召喚口上考えるのは楽しい
病院での経過観察と健康診断も問題なく無事に終わり、これでみんなと一緒にダンジョンに潜れると思い社長に連絡を取ったところ、健康診断を全員受けるためにダンジョンに潜ることはないので、休むようにと言われてしまった。
特にやることのない今日は、教育期間中に一切顔をですことのできなかった『ミニダケラボ』に遊びにきた。
「おはようございます」
「あれ?斬汽さん久しぶりですね。平日に来るなんてサボりはだめですよ」
開店してすぐに入店すると白檀さんがテーブルを拭く手を止めて話しかけてきた。
「人聞きの悪いこと言わないでください。今日は休みなんですよ」
「いいですよね。ニートは」
「こらこら、また人聞きの悪いことを。これでもダンジョンに潜ってるんですよ」
「え?ダンジョンウォーカーになったんですか?」
「あー違う違う。この前発表されたダンジョン警備の方」
「へー、スキル手に入れたの?異名は?武器は何を使ってるの?」
「スキルは手に入れたけど希少スキルで使い方がわからないんだよ。異名はそんなに簡単に手に入るわけないじゃん」
久しぶりの再会に会話に花を咲かせているとほかの常連が入ってきて、奥から出てきた店員に怒られた白檀は会話を切り上げてレジへと向かった。
ほかの常連とも久しぶりに会い、GTWの対戦を申し込まれ、久しぶりということもあり、受けて立つことにした。
「今日も黄色一色ですか?それで本当に私に勝てるとでも?」
「言ってろ。この前の新弾で強化されたこの『鋼蟲ガトライト』の強さにおののくがいい。『光の届かぬの鬱蒼たる森林の奥深くから招来せよ『鋼蟲ガトライト』。高らかな羽音に逃げまどえ。』」
いつものように中二病が入っている召喚口上を唱え終えながら場に『鋼蟲ガトライト』を置いて、どや顔でこちらを見てきた。
「新弾で強化されようとこちらの勝利には変わらないんだよ『国から追われた神民を率いて導くは、強き麗しき聖なる乙女『聖女レイセ・ファンカレ』。神に愛されし姿を我が眼前に表せ』」
召喚口上を高らかに叫びながら『聖女レイセ・ファンカレ』を場に出そうとすると、カードを取りこぼしてしまい机の下に落としてしまった。
床に落ちる前に取ろうと慌ててかがんで手を伸ばし触れかけた瞬間カードが消えてしまった。
カードの代わりに、『聖女レイセ・ファンカレ』に描かれていた少女とうり二つの少女が現れたが、現れた場所が悪くスカートの中に頭を突っ込んだ状態になっており、真っ暗な視界の中悲鳴が聞こえたと思ったら訳が分からないまま殴り飛ばされることとなった。
召喚口上を考えるときは楽しいのに読んでみると体がむずがゆくなるのはなぜだろうね?




