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勇者の息子に転生したら育ての親が魔王でした~良いとこどりで最強に育って無双します~  作者: ララ
第一章 転生…そして幼少期編

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第7話 魔王軍VS王国軍

初めての作品で、手探りで執筆しておりますので内容において、度々改変などがされております。

ご不便をお掛け致しますが、温かい目でご覧頂けると幸いです。

ベイル率いる魔王騎士団が謎の被害を受けてから数日後――


魔王ガルスは、ついに侵攻を開始したアストリア王国軍と対峙していた。


魔王ガルスは、ライトに一度も見せたことのない冷酷な表情を浮かべる。

その背後に、幾重もの巨大な魔法陣が空を埋め尽くした。


「焼き尽くせ」


低く呟いた瞬間。

魔法陣から放たれたのは、竜を象った紅蓮の業火だった。


咆哮する炎竜は眼下の王国軍へと降り注ぎ、整然と並んでいた兵士たちを次々と飲み込んでいく。


轟音

悲鳴

爆炎


大地は一瞬で灼熱の地獄へと変貌した。


さらに後方では、大魔導士アローラ率いる魔王軍魔法師団が一斉に魔法陣を展開する。


炎

雷

氷


様々な属性の上級魔法が空を埋め尽くし、王国軍前線を容赦なく蹂躙した。


そして――


「突撃ィィィッ!!」


ベイル率いる魔王騎士団が駆ける。


疾風


まさにその言葉が相応しい速度だった。


前線を破壊された王国軍へ雪崩れ込み、鋭利な刃が敵陣深くまで食い込んでいく。


その隣では――


「どけだーよぉぉぉ!!」


ホイズが咆哮する。


普段の教育係の面影はない。

魔王親衛隊長としての顔だった。


巨大な戦斧を振るうたびに兵士たちは宙を舞い、まるで暴走した大型ダンプカーのような勢いで敵陣を粉砕していく。


今のホイズ達には、普段ライトに見せる優しさなど欠片もない。


そこにいるのは魔王軍最高戦力たち。

敵を殲滅するためだけに存在する化物達だった。


「魔王様、敵軍の損害は甚大ですわ。このままなら勝利は確実かと」


アローラが報告する。

だがガルスは眉ひとつ動かさない。


「油断するな」


低い声だった。


「奴らは我々との戦力差を知らぬわけではない。数で押し潰せる相手ではないと理解しているはずだ」

「それでも攻めてきた……何かある」


ガルスは目を細める。


「先日ベイルを傷つけた者は?」


「今のところ姿は確認されておりませんわ」


「そうか」


ガルスは静かに頷く。


「もし現れたなら俺が相手をする」


「承知いたしました」


戦況は完全に魔王軍優勢だった。


開戦時

王国軍一万

魔王軍一千

十倍の兵力差。


だが実際の戦場では逆だった。

数の暴力など意味を成していない。


王国軍は次々と倒れ、もはや誰の目にも魔王軍の勝利は目前に映っていた。


しかし――


王国軍本陣。

豪奢な鎧を纏った指揮官の男は、額に汗を浮かべながら天幕の中を歩き回っていた。


「まだか……!」


苛立ちを隠せない様子の指揮官風の男は矢継ぎ早に言葉を吐く。


「まだ到着せんのか!」


「ま、間もなく到着予定です!」


部下が慌てて答える。


「急がせろ!」


男は怒鳴った。

そして不気味な笑みを浮かべる。


「あれさえ来れば……」

「魔王軍など終わりだ……」


その時だった。


突如戦場に閃光が広がり

次の瞬間――


ドォォォォォォォォンッ!!!


天地を揺るがす大爆発が発生した。


「――ッ!?」


ガルスの目が見開かれる。

前線一帯が吹き飛んだからだ。


爆風が舞い

衝撃波が走り

飛散する大地

そして訪れる静寂


やがて砂煙が晴れていく。


そこに広がっていたのは地獄だった。

魔王軍兵士たちが無残な姿で倒れている。

手足を失い。

胴体を裂かれ。

原形を留めていない者さえいた。


そして――

その中心に立っていた五体の巨大な人影。

身長約五メートル。

一体一体が圧倒的な威圧感を放つそれは存在そのものが異質だった。


「う……うわぁぁぁぁぁ!!」


生き残った兵士たちが悲鳴を上げる。


だが五体は容赦しない。

次の瞬間には魔王軍の前衛部隊へ襲い掛かっていた。


速い。

あまりにも速い。


巨大な体躯からは想像もできない速度だった。


兵士たちが次々と吹き飛ばされる。

つい先程まで王国軍を蹂躙していた魔王軍が、今では逆に一方的に殺されていく。


「くっ!!」


ガルスは即座に飛翔した。

数秒後には前線へ到達する。


そして敵の正体を目にした。


「……ゴーレム?」


白銀

瑠璃

真紅

黄金

薄紅


五色の巨体が並び立つ。


白銀は盾と剣

瑠璃は二刀の剣

真紅はロッド

黄金は盾とメイス

薄紅はロザリオ


通常のゴーレムにはあり得ない装備だった。


武器を扱い。

魔力を纏い。

明確な敵意すら感じる。


通常、ゴーレムと言われる魔物は武器などを使うことは無い。

知能すら持ち合わせておらず、本能のまま動くのが普通だ。


それゆえに魔物達の王であるガルスでさえ見たことのない存在。

完全なる異端。


「ひゃはははははっ!!」


そして、後方から笑い声が響いた。

王国軍指揮官だった。


「どうだ魔物ども!!」

「ここからは貴様らが狩られる番だ!」

「逃げても無駄だ!」

「皆殺しにしてやる!!」


狂気じみた笑みを浮かべている。


「くだらん」


ガルスは鼻で笑った。


「よもやこんな玩具で俺に勝てると思っているわけではあるまい」


その瞬間、ガルスの目の前に幾層にも重なった魔法陣が展開される。


「――アビスフレア」


放たれるは漆黒の業火。

魔王の固有魔法。


あらゆるものを焼き尽くす地獄の炎。

黒き炎は五体のゴーレムを一瞬で飲み込んだ。


轟々と燃え盛る黒炎。

それは地獄そのものだった。


勝負は決した。

見ていた魔王軍の誰しもがそう思った。

それは、魔王ガルスさえも…


だが――


『ピアス・オブ・ライト』


声が聞こえた。

黒炎の中から。

忘れるはずのない声。


「――!!」


ガルスの瞳が揺れる。

その瞬間。


黒炎を切り裂いて白銀の影が飛び出した。


光速


そう表現するしかない速度だった。


「ぐっ……!」


激痛を感じ、胸を貫かれる感覚。


ガルスが視線を落とす。

そこには白銀のゴーレムが手にした剣。

その巨大な剣が、自身の胸を深々と貫いていた。


「馬鹿な……」


だがガルスが驚いたのは、その傷にではない。

声だ。

技だ。

覚えがありすぎる。


そして


アビスフレアによって破損した白銀の装甲…その奥。

見えた操縦席のような空間。

そこに何かの装置に繋がれた一人の男がいた。


ガルスの瞳が静かに見開かれる。

懐かしさと哀しみを滲ませながら。


魔王は微笑んだ。


「……ふっ」

「そんなところにいたのか」


そして静かに名前を呼ぶ。


「アレン――」

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