佐藤さんは異名持ち
「それでは今日はL型ダンジョンもで珍しい2階層のみの2-6弥富ダンジョンで最終日の講習を行います。今日は各々のスキルの特性を確認することが目的となっています。明日に予定しています最後の試験に取り組むためにも頑張りましょう」
佐藤さんが言った通り、今日は5時間みっちりダンジョン内にてスキルの確認を2班に分かれて行う予定となっている。
「安藤さんに関しては、スキルの内容が分かりませんので小岩井に付いてレーザー銃の取り扱いを学んでもら『他の方が使用してますので困ります』
ミーティングを行っていると外から朝あいさつした警備と思わしき声が聞こえてきた。
『GGG警備会社の講習だろ?わかってるから関係ない人間は引っ込んでろ』
争ってる声が近づいてくるといきなり扉が開かれた。
「おはようみなさん、私は『研究者』と世間一般では言われている『WRD』代表です。以後宜しくを」
突然の乱入者にびっくりしていると佐藤さんが肩を怒らせている警備員と話をしている
「いくら上役とはいえ事前の申請はしてもらわないと困る」
と文句を言って持ち場に戻っていった。
「おかしいですね。私の日本語間違っていますか?」
『研究者』と名乗った人物は反応がないことに疑問を持ち首をひねっているが、そもそも本来ここに来るはずのない有名人がここにいることに驚いて固まってしまってるとは思わず、自分の言語能力を疑い始めた。
「大変流ちょうな日本語ですが、ここのみんなが驚いているのは著名な『研究者』殿がここにいることですよ。それで何しにいらしたのですか?」
驚いている理由が理解できないようで首をかしげていたが、何しに来たかの質問にテンション高く答える。
「もちろん、スキル『カード顕現』を見に来たにきまってるでしょ。そのためにダンジョンから収集した用途不明のカード類も持ってきたのですよ。それ以外に何かありますか?あるわけないでしょ。わかったらMr.安藤付いてきてください」
白衣の胸ポケットから名刺サイズの石板を見せてからすぐにしまうと、迷わず私の腕をつかみダンジョン内に入ろうとする。
「ちょ、ちょっと待ってください。勝手にされては困ります。それに、ダンジョンウォーカーと政府の許可がないと外国籍の方は日本のダンジョンに入れません」
「それなら大丈夫。ここに書類があるから確認してくれ」
そういって白衣のポケットから出てきたのはそこに入るには大きすぎるA4用紙サイズのファイルであった。
「大体、私は『研究者』だよ。面倒だから基本他人任せだけど、どこかの『破壊者』や『神託者』と違って決められたことは守るようにしてるんだ。そもそも『炎鎧』はいつも堅苦しいんだよ。これだから日本人は」
「確かに、正式な書類ですね。そもそもの問題としてあなた方EUの異名持ちが常識はずれなのがいけないのでしょうが」
「あいつらと一緒にしないでもらいたい。マフィアを取り仕切っている『元締め』や聖女の『神託者』と違い団体の代表を務める私は一般人と言えるのだから」
旧知の中なのかいきなり言い合いを初めて待った2人に挟まれてしまい逃げ場を失ってしまったため、言い合いが終わるまで2人に挟まれたまま縮こまるしかなかった。
異名のつけられ方は2種類あります。
1つが『神託』スキル持ちの聖女の『神託者』や佐藤さんの『炎鎧』スキルの『炎鎧』のようにスキル名から呼ばれる異名
1つが『研究者』や『元締め』、『破壊者』のようにスキルの使い方により名付けられた異名
異名を付けられていること自体強い証拠です。




