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勇者の息子に転生したら育ての親が魔王でした~最強に育って無双します~  作者: ララ
第一章 転生…そして幼少期編

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第44話 蘇る悪夢

『ヴェクターよ…今回は、前回のよう撤退する訳にはいかんぞ…分かっておるだろうな!』


アストリア王国軍の後方で将軍風の男が配下とみられる男に激しい問いを飛ばす。

アストリア王国将軍のロイズだ。


『はい…今回は前回よりも出兵の数も多く、それに加え数多くの人造ゴーレムも持ち込んでおりますので、如何に魔族共が強大な力を持っていようとも我らに抗う事は出来ないでしょう!』


ロイズの問いに、ヴェクターと呼ばれる参謀風の男は勝利は間違いないと鷹揚に答えた。


『フフフ…奴らの王、魔王ガルスも我らの手中にある…戦力も十分だ…もはや奴らに勝機はない、ついに魔王国の命運も尽き、勇者の子を手にする時がきたという事だな…』


ロイズは醜悪な表情で笑みを浮かべた…



ー魔王国南方防壁ー


『アローラ師団長~!まもなく敵軍が対侵略者殲滅用兵器キジュウの射程範囲に入ります~!』


敵将のロイズ将軍が王国軍の勝利を疑わず笑みを浮かべている頃、防壁の上では開発室長シュプールが締まりのない声でアローラに状況説明をしていた。


『ジジジ…了解しましたわ…射程に入り次第、掃射を開始してちょうだいな…』


シュプールの耳元に少しくぐもった音で、アローラの返答が聞こえた。

しかし、近くにはアローラの姿はない。

それもそのはず、アローラの姿は既に防壁前方の防衛陣後方…指揮官の位置についていたからである。

その近くにはフィオレリア達の姿もある…


ではなぜ、離れた場所にいるアローラとシュプールがまるで近くにいるかのように会話しているのか…実は、ライトがシュプールに開発を依頼していた魔道具、風魔法式小型無線機インカムの開発が完了し魔王軍に配備されていたからだ。


シュプール達の耳元に装着された片耳用イヤホンにマイクがついたような形のインカム…風魔法を応用して離れた者同士で会話を行えるという品は、指揮官の指示をタイムラグなしで全軍に伝えることが出来るだけではなく、味方同士で状況の共有など本来の戦場では、伝令が走り回り大きくタイムラグが発生する情報伝達を少しの遅れもなく行うという優れものだった。


『あ、あぁ~ん!そんな耳元で囁かれますと、私こまっちゃいますぅ~』


『シュ、シュプール室長…真面目にやってくれないかしら…』



『???』


誰もいないはずの方向に向かって、呆れ顔で話すアローラの姿を見て不思議そうにするフィオレリア達。

フィオレリア達にはインカムは支給されていなかったことからアローラが独り言を話しているように見えたのだ。


『ジジジ…あ~王国軍、射程に入りました~!対侵略者殲滅用兵器キジュウ~!掃射を開始します~!』


そんな中、インカムから聞こえてくるどこまでも緊張感のないシュプールの声…そして、その声と同時に機銃の引き金を絞るように引くシュプール達…次の瞬間、フィオレリア達は予想を遥かに超えた光景を目の当たりにするのだった…


ババババババババババッ!!!

バババババババババババババババッ!!!


けたたましい轟音と共に、銃身から火を吹きながら絶えず弾丸を発射する機銃…


それが横に50基並んでの一斉掃射である。


フィオレリア達の眼前では放たれた弾丸は、王国兵を抗う間もなく次々とその圧倒的な火力で亡き者としていく…


『な…!こ、これは…』


驚愕の表情で言葉を失うシグルド…


『これはヤバいなんてもんじゃないな…』


想像を遥かに超えた威力に驚きを隠せないハインツ…


そしてフィオレリアは呟く…


『こ、これほどまでの力があれば必ず帝国を王国の魔の手から救える…』


その言葉は機銃の射撃音により周囲に聞こえることはなかったが、希望に満ちた表情だけはシグルドとハインツには見てとれた。


なおも機銃の掃射は続き、もはやアストリア王国軍の前線は防壁へと辿り着く前に崩壊していた…


『ジジジ…あぁ…癖になりそう~…』


『ジジジ…シュプール室長、お楽しみの所申し訳ないのだけれど、敵前線の被害状況はどうなっているのかしら…こちらからは砂煙で何も見えないわ』


機銃をぶっ放す快感に身を悶えさせるシュプールに対してインカムで状況説明を求めるアローラ


『ジジジ…こちらシュプールで~す!射程距離に入っていた敵前衛は殲滅完了です~!』


防壁の上…射撃の熱が冷めやらず、銃身から煙を上げる機銃の傍で額に掌を当てて周りをキョロキョロと見渡しながらインカムで報告をするシュプール…


そのシュプールの報告は、その軽い口調とは裏腹に敵軍の約三割…前衛六千人にも及ぶ兵士が一瞬で駆逐されたことを意味していた。


『これは戦争の在り方自体が変わるぞ…』


驚きが収まらないシグルド…


恐るべき機銃の威力である…その威力は敵軍前衛の騎士たちが持つ盾や身に纏う鎧兜を貫通し、それだけに留まらず、その貫通した弾丸は更に後ろの騎士達にも届く程だった…


『予想以上の戦果ね…だけど…』


思っていた以上の機銃の力に満足するアローラ…しかしアローラは忘れてはいなかった、前回の王国軍侵攻時に自身が勝ちを確信し、油断したことにより敵の反撃を見逃したていた事を…そしてそれが原因で主である魔王ガルスが捕らわれてしまった事を…


そう、ここまでは前回の王国軍侵攻時も同様だった。

前回は、機銃などの魔道兵器の配備はなかったが、その代わりとして魔王軍幹部達が先頭に立ち、前線を押し上げながらその圧倒的な戦闘力で王国軍の前線を崩壊させたのだ…


しかし、悪夢はその後に起こった…


あの巨大なゴーレム達が現れて戦況は一気に覆ったのだ…


今回も出てくるはず…


そうアローラが考えた時、魔王軍の最前線で大きな爆発が巻き起こった!


『くっ!やはり出てきましたか!』


蘇る悪夢…アローラ達の目には、くすんだグレーの色をした多数のゴーレムが姿が映ったのだった…

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