101話 ー隠された欲望ー
「ケイタも精霊様のご加護を頂けるかやってみたほうがいいぞ」
「しょうがないな」
よく言ってくれたアルハイト、その言葉を待っていたのだ。
肌と髪が綺麗になる。
非常に重要なことだ。
ハーレム。
異世界といえばハーレムだ。
様々な種族の美しい女たちの王、それが俺の本当の夢だ。
といって力で無理やり従わせるのは全然違う。女たちからも慕われる、いわゆる相思相愛が最高の形だ。
ご主人様、ご主人様、ときらきらした目で囲まれたい。ちやほやされたい。
清潔感。
持てる男の必須条件。
重要。とても重要だ。
肌も髪も綺麗な方がいい。いまや男も美容に気を使う時代なのだ。そのためならよくわからない精霊にも祈りをささげるさ。
泉に一歩踏み出した。
ジュワ。
「熱っつ!!」
焼けるような熱さ。
「なんだこれ!」
思いっきり引き抜いた足から、靴と靴下をすぐさま投げ捨てぶらぶらさせて冷ます。
「どうしたんだ?」
「どうしたんだ?じゃない!ものすごい熱さだろうが」
「そんなことあるわけないって、ほら見ろよ」
アルハイトが泉に手を入れてゆらゆら動かしているがなにもない。
「・・・」
そうか悪魔だった。
ひどくないか?アルハイトをここに連れてくるために俺だって戦ったんだぞ、それなのにこの仕打ちかい。
「精霊最悪だ」
「精霊様にそんなこと言うなよ」
「言うわ!焼け爛れてるかと思ったぞ」
「ケイタさん」
ロアンが歩いてきた。
「なんだ」
「さっき足を引き抜いた際にこれが」
ロアンの掌には親指の爪くらいの大きさの透明な石。中に水泡が入っていて目を引く。
「宝石か?」
つまんで目に近づけてみてみると水滴が一粒顔に落ちてきた。
「酒だ!酒の匂いがする!」
ピネルが大声をあげた。
「酒?」
再び落ちてきた水滴を手のひらで受け取め匂いを嗅いでみる。
「確かにアルコールの匂いが」
「あ、ほら。どんどん垂れてくるぞちょっと飲ませてくれ」
「本当に酒かどうかわからないぞ」
「精霊様の泉から出てきた宝石から出てくるんだ、大丈夫に決まってる!」
大口を開けて近づいてくるピネルの口に一滴落としてみた。
「おおおおおおおあおおお!いい香りだ!たった一滴なのに果物みたいな香りが鼻の奥まで広がる!今まで飲んだことのない酒だぞこれは」
なにやら特別な力をもつ石らしい。
精霊の象を見る。
微笑んでいるか?
ありがたく頂いておくことにしよう。
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