知的好奇心は抑えられない
「佐藤さんいい加減言い合いをやめないと安藤さんがかわいそうですから」
長い言い合いに癖癖していると、社長が止めに入ってくれた。
「そちらは『研究者』ですね。初めましてGGG警備会社の社長を務めています。岩永と申します」
どこからか名刺を取り出して、無理やり手に握らせていた。
「ところで、安藤のスキル『カード顕現』の件で来られたようですが、なぜ著名な『研究者』殿がわざわざ?WDRの研究員や日本のダンジョンウォーカーから研究員が来るのが一般的ではないのですか?」
「初確認のスキルを最初に研究する権利を他の人間に譲れと」
社長の言葉に急に怒り始めた『研究者』を佐藤さんは慌てて止める。
この時『研究者』後ろの空間が歪んでいるように見え始めると、社長は膝から崩れ落ちていた。
「とりあえず落ち着け。別にお前の邪魔をする気なんてないが、せめてここに来た経緯を話してからにしてくれ、肝心の安藤さんも困惑してこのままだといいデータ取れないだろ?」
社長を壁によりかからせて座らせながら落ち着くように言う。
「それもそうですね。安藤さんおめでとうございます。あなたはこの世界で初めてのスキルを手に入れることができた人間です。その瞬間に立ち会えなかった事が、すっごく残念で残念ですが」
いきなりこちらを振り向いて表情をいい笑顔から、悔しそうな表情など先ほどの怒気をまとわせた表情も相まって怖くなり後ずさるが、それに追従するように顔を寄せてきた。
「そのスキルの真価を最初に見る権利を、ぜひ私にいただきたい」
壁まで追いつめられると、キスしそうなほど顔を近づけてきた。
そのまま固まっていると佐藤さんが襟首を捕まえて引き離してくれた。
「未婚の女性が男にそんな風に迫るのはやめなさい」
この瞬間みんなが『研究者』が女性だと知ってかなり驚いた。
『研究者』の見た目は髪を短髪にし、体のラインが出ない服に白衣を羽織っているいて、声は少しだみ声で、顔は整っているが、10人中9人が男性と間違えるような見た目をしていたため、佐藤さんが注意するまで一切女性と思えなかった。
「私が未婚だろうが既婚だろが関係あるかね?初めての経験をお願いするのだから誠意を見せないといけないでしょう?」
「あなたの国では熱烈な言葉で落とすのが美学でしょうが、私たちからすると初対面の熱烈なアプローチは怖いですよ」
それを聞いて、信じられないという顔を一瞬したが、気を取り直して私に振り向いた。
「それは申し訳なかった。私はあなたを研究したいのであなたの時間を買わせていただきたい。もちろん後日契約を結ぶ予定のスキル研究の為ではなく、今日これからの時間を買わせていただく」
ポケットから取り出したのは日本語で『契約書』と書かれた紙が出てきた。
その場に寝転ぶと、日本語でさらさらと書いていく。
「期間は本日のみ。支払いは現金だけどドルでしか大きい金額持ってないからドルでいいよね。私の指示による怪我は治るまで私が治療費をもって。よし、私のサインが終わっているからあとは君が希望する金額を記入して、サインするだけだ。さあ早く」
私に契約書とペンを満面の笑みで押し付けてきた『研究者』の迫力に、全く状況について行けず壁によりかかったまま崩れ落ちてっしまった。
『研究者』は知的欲求が強いく感情の起伏が激しいが、常識もありEU以外の法律にも精通してます。
そのため行動力が高くても問題にはなってませんが、標的になった方はたまったものではないでしょうね。




