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勇者の息子に転生したら育ての親が魔王でした~良いとこどりで最強に育って無双します~  作者: ララ
第二章 ジューダス帝国編

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第76話 掃除という名のリフォーム

『いやぁ~、楽しかった~!』


ライトは満ち足りた表情で皇城の廊下を歩いていた。


シュプールが開発した二丁拳銃《ナインティーンイレブン》。


そして透明化の指輪《ステルス》。


その性能は想像以上だった。


戦場では存分に二丁拳銃をぶっ放し、空を舞い、ゴーレムを蹴散らした。


本人曰く、


「某デビルハンターも真っ青のスタイリッシュアクション」


である。


実際にスタイリッシュだったかはさておき、本人の満足度は百点満点だった。


「さて、汗もかいたし風呂でも行くか」


そんな気軽な気持ちで自室へ戻ったのだが――


「……ん?」


ドアを開けた瞬間。

違和感を覚えた。


いや、違和感どころではない。


部屋が違う。


見慣れたはずの自室のはずなのに、目の前に広がる光景は完全に別物だった。


「……」


静かにドアを閉める。


一歩下がる。


部屋番号を見る。


間違いなく自分の部屋だ。


もう一度開ける。


やっぱり知らない部屋だった。


「いやいやいやいや」


混乱した。


壁紙が違う。


家具が違う。


床が違う。


間取りまで違う気がする。


何なら空気感すら違う。


軽くホラーである。


「なにこれ……」


恐る恐る部屋を覗き込む。


すると。


ビュンッ!


何かが横切った。


次の瞬間。


ビュンッ!


今度は天井付近を何かが走り抜ける。


「うおっ!?」


目を凝らす。


そして正体を確認した。


「……マキナ?」


そう。


犯人はマキナだった。


マキナが常識を超えた速度で部屋中を駆け回っていた。


掃除機のように。


いや違う。


掃除機というレベルではない。


これはもはや――


リフォーム業者だった。


「ちょっと待て」


ライトは頭を抱えた。


確かに掃除は頼んだ。


だが。


壁紙の張り替えは頼んでいない。


内装工事も頼んでいない。


ましてや皇城の客室を勝手に改装しろとも言っていない。


「マキナ……これは一体……?」


『ゴシュジンサマ、オカエリナサイマセ』


マキナは高速移動を止めることなく答える。


『マモナクソウジガカンリョウイタシマス』


「掃除……?」


『ハイ』


「掃除って何か分かってる?」


『ゴミヤヨゴレヲジョキョシ、セイリセイトンヲオコナウコトトニンシキシテイマス』


「そうだよね!?」


安心した。


一瞬だけ。


『コノヘヤヲヨリコウリツテキニシヨウトシタケッカデス』


「拡大解釈が酷いんだよ!」


どうやら整理整頓の概念が暴走したらしい。


恐らく設計者の影響だろう。


シュプールの顔が脳裏をよぎる。

非常に納得した。


「とりあえずストップ!」


『ストップ』


「ステイ!」


『ステイ』


部屋の隅でピタリと停止するマキナ。


犬より従順だった。


頭が良いのか悪いのか全く分からない。


ライトは大きくため息を吐く。


そして改めて部屋を見回した。


――そこは男の夢だった。


まず目に飛び込んできたのは壁一面のガンラック。


ライトアップ付き。


ナインティーンイレブン。


バレット。


アサルト。


全てを飾れる仕様になっている。


しかも隣にはガンロッカーまで完備。


「なにこれ」


テンションが上がる。


めちゃくちゃ上がる。


試しに愛銃を並べてみた。


カッコいい。


悔しいほどカッコいい。


さらに隣には刀掛け。


愛刀《漆輝》を置いてみる。


似合う。


異様に似合う。


ミリタリー空間に和刀。


本来ならミスマッチのはずなのに絶妙だった。


「くっ……」


認めたくない。


だが認めざるを得ない。


好きだ。


ものすごく好きだ。


そして部屋中央。


そこには巨大なブリーフィングテーブル。


上空にはホログラム地図。


完全に軍司令部だった。


「やるじゃねぇか……」


さらにベッド脇には大量のボタン。


嫌な予感しかしない。


だが押した。


男だからだ。


ポチッ。


ガコンッ!!


ベッド下が横にスライドした。


中から現れたのは機械的な武装ユニット。


「なんだこれ!?」


『ワタシノブソウパーツデス』


「武装パーツ!?」


『ハイ』


「いつ作った!?」


『ゴシュジンサマガオデカケチュウニ』


怖い。


怖いけど凄い。


明らかにシュプール以上の製造速度である。


もしかしてこいつ、想像以上にヤバい存在なのでは?


そんな疑問が頭をよぎった。


だが今はどうでも良かった。


部屋が格好良すぎる。


それが全てだった。


「……マキナ」


『ハイ』


「よくやった」


完全敗北である。


他人の城を勝手に改装した事実さえなければ百点満点だった。


『オホメイタダキコウエイデス』


どことなく嬉しそうなマキナ。


ライトは苦笑する。


そして心の中で決意した。


――明日フィオレリアに全力で謝ろう。


そうしよう。

この作品が私の初めての執筆作品なのですが、改めて1話から見返してみるともっとこうした方が良かったという部分が多くありました。ということで、少しだけ投稿頻度を減らして1話から改稿作業に入りたいと思います。お読み頂いている方々にはご迷惑をお掛け致しますが、初心者の手直しと思い、温かい目で見守って頂けると嬉しいです。

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