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夜勤明けの16時
佐野は帰宅すると、上着を脱いだ。
ベッドに倒れる。
ズボンも靴下も、そのまま。
夕方、ベルが鳴る。
目を覚まさない。
二回目が鳴る。
まだ目が覚めない。
鍵が開いた。
「亮太?」
風花が入ってきた。
「いるんじゃん」
風花は部屋の中を見まわす。
テーブルの上には、飲みかけのペットボトル。袋を開けただけの菓子パン。
流しの中は食器の山。
ベッドの下に靴下が一本。
「何で片方だけ」
拾って洗濯機の中へ。
ハンガーに掛けられたシャツの肩を直す。
窓を少し開ける。
冷蔵庫も開ける。
「何もないじゃん」
眠っている亮太を見おろす。
「ちゃんと食べてる?」
干しっぱなしになった衣類をたたむ。
衣装ケースの引き出しを開ける。
畳んだ物をしまっていく。
ちゃんと入らない。引き出しの奥で何か引っかかっているのか。
風花は衣装ケースを手前へ引いた。
裏側から保存袋が出てくる。
一つ。
その下に、もう一つ。
透明な保存袋だ。
中に入っているのは、サンダル。
人参色のサンダルが二組。
どう見ても、亮太のサイズでない。




