表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の息子に転生したら育ての親が魔王でした~最強に育って無双します~  作者: ララ
第一章 転生…そして幼少期編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
54/80

第53話 絶対安静の仲間達

ライトは近くにいた救護班の者を呼び止めると、負傷して運ばれたハクたちの居場所を尋ねた。


幸いにも四人は同じ部屋で治療を受けているらしい。


案内を頼み、ライトはすぐにその部屋へ向かった。


扉の前に立ち、一度だけ深呼吸をする。


そして――


「みんなー! 生きてるー?」


勢いよく扉を開けた。

普通なら重傷者のいる病室に向かって言う台詞ではない。


間違いなく怒られる。

しかし部屋の中は静まり返っており、返事はなかった。


不安になったライトは近くにいた治療担当の魔族へ声を掛ける。


「えっと……みんな大丈夫なんですか?」


「あぁ、ご安心を。命に別状はありません」


その言葉に胸を撫で下ろす。


「ただし――」


「ただし?」


「全員、無理やり戦場へ戻ろうとしましたので睡眠魔法で眠らせました」


「なるほど」


納得だった。

むしろそうでもしなければ止まらなかっただろう。


魔王軍幹部とはそういう連中だ。


改めてベッドへ視線を向ける。


まず目に飛び込んできたのはホイズ。


巨大すぎる身体がベッドからはみ出している。

むしろよくベッドが壊れないものだ。


次はベイル。


眠っているにも関わらず胸元には魔剣スレイブ。

もはや武器と一心同体である。


続いてヒメル。


器用に翼を畳み、静かに寝息を立てていた。


「今度翼の畳み方教えてもらおう……」


そして最後。


全身包帯だらけの小さな人影。

包帯の隙間から白い毛が覗いている。


間違いなくハクだ。


かなり酷い怪我だったのだろう。


それでも四肢は無事。

欠損も見当たらない。


それだけで十分だった。


「よかった……」


自然と肩の力が抜ける。


皆、生きている。

それだけで十分だった。


静かな病室の椅子へ腰を下ろしたライトは、改めて仲間たちの姿を眺めた。


こうして見ると、本当に進化というのは不思議だ。


ホイズやベイルは身体が大きくなった程度だ。


だがハクとヒメルは違う。


ハクは狼から人型になった。

しかも二足歩行で喋る。


ヒメルに至っては美少女である。


翼以外にワイバーン要素がほとんど残っていない。


初めて見た時は本気で驚いた。


しかも女の子だった。

てっきりオスだと思っていた。


「ヒメル……姫流……」


漢字で書けば確かに女の子っぽい。


うん。


たぶん最初からそうだったのだろう。


たぶん。


恐らく魔族特有の進化という現象は、人族の上位職とは根本的に違う。


人族なら騎士が聖騎士になる。


魔法使いが賢者になる。


そんなクラスチェンジに近い。


だが魔族は違う。


種族そのものが変質する。


生物として進化する。


だからこんなにも劇的に姿が変わるのだろう。


「……ほんと不思議な種族だな」


そう呟いた瞬間。

ふと自分自身の背中へ意識が向いた。


いや。


他人事ではなかった。


自分も翼が生えている。


十分不思議側だった。


「……俺もステータス見てみるか」


久しぶりにステータスを開く。


ーーーーーーーーーーー


名前:ライト


レベル:287


称号:聖魔王


ジョブ:魔剣聖 Lv.51


スキル:

超高速移動

危険予知

神速剣

超多重魔法

聖魔剣技

聖魔法


熟練度:

剣術 Lv.101

魔術 Lv.100

聖魔剣 Lv.61


特性:

勇者の血脈

魔王の教え

剣術の天才

魔法の天才

フィジカルモンスター

成長限界無効

美の化身

光と闇を司る者


ーーーーーーーーーーー


「……なんか別人になってない?」


思わずツッコミが漏れた。


レベル二百八十七。


普通に考えておかしい。


元魔王と元勇者による地獄の修行。

思い出しただけで胃が痛い。


毎日死にかけた。

いや、本当に死にかけた。


よく生きて帰れたものだと思う。


だが問題はそこではない。


「聖魔王って何だよ……」


称号欄を見る。


魔王代行の時点で十分意味不明だった。

それが今度は聖魔王である。


人間なのか魔族なのか。

最近自分でもよく分からない。


そして極めつけ。


【光と闇を司る者】


「……いつ司ったんだ?」


記憶にない。


本当にない。


気が付いたら翼が生えていたくらい意味不明だった。


だが今知りたいのはそこではない。

問題は翼である。


目立つ。


とにかく目立つ。


今後世界を旅することもあるだろう。


その度に注目されるのは勘弁してほしい。


「隠せないかな……これ」


背中へ意識を向ける。


折り畳もうとする。


無理だった。


引っ張る。


痛かった。


取れない。


最後は半ばヤケになった。


ステータスだって念じたら出た。


なら翼も念じれば何とかなるのではないか。


そんな雑な理論である。


「翼よ、隠れろ」


念じた。


すると――


シュゥゥゥ……


白と黒の翼が光と闇の粒子へ変わる。

そしてそのまま身体へ吸い込まれていった。


「あ」


ライトは目を丸くする。


「隠せた……」


思った以上に簡単だった。


だが同時に、うなじ辺りに妙な違和感を覚える。


近くに置いてあった金属製の水差しへ自分の姿を映した。


そして息を呑む。


そこには新たな紋様が刻まれていた。


右には純白。


左には漆黒。


二つの翼が向かい合うように描かれた神秘的な紋章。


それは光と闇が融合した証。


聖と魔を統べる王の証。


――聖魔痕。


この世界で唯一。


聖魔王ライトだけが持つことを許された刻印だった。


しかし当の本人は、


「痣みたいになっただけか」


と呑気に首を傾げる。


その価値に気付くのは、まだ少し先の話である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ