カード顕現の真価
並べられている机をものともせず、壁まで飛ばされると悲鳴と大きな音に驚いた店内のすべての人が駆け付けてきた。
殴り飛ばされた私は、訳も分からず殴った本人に視線を向けるといつの間にか私の前で、両膝を付き両掌をこちらに向けた状態で膝の上に置き頭を下げた状態で声をかけてきた。
「あなたの眷属にして神の乙女たる私レイセ・ファンカレが精神誠意お仕えいたします」
「え?今俺殴られたよね?」
「何のことでしょう?」
顔を上げないため感情がいまいち読み取れないが、声から察するにとぼけているのがよくわかる。
「これどんな状況?『聖女レイセ・ファンカレ』のコスプレ?斬汽さん痴漢でもして殴り飛ばされたの?」
代表して白檀さんが矢継ぎ早に質問してきた。
「こいつ、『聖女レイセ・ファンカレ』のコスプレした人のスカートに頭突っ込んで殴り飛ばされたんだよ」
私が弁解する前に対戦していたおっさんが面白おかしく報告しだした。
もちろんそれを聞いた周りからは汚物を視るような視線が集まってきた。
「いやいやいや、そんなことしてないですから痴漢なんてしませんよ」
多分ダメだろうなと思いながら言い訳をしていると、外から悲鳴と車が何かにぶつかる音が聞こえてきた。
「今度は事故ですか。まだ痴漢の制裁も終わってないのに・・・」
なぜか残念そうな白檀さんが事故の状況を確認しようと外に出ようとしたところいきなりサイレンが鳴り始めた。
そのサイレンは、今まで聞いたことのない音ではあったが、非常事態だということはわかる不快な音が鳴り響いた。
皆慌てて、スマホを取り出し情報を収集し始めたが、いまだ何も情報が載ってなかった。
そうこうしている間に外から聞こえてくる悲鳴が多くなってくる。
あまりにも悲鳴が多いので足を止めていた白檀さんが外に顔を出してすぐに戻ってきた。
「そ、そ、そとにモンスターが」
「え?どういうこと?」
と、みんなが確認しようと外に向かって歩き始めたのを見て、痴漢の疑惑がうやむやのになったことにほっとしているといまだに膝をついているレイセ・ファンカレが話しかけてきた。
「あなたの眷属たる私からお願いがあります。今すぐ『神聖領域』を発動してください。」
「え?『神聖領域』ってこれの事?」
殴り飛ばされたときに散らばったカードの中でたまたま手元に落ちていた『神聖領域』のカードを取り上げ読み上げると、いきなりレイセ・ファンカレが立ち上がり床にどこからか取り出した旗を突き立てた。
すると神聖な空気が旗を起点に広がり始めた。
「一時しのぎですけどこれでこのあたりのモンスターはいなくなりました。今のうちに救助しましょう」
公式設定の通りならこの見た目で115歳。この程度では動じぬ根性に関心したが、考えたことがばれたのかこちらを向いた顔がかなり怖かった。
『GET THE WORLD』公式設定を新規連載始めました。
更新は不定期ですが、本編に出てくるGTWの眷属の設定です。
これから本編に出てくるたびに更新する予定にしています。
召喚口上を考えるのが時間がかかりすぎて大変です。




