を起こす!
そして、下腹部と自身の足が、
さらなる高みに到達するのを感じる。
( 来たぞ!来ました!やりましたぞ!
瞑想無しでも到達しましたぞよ!www )
こうなると、視界はただの進行先を映すカメラで、
身体が自然に障害物に対応していく。
もはや、息苦しさは感じない......
耳は自身の呼吸音や、駆ける音を拾いながらも、
無心で走り続けることができる。
完全な自動運転で稼働し、その動作が最適化された自身の肉体。
これが、私の現在の最高点―――
―――一方、お師匠......
私は焦っていた。
( なんたる失態だ!こともあろうに、
ドン様のご子女に何かあったら......
ジャバロン様やバーン様に、顔向けできない...... )
ふと幼少の時、怪奇な狼の群れに自身の村が襲われ、
ジャバロン様たちに窮地を救われた日のことを思い出す。
あの、【 闇を纏う漆黒の巨狼 】の事も......
そして『 黄金の腕輪 』を掴み、くるりと回すと、四肢が弾け飛ぶことなど構わず、
その身の限界以上の速度へ上げていく。
「 急げ!【 プランティ 】!万が一があってはならない!」
一陣の疾風が、川沿いに吹き抜ける。
「 どこだ?あのお転婆娘たちは......? 」
すると、ジャバロン様が巨費を投じ築いた橋が見え、
そのたもとに、怪しい人だまりが目に入る。
「 助けてぇぇ〜パパァァァァァ〜〜〜! 」
あれは、間違いなくドン様に助けを求めるシェリーの叫び声。
焦り進むと、「 バシン! 」と乾いた音が鳴り響く。
人が2mぐらい吹き飛び、男たちの足元に倒れる。
間違いない、シェリーだ!
「 お、お、おのれぇェェェ〜!!! 」
そして、悲痛にも似た金切り声を上げ、制止させようとする。
「 待てぇぇぃ〜〜〜!お前たち自分たちが......
何をやっているのかわかっているのかぁぁぁあ〜〜〜!!! 」
【 大女 】は、大蛇が獲物を見るときのような目でこちらを見て( にまぁ〜 )と口を広げて笑みを浮かべる。
「 なんだい?あの細っこい枝みたいな男は? 」
【 落武者 】のようなヘアスタイルの男が下卑た顔で笑う。
「 ママ!あれはアハルの兵士じゃねぇ〜〜か? 」
【 長身の男 】が鼻を鳴らし、唾を吐きすて言う。
「 まずいよママ!あいつらしつこいから
w 」
「 まずいも何も、あたいらが何やったってんだよ? www 」
大女に合わせて一斉に「 ゲラゲラ 」と笑い出す。
私は( ズンズン ) 進みながら、目に意識を集中する。
どうやら、全員丸腰のようだ......
ドン様の娘を叩き吹き飛ばしたのだから、その場で斬り伏せても罰にはならない。
そんなことより、この失態をどう申し開きすれば良いか苦悩していた。
剣に手を伸ばそうとして、そしてやめる。
あの日の事が、脳裏に蘇ってしまったからだ......
平和なアハルで生活している、まだ少女の彼女たちに、
血生臭いトラウマを与えては絶対にいけない!
「 絶対だ! 」
あの凄惨な地獄だけは、かわいいアハルの幼い子供たちには見せてはいけない!
私は、5mぐらいの間合いを取り、そして叫ぶ。
「 その子たちをこちらに渡してもらおうか?
そうすれば今回だけは無かったことにしてやる! 」
しかし、体制が有利と見ると長身の男がズズイと前に出て、見下した下卑た顔で唾を吐く。
「 ワシらを、誰だと思っているんだ?
青二才が!いいか?俺たちゃ泣く子も黙る、
泣かない子はさらって金にする、
【 百貫のナナス 】盗賊団だ! 」
落武者が、醜悪な顔で覗き込むように、
いやらしい顔で、拳を包み、指の節々を悦びに浸るように鳴らし、スズイと前に出る。
「 俺たちゃ直ぐに、この半島一の大盗賊団になるんだぜぃ〜〜青二才!
わかったら、帰ってママのおっぱいでも吸ってな!www 」
男たちが一様に下卑た笑い声を上げる。
すると大女は、意識を失っているシェリーと、
泣きじゃくっているミルミーナの襟首を掴み軽々と摘み上げる。
そして、大蛇のような冷酷な三白眼で不敵な笑みを浮かべ睨んで来た。
「 ちょっと痛い目見せてやんな!おまいら! 」
改稿日、R8.4/1 4:46
行雲 日千羽




