13-2.体育祭当日~違和感-どうなっている?
13-2.体育祭当日
午後になって順位読み上げも再開し、競技も点数掲示も順調に進んでいった。
自分の競技に参加するべく、俺は本部テントの自席から立ち上がる。
「吉岡、交代な。今のところ順調。遅れなし」
「了解」
体育委員長の吉岡が俺の席に座る。トランシーバで指示を出し始めた。
大丈夫そうだな。
なるべく本部席にいられるように、自分の競技は三連続で入れていた。連続とはいえ、入場と退場がほぼ同時なので、競技数としては六項目分かかる、午後の中盤をほとんど抜ける。
リレーを終え、退場門から入場門へ向かう途中で、ノアを見かけた。
身振り手振りを交えながら、東洋系の観客と話している。
切れ切れに聞こえてくる声は―――何語だ?
あいつはポンコツなんだかすごいんだかよくわからんな、と思いつつ、次の競技に参加するべく足を早めた。
棒倒しを終えて再び入場門に戻り、点数掲示板を見た。
色とりどりに装飾された掲示板の上部には「プログラム十番終了時点での点数」と表示されている。今終わったのは第十一競技だ。実際の競技と点数掲示には時間が空くものだが、時差がほとんどない。優秀だなと視線を下に移し、赤青黄、各組の点数を眺めて、違和感を覚えた。
各組の点数を暗算で合計する。第十競技までの総合点―――おかしくないか?
点数が少ないなら、競技参加者に欠員が出て代走補充が間に合わなかった可能性もある。しかし、これは、点数が多い。
どうなっている。
早足で誘導第一の山本に近づいた。
「山本、トランシーバ」
一声かけて、山本からトランシーバを受け取る。発声スイッチを押した。
「こちら会長。点数係へ。点数がおかしい。多い。各競技終了時点での予想合計点と、実際の点数を照らし合わせろ。どこかで狂ってる。どの時点まで合っていたのかさかのぼれ」
『点数係、斉藤。了解しました。確認します』
黒石ならばこんなミスはしないだろうが、斉藤か。黒石も競技中か。
「こちら会長。順位記録へ。順位読み上げ一旦停止。吉岡へ。指示出せ。点数確認を最優先」
『順位記録、香川了解』
『体育委員長、吉岡。了解』
自分の競技が迫っている。これ以上話す暇がない。
山本にトランシーバを返して、三つ目の競技に入った。




