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勇者の息子に転生したら育ての親が魔王でした~最強に育って無双します~  作者: ララ
第一章 転生…そして幼少期

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第52話 魔王の奪還成功

アストリア王国軍の殲滅を完了したライトは、急ぎ魔王ガルスの元へと向かっていた。


怒りに任せて殲滅に向かってしまったが、冷静に考えると先に魔王ガルスを助けるべきだったとライトは反省していた。


殲滅にはさほど時間は掛からなかったが、やはり心配だ...急いで戻ろう。


ライトは二対の翼をはためかせながら、全速力で魔王ガルスの元へと戻った。


少しして、魔王ガルスを放置してしまった場所に到着すると、そこにはハクたちの避難を完了させた魔竜王デッカーが既に戻ってきており、火花を散らせながら横たわる特殊個体もとい、魔王ガルスを眺めたり、突いたりしていた。


『あっ!デッカーさん、なに遊んでるんですか!父ちゃん大丈夫なんですか?』


『大丈夫なんですかって、お前がやったんだろうが...』


『それはそうなんですけど...』


デッカーの言葉に、自分でも少しやり過ぎたと考えていたライトはシュンと肩を落とす。


『クックック...ガルスならまだ生きてる。育ての親とはいえ、父を殺してなくて良かったな。ハッハッハ』


『あぁ〜良かったぁ...生きてるんですね?...笑い事じゃないですよ!本当に!こっちは親を殺してしまったんじゃないかとヒヤヒヤしてたんですから!』


魔王ガルスの無事を笑いながら伝えてくるデッカーに、笑い事ではないとプリプリ怒るライト...しかし、その表情はどこか安堵に満ちている。


『というか、ライト...お前、その翼はどうした?前からそんなの生えてたか?』


『え?翼?...』


デッカーの指摘に、ライトは自分の背中に手をまわしてサワサワと手を動かしてみる...

すると、手に羽毛のような肌触りが…


『え、え、何これ!えぇ〜』


自分に翼が生えていることが分かり驚くライト…翼が顕現した時には怒り心頭だったこともあり自分では気付いていなかったのだ…


『いよいよ人族であることすら辞めたのか?...クックック...ア〜ハッハッハ!』


驚くライトと爆笑するデッカー、その二人の和やかなやり取りが、戦争は終わったのだという事を改めて感じさせてくれる。


『とりあえずデッカーさんは笑ってないで、父ちゃんをみんなのところに運んでくれませんか?』


『む?さっきからお前は俺を運び屋扱いしやがって...俺はこれでも魔竜王なんだぞ!畏れ多いとか思わねぇのかお前は!』


自分で運ぶには大きすぎると思い、ライトはデッカーにガルスの運搬をお願いするが、渋りだすデッカー。


『いやいや、デッカーさんは父ちゃんの友達じゃないですか!友達が困ってるのに助けないんですか?薄情な魔竜王だなぁ』


『な!....わかった...わかりましたっ!今回は特別だからな!それと、もちろんお前もついてこいよな』


『もちろん一緒に行きますよ。俺が行かないとデッカーさんじゃ、皆に説明出来ないですよね?』


『まぁ…な…先ほどもお前の仲間を運んで行ったら、敵だと思われて大変だったんだんだからな…』


勇敢にもハク達を運んできた魔竜王に喧嘩を売った魔族がいたらしい...余程説得に苦労したのか、デッカーは遠くを見つめている…


『ですよねぇ…デッカーさん、見るからに悪そうですもんねぇ』


『うるさいっ!早く行くぞ!』


そう言うとライトにイジられたデッカーは、魔王ガルス入りの特殊個体を鷲掴みにして一足先に飛び去って行ってしまった。


『よし、俺も向かうか!』


そして、飛び去るデッカーの姿を見ながら軽く息を吐き、ライトも背中の翼を広げて後を追うのだった。



そこからライトは、どうせならと新たに得た翼がどのようなものなのか試しながら魔王軍の司令部へと向かう事にした。


背中の翼は肩甲骨の辺りから白い翼が、そしてその下側に黒い翼がそれぞれ一対ずつ生えており、厨二感満載な見た目となっていた…


性能としては、飛行時のトップスピードがとんでもない速さになった事と、細かい動きが可能となった事位だ…あ、後は非常に目立つ…いや、目立ってしまう事か...


『これって、一生このままなのかなぁ...恥ずかしいなぁ』


ライトは、自分の人外の姿に少し恥ずかしいと思うのだった...


それから暫くしてライトは司令部の前に到着する。


その司令部の前には、先に到着したのであろうデッカーがゴロンと横になりライトを待っていたようだった。


『遅ぇぞ!結局俺が全部説明する羽目になっちまったじゃねぇか!大変だったんだぞ!討伐隊なんか組まれる寸前だったんだからな!』


大きな体で横になりながら不貞腐れるデッカー。


どうやら魔王ガルスが入っている特殊個体の残骸は、既にデッカーが魔族達に引き渡してあるようだった。その間に一悶着あったようだが...


『すみません…!ちょっと翼の性能を試していたら遅くなりました…』


『全く仕方ない奴だ…まぁいい、早く仲間たちのところに行ってやれ!心配していたぞ!俺はもう帰る!』


『はい!ありがとうございます!今回は本当に助かりました。近いうちにまた遊びに行きますね!』


『あぁ、ガルスも連れてこい。病み上がりのリハビリに付き合ってやるよ』


『は、はい...伝えておきます』


どんなリハビリだ!と思いながらも再会の約束をして、デッカーと別れるライト。


なんやかんやと時間が掛かってしまったが、早くガルスの元へ向かわねばと司令部の中へと進むライト。


司令部の中の様子は、皆が戦争の後処理か何かをしているのかバタバタと慌ただしく動き待っているようだった。


しかしそんな状況にも関わらず、すぐさま周りの魔族達はライトの存在に気付きはじめる…やはり翼が目立ってしまうのか...


『あ!ライト様だ!』

『ライト様がお戻りになられたぞ!』

『おぉ!ライト様、よくぞご無事で!』


すぐに皆がライトの帰還に気付き、司令部の中はちょっとしたお祭り騒ぎになっていた。


少し騒ぎすぎでは?と思いながらも、皆が沸きあがるその光景に、ライトは長い修行からやっと帰って来たという実感が湧いてくる。


しかし、今はそんなことよりも魔王ガルスや怪我をした仲間達の容体を確認するのが先だ。


運んできたデッカーは、魔王ガルスやみんなが死んではいないと言っていたが、それでも安心はできない。


そう考えたライトは、沸き立つ皆をかき分けながら救護班の所へ向かった。


やっとの思いで救護班の所へ到着すると、建物の入り口にはアローラがしゃがみ込んでいるのが見える。


そのアローラは何かに祈るような素振りを見せていた…極限まで心をすり減らしたアローラは焦燥しきっており、近づくライトにすら気付いていないようだ。


恐らく運ばれてきたガルスの無事を祈っているのだろう。

魔族が何に祈るのかは分からないが、今はそっとしておいた方がよさそうだ。


そう思ったライトはアローラを気遣い、肩にそっと手を当ててから救護班の建物に足を踏み入れた。


建物に入ると、すぐの所に黒い特殊個体の残骸とネイビーブルーの大破した特殊個体が2つ並んで置いてあり、その周りでシュプール達開発局のメンバーがワチャワチャと何やら忙しそうに作業をしていた。


『そこ~!魔力回路遮断してください~!早くしないと爆発しますよ~』

『室長!そういう事は早めに言ってください!』

『そこ~!無理矢理やると自我なくなっちゃいますよ~』

『えっ!き、気を付けます!』


シュプール達の口からは何やら物騒な言葉が飛び交っている…


どうやら開発局の面々はゴーレムから媒体となっているガルス達を切り離そうとしているようだった。


そこに近づいていくライト…


『シュプール!父ちゃんは助かるのか?』


シュプール達は忙しそうにしているが、どうしても聞かずにはいられなかった。


『あっ!ライト様~!おかえりなさいませ~!今頑張ってるところですけど~、何とか切り離せそうですので、ご安心下さ~い!』


『良かった…シュプール、父ちゃんを頼む』


シュプールの言葉に少し安心するライト。


『お任せください~!しっかりやらせていただきます~』


シュプールの返答からは何とかなりそうだという事が分かった…

だがクリスタル越しに見ても、相当衰弱しているという事が見て取れる状態であることから、時間との勝負ではあるのだろう思う。

どんな原理で特殊個体に繋がっているのかは分からないが、今は作業に集中してもらわなければならない。


今、自分に出来る事は邪魔をせずにシュプール達を信じて待つことだけだ…そう考えたライトは、一旦その場を離れることにする。


続いて、ライトはハク達の元へと向かう事にする。

魔王ガルスが媒体となる特殊個体と交戦して重傷を負ったハク達は、デッカーという名の大きな救急車で救護班の元へと無事に届けられていた。


入って分かったが、救護班の建物は戦時に使うだけあって相当に大きい…それだけ戦争では負傷者が出るという事でもあるのだろう。

たが、それを考えると今後はケガ人を減らせるように魔族達のレベリングと装備の充実、そして魔道具の開発をもっと進めなければいけないと改めて感じる。


目標は死傷者ゼロだ…


そういえは、ここに来るまでに鹵獲したゴーレムを何体か見た。

分析してゴーレム軍団なんて作ったら人的被害を減らせるかもしれない。


そうでなくても、ロボットなど永遠の男のロマンだ...魔力で動くロボットの軍団...是非とも実現したい。


そんな新たな野望を抱きながらハク達の元へと向かうライトだった。

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