第17話 シェリーとオウカ
皆さんは、性格が正反対の親友っていらっしゃいますか?
ちなみに私には反対だからこそ、なぜか引き合い、
仲良くしている親友がいます。
どちらが私かは内緒ですwww
今回も、楽しんでいただけたら嬉しいです。
父たちが遠征に出て5日が経つ。
最近のアハルは秋の空気が漂う、
心地の良い日が続く。
それでも、日中の陽差しはまだ強く、
黄金色の光が水面を揺らすが、
風はひんやりと頰を撫でる。
入江の水鳥たちの雛もすっかり大きくなり泳ぐのは上手になったが、一生懸命に飛ぶ訓練。
もうすぐ北の暖かい地へ旅立つ時期だ。
そろそろ、私と相方の誕生日が近づいている。
そんな中、我々ちびっ子探検隊の噂の的は、
すっかり 【 ギョロ目のギャンリック 】に、なっていた。
連日のように、お師匠に奴は強いのか?
必殺技は何だ?
どのぐらいの人数を束ねる親分なんだ?と質問が絶えない w
その度に人手不足で、
我々ちびっ子探検隊と合同の訓練、座学となっている、
口が悪く性格も悪いミル姉が文句を言ってくる。
「 おい!アホ、おねしょ、泣き虫のちびっ子海賊団は海なんだから関係ないだろ www 」
相方と弟が激しい抗議の声を上げるも、
あーだろ、こーだろの平行線。
我が愛剣で小突いてやろうか?と一瞬、思うも、
まぁ、仲が良いのだろう www
父との大喧嘩の後、天界に昇った女神フレイになった、この私。
もはや、すっかり一皮剥けて大人目線だ w
まぁ、前世の記憶もあり、
ある意味、既に大人でもあるのだが、順応性と言うやつだろうか?
その時、その瞬間、物語の主人公に、
成りきって楽しむのが、『 人生 』だと思っている。
そして今は、子供として振る舞うのが当たり前で、
相方や弟と一緒に遊ぶのが、何より大好きな5歳児なのだ。
みんなが、口喧嘩を見ながら笑う中、
ドン爺の娘のシェリ姉は、ちょっと気になる話題の様子。
私は軽く咳払いをすると、踏ん反り返り、
少し偉そうな演出で彼女に話しかける。
「 ちみちみ!そこのお嬢さんは巷で話題の、ギョロ目の大将が、気になりますかな?」
シェリーは ( ニヤっ ) と自身の父を彷彿させる顔をする。
「 そりゃ誰の真似だ? w
まったく、そんなだからミルミーナに
アホの子って言われるんだぞ www 」
「 ぐぬぬ w 」
私が歯噛みすると、シェリ姉が鼻を鳴らし、
( ニヤリ ) と高飛車な態度で話を続けた。
「 今回は、兄さんたちも全員作戦に従軍するらしいからな!
そりゃ気になるよ!」
左手を腰に当て、右手で髪の毛をかき揚げすまし顔。
カッコをつけてはいるが、
父たちが討伐に出発する時、
泣きつき家に帰るとドン爺にへばり付き困らせていた、
パパっ子さんだ www
それを証拠に、我々ちびっ子探検隊が、あの長いひげは汚いと、言っていたのが、よほど気になっていたのだろう。
出陣時には、きれいに三つ編みをされた上に、
貴重なピンクのリボンで、結ばれた長いひげ。
そして、鷹の目の様な戦の男の顔を見せるw
父やバーンおじさんたちは、そんなドン爺を見て大笑い。
しかし、彼は勇ましい顔を崩さず、
「 いいんじゃ!」と
これからオスマトルで流行らせる宣言。
尚更、周りを笑いの渦に巻き込んで、何とも締まらない出陣となる。
そんな自分の父を涙ながらに見送っていたのが印象的なシェリ姉だった。
( 仕方ない、子供は子供、いつまでも w )
まぁ、彼女は面倒見の良い姉御肌で性格も良く、
当然だがミル姉みたいに腐った根性じゃない www
ちなみに同じ年で、ジャバロン軍の四天王の【 ジブラ 】の娘【 オウカ 】とも仲が良い。
ミル姉、シェリ姉ばかりが、うるさいのもあり目立つアハルの生徒たち。
武芸が得意な者が多い中、
彼女も弟と同じく『 ゾーン 』には入れず、それを苦手と公言している。
しかし、語学など勉学が得意で、
少しシャイな、とても女の子らしい人物。
最近、私はこの2人のお姉さんたちとつるんでいる。
そんなオウカが話しかけて来た。
「 ねえ、ギャンリックよりアハルの西に最近出る、盗賊が気にならない?近いし...... 」
シェリ姉が「 あ〜それな、そうだよ!そいつらもいたな!」と、
相槌を打ちオウカと話し始めた。
相次ぐ被害に砦の警備は厳しくなり、
兵士たちも町の外れへ行くのを禁じている。
東は疫病の名残で行けず、西は漁港まで。
我々、ちびっ子探検隊の行動範囲は、すっかり狭くなってしまった。。。
ちなみに私は東南側から砦のすぐそばを流れる川や、
砦の高さや、構造を調査している。
揚水システムの古文書文献作成をしているのだ。
何をするつもりだと疑問にもたれつつも、
姉御肌のシェリ姉と優しいオウカは、ロープの両端を持ち計測してくれる。
私はその結果を木の板に炭墨で書いていくのだ。
もちろん協力と口止めするための賄賂も忘れはしない。
港の出店で、最近流行りの『 ハニーミルク 』をご馳走している。
あのデミルの至高の逸品に比べると
乳も水っぽいし、蜂蜜もケチっているが、仕方ない w
密かな楽しみにしている串焼き用資金が、目減りしているが、
「 仕方がない、やりたい事が、最優先!」
私の前世からのモットーでもある―――
―――ジリジリと肌を焼くような強い日差しがまだ残る午後。
「 それにしても、砦の修復は全然すすまね〜な。ボロボロのまんまじゃんよ?」
シェリ姉が額の汗を拭い、シャツの胸元をバタバタさせて風を送っている。
木陰で腰掛けへばり気味のオウカが、
項垂れていた赤い顔を上げこちらを見る。
「 そう言えば、ドン様がスッカラカンじゃ!って言ってたよ」
「 おいオウカ!パパが何を言ってたんだよ w 」
シェリ姉がすかさずツッコミを入れる。
なんでも、今までの備蓄金のほとんどを、
アハルの街道整備や新町建設に投じていたらしい。
それは、初耳だったが土地基盤や設備投資を怠っては、そもそもの発展は見込めない。
なるほど、そんな理由もあっての山賊狩りかと納得がいった―――
―――大体、最終計測が終わるとシェリ姉が、
左手を腰に当て、右手で髪をかき上げ、( ニヤリ ) と笑い仕切りだす!
「 おい!オウカ、アホの子!いけね www
間違えたアブー! 川遊びしてから帰ろうぜ!w 」
( おのれ!こやつ...... ミル姉側の手の者か? www )
私が歯噛みをして謝罪を要求するも、
あーだろ、こーだろと、言い訳がましい!
そんな中、オウカは反応鈍くワンテンポ遅れて「 え〜 」と、( もじもじ ) しながら言う。
( オウカちゃん......さすがに遅いぞ、ホーホケキョ www )
まぁ気持ちはわかる。
彼女は部屋でゆっくりしていたいインドアガールちゃん。
しかし最終的に強引なシェリ姉に無理やりに誘われるのが、いつものパターン。
「 ああ無情、オウカ姉さん、可哀想 www 」
改稿日、R8.4/1 5:00
R8.4/2 5:10
行雲 日千羽




