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勇者の息子に転生したら育ての親が魔王でした~最強に育って無双します~  作者: ララ
第二章 ジューダス帝国編

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第71話 君臨すれども統治せず

思い立ったが吉日。


その言葉通り、ライトたちは即座に魔王国への帰還を決行した。


もっとも――


「ご、ご主人様ぁぁぁぁ!! 速すぎますぅぅぅぅ!!」


途中でヒメルが半泣きになったが。


翼を得たライトの飛行速度は、もはや以前の比ではない。

全力飛行すればヒメルすら置き去りにしてしまうほどだった。


なおハクは子狼形態になり、ライトに抱えられて移動している。


一番楽をしていた。


「翼って便利だな……」


最初は生えた時こそ本気で人生を悩んだ。

だが出し入れ可能と判明した今では完全に便利機能である。


翼が無くても飛べる。

だが速度も旋回性能も段違いだった。


結論。


飛ぶなら翼を出せ。


それだけだった。


そんなこんなで魔王国へ到着したライトだったが――

上空から見えた光景に思わず目を丸くする。


「……防壁、全部直ってる?」


戦争で破壊されたはずの防壁。

その全てが綺麗に修復されていた。


いや。


修復どころではない。

前より豪華になっている気すらする。


「仕事早すぎない?」


思わず呟く。


だがそれを見てライトは少し嬉しくもなった。


自分が理想とする統治。


それは、


『君臨すれども統治せず』


である。


トップは象徴として存在し、実務は優秀な人材へ任せる。


自分がいなくても国が回る。


それが理想だった。


うん。


楽したいとかじゃない。


決してない。


たぶん。


きっと。


おそらく。



「ただいまー!」


城へ入った瞬間、


ドタドタドタドタッ!!


もの凄い勢いで足音が響いた。


「おかえりだーよ!」


「ライト様ぁ!」


「お美しゅうございますわぁ!」


ホイズ。


ベイル。


アローラ。


いつもの幹部たちである。


そして――


「ライト」


聞き慣れた声がした。


ライトは目を見開く。


「……え?」


そこにいたのは、車椅子に座った魔王ガルスだった。


「とうちゃん!?」


思わず叫ぶ。


まだ意識が戻っていないと思っていた。

ジューダス帝国のエレオノーラすら目覚めていないのだ。


だから当然ガルスも同じだと思っていた。


しかし。

さすが魔王。


生命力がおかしい。


「お前には苦労を掛けたな」


「いやいやいや! 起きてたの!?」


「最近な」


ガルスは豪快に笑う。


「まだ本調子じゃないがな」


そう言って車椅子をポンポン叩く。


……怪しい。


凄く怪しい。


「だから暫く魔王は続投だ」


「え?」


「頼んだぞライト!」


「絶対それ仕事したくないだけだろ!」


ガルスは笑って誤魔化した。


図星だった。


その後ライトは復興状況の確認へ向かった。


そこで更なる衝撃を受ける。


「全負傷兵回復済みですわ」


「建物も全て再建済みです!」


「……は?」


まだ戦後一ヶ月程度である。

普通は復興計画書を作っている頃だ。


なのに。


全部終わっていた。


しかも。


「腕とか足とか吹っ飛んでたよな?」


「すぐくっつきましたわ」


「すぐって何?」


魔族怖い。


本気でそう思った。


さらに資料を読み進める。


そして。


「なんだこれ」


見つけてしまった。


防壁中央。


巨大広場。


堂々と建つ二体の銅像。


一体はガルス。


そしてもう一体は――


ライト。


「アローラ」


「はい♪」


「これ何?」


「魔王国技術部総力の結晶ですわ!」


満面の笑みだった。


ライトは頭を抱えた。


「撤去したい……」


「泣きながら作った職人達の努力を無駄にするのですか?」


「ぐっ……!」


卑怯である。

こうしてライト像は永久保存が決定した。


完全敗北だった。


その後。

残る仕事は一つ。


開発局。

シュプールである。


研究所へ入った瞬間、ライトは察した。


「あっ、これヤバい職場だ」


局員全員の目の下に隈。


魂の抜けた顔。


完全に徹夜明けだった。


だが当の本人だけは元気だった。


「ライト様ぁぁぁぁ!」


シュプールが飛んでくる。


「頼まれていた例のブツ、完成しておりますよぉ~」


「おぉ!」


「最高にセクシーな子たちが♡」


「言い方!」


そしてシュプールはニヤニヤしながら、


二つの物体を差し出した。


その瞬間。

ライトは確信する。


――出来上がりに不安があると

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