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勇者の息子に転生したら育ての親が魔王でした~最強に育って無双します~  作者: ララ
第二章 ジューダス帝国編

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第70話 謹慎期間の過ごし方

昨日の騒動を受け、学院は迅速な処分を下した。


騒動の当事者であるハク。

そして平手打ちを行ったフィオレリア。


さらに被害生徒たちも含め、全員が一週間の自宅謹慎処分となった。


もちろんライトたちも黙ってはいなかった。


フィオレリアが自分たちを守るために動いたこと。

そして騒動の発端が彼女の善意にあったこと。


それらを学院へ説明したうえで、


「なら俺たちも謹慎します」


と、自ら申し出たのである。


本来ならルシェイン皇子の責任も追及できた。


だが――

あいつだけは自分の手で落としたい。


そんな理由から、ライトは敢えて泳がせることを選んだ。


入学初日に謹慎。


前代未聞である。


だが、もしあの場にフィオレリアが来ていなければ。


もしエリオス副学院長が止めてくれなければ。


おそらく自分は――

皇都ごと吹き飛ばしていた。


そう考えれば、一週間の謹慎など安いものだった。



現在。


ライトは自室でハクと向き合っていた。


目的は事情聴取。


そして教育という名のお説教である。


「ハク~?」


「うぅ……」


「他の生徒をぶっ飛ばしたらダメだぞ~?」


「俺、反省……」


ぺたり。


狼耳が完全に寝た。


見るからにしょんぼりしている。

その姿に、ライトは思わず苦笑する。


「まぁ気持ちは分かるけどなぁ」


「ほんと?」


「分かる分かる」


「おぉ!」


一瞬で耳が立った。


単純である。

だが理由を聞けば責め切れなかった。


ハクが怒った原因は――


ライトの悪口だった。


魔族は気持ち悪い。


見た目は人族のくせに不気味だ。

そんな言葉を何度も浴びせられたらしい。


自分への悪口だけなら我慢できる。

だが家族を侮辱されたら話は別だ。


それはライトも同じだった。


だからこそ。


「まぁ殴ったことは駄目だ」


「うぅ……」


「でも俺のために怒ってくれたのは嬉しい」


「……!」


尻尾がぶんぶん振られた。

現金なやつである。



結局三人で話し合った結果、


新たなルールを作ることになった。


怒ったら深呼吸。


それでもダメならインカムで相談。


まず状況説明をする。


それから判断する。


たったそれだけだが、意外と効果は大きい。

人は言葉にするだけで冷静になれる。


問題改善にはルール作りが大事。

これは前世の会社で嫌というほど叩き込まれた。


まぁ若干ブラック企業だったが、役に立つこともあったらしい。


「よし!」


ライトはパンと手を叩く。


「今後は簡単に手を出さない!」


「「はーい!」」


元気な返事が返ってくる。


うむ。


実によろしい。



さて。


問題はここからだ。


今日から一週間。

完全な自由時間である。


監視もいない。


外出禁止でもない。


要するに休日だ。


どうしようか。

そう考えていたライトの頭に、ふと一つの案が浮かんだ。


「あ」


「?」


「?」


「魔王国帰るか」


「行くー!」


「帰りたい!」


即答だった。

どうやら二人も故郷が恋しかったらしい。


ライト自身も理由はあった。


戦後復興の確認。


父の容態確認。


そして――

シュプールの進捗確認。


これである。


実は様々な魔道具や魔導兵器の開発を依頼していたのだ。


正直かなり気になっていた。



さらに学院へ通ってみて確信したことがある。


セレスティナ帝国学院。


確かに名門だ。


だが。

魔導兵器学だけは壊滅的だった。


魔道具技術は高い。


なのに軍事転用の発想が無い。


最新兵器が属性付与バリスタ。


いや。


それ兵器じゃなくて改良型バリスタだろ。


ライトは心の中で盛大にツッコんだ。


発想が古い。

保守的すぎる。


このままでは同盟国として不安である。


そこでライトは一つの結論へ辿り着いた。



シュプールを連れて来よう。



天才である。


人格は終わっている。


下ネタも多い。


教師適性はゼロだ。


だが。

魔導兵器開発能力だけなら魔王国最強。


アイデアを出すライト。

実際に作るシュプール。


この構図で成り立っている以上、功労者は間違いなくあいつだ。


「うん、決めた」


ライトは立ち上がった。


「シュプールを学院教師にする」


「絶対ダメだと思う」


ヒメルが即座に否定した。


「俺もダメだと思う」


ハクも続く。


珍しく意見が一致していた。


だがライトは聞かなかった。


聞く気もなかった。


「善は急げだ」


「ご主人様、人の話聞いて?」


「聞いてる」


「聞いてない!」



魔王国まで片道三日。


往復でも一週間以内。

十分間に合う。


「よし、出発だ!」


「おー!」


「帰るぞー!」


こうして三人は荷物をまとめると、


久しぶりの故郷――


魔王国へ向けて飛び立つのだった。


そしてその決断が、後にセレスティナ帝国学院を、良くも悪くも大混乱へ叩き込むことになるとは、この時のライトはまだ知らなかった――

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