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勇者の息子に転生したら育ての親が魔王でした~最強に育って無双します~  作者: ララ
第一章 転生…そして幼少期

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第28話 玉座の間

ワイバーン達の強襲を何とか凌いだライト達は、次の階層への通路であろう横穴を奥へ奥へと進んでいた。


幸い、その横穴にはワイバーンはおらず、恐れていた事態にはならなかった。


どこまでも続く横穴....


『一体どこまで続くんだろうな....恐らく41階層に続いているとは思うんだけど....』


『かなり歩いただーよ』

『クゥ〜ン』

『グルゥ!グルゥ!』


そうやって会話をしながら進んでいると、やがて通路は終わりを見せ、代わりに大きくひらけた広間へと変わった。

そして、その広間の奥には今まで見た事もない様な大きな扉があるのが見えた。


扉は、その大きさもさることながら、素材は分からないが非常に重厚な質感だ。

扉表面には豪華と言うよりは禍々しいような装飾が隅々まで施されており、見る者を追い返すかのような、そんな威圧感を醸し出した漆黒の扉だった。


『と、扉だな....』


『扉だーよ…』


『クゥン?』


『グワァッ!』


皆が困惑の表情を浮かべる....なぜならここまでの階層入り口に扉があったことなど無かったからだ。


もちろん40階層の所にも無かった。


明らかに異質、しかも順当に進んでいたなら次は41階層....今までの感じでいうと、そんな中途半端な階層にこんな扉があるのはおかしい....違和感が半端ない。


前世でプレイしたゲームの記憶でも、こういったダンジョンの奥の扉というのは、大抵ボス部屋に続く扉だったのを覚えている。


『まさか、階層をスキップした....?』


『『『???』』』


ライトが発した言葉に皆が首を傾げる。


ライトは考えた....


もしや、40階層には他に順路があり、自分達は正規のルートから外れた道を進んだ可能性があるのではないかと....


そして、ヒメルに乗って辿り着いた先は41階層では無くもっと先....この扉の感じだと最下層の50階層なのではないのか....そんな事が頭をよぎったのだ。


そもそもの話、最下層が50階層という区切りのいい数字である事、そして一定の階層毎にまるでテーマが決まっているかのような階層の作りや魔物の配置....


考え出したらキリがないので、今までは気にしない事にしていたが、何者かの意図を感じずにはいられない。


極めつけは、いま目の前にある巨大な扉だ。

明らかに何者かの手によって作られ、備え付けられている。


ゲームであれば、まぁそんな事もあるよね、くらいに流せたのかもしれない....しかしこれはゲームではない。


様々な疑問が絡み合い、最終的に一番気になった事をライトは口にした。


『中には何が居るんだ....』


結局、それが全ての疑問の答えに繋がることだと思う。


すると、ライトの言葉を聞いたホイズは....


『入ってみるだーよ!』


そう言い放つとあっさり扉の片方を押し開き始めた。


『おいっ!ホイズ!』


思わず突っ込むライト。


突っ込みはしたものの時既に遅し....ホイズの怪力により、すっかり片方の扉は押し開かれてしまった。


『ま、まぁ悩んでても仕方ない....入ってみるか....』


『了解だーよ!』


悩んでいた自分がバカらしくなり、ライトは中に進む事を決意する。



ー最下層 扉の奥ー


扉の奥に進むと、中は入る前の場所よりも更に広い空間となっており、天井も見上げるほどの高さとなっていた....


地面には赤い生地に金の刺繍が施された細長い絨毯が、入り口から奥まで一直線に敷かれており、その絨毯の左右に沿って等間隔に青白い炎が灯った篝火のような物が置かれていた。


ここを通って進めと言わんばかりに....


しかし、うちのホイズがそんな空気を読む訳がない。


『すっごく広いだーよー』


とか言いながら広間を走り回っている。

それに釣られてハクとヒメルも好き勝手に散策しだす始末だ。


『まったく....何かあればすぐに教えるんだぞー』


幼稚園の先生になった気分だ。

ホイズに至ってはどちらが世話係兼教育係か分からない。


ライトが肩を竦めながら溜息をついていると、広間の奥からホイズが何かを叫んでいるのが聞こえた。


『ライト様〜!こっちにおっきな椅子があるだーよ!』


『おっきな椅子??』


ライトは、何だそれはと訝しげにホイズの声がした方向に向かうと.....


『あった....おっきな椅子』


入り口から赤い絨毯が真っ直ぐに延びた先にそれはあった。


おっきな椅子と聞くと通常、ゆったり座れる位の大きさの椅子を思い浮かべるだろう。まぁ想像出来ても人目を惹くように作られた巨大家具くらいの椅子だろう。


目の前にあるのは違う....身長150センチ程のライトの10倍はありそうな高さで、細かい装飾が施された、いわゆる玉座といわれるような形をした椅子だ。細かいといっても規模がデカいので実際は細かくはないが....


ちなみに幅はライトと仲間達が横一列に並ぶより大きい。


機動戦士が座るんかと思わず聞いてしまいそうになるような大きさだ。


『一体何が座る玉座なんだろう....さすがにデカすぎだろ』


先程から驚きのあまり、開いた口が塞がらないが、一応他にも何かないか調べてみる、すると....


『ん?あれは?』


大きな玉座のインパクトが強すぎて、目を奪われていた為に気付かなかったが、よく見ると玉座の後方にも巨大な扉がある事に気付く。


玉座の後方の扉は、ライト達が入ってきた入り口の扉と同じくらいの大きさで、その大きさ故に重厚感はあるが、特段装飾などは無く、どちらかといえば質素な感じの扉だった。



ここでとりあえず、この広間を見て回って調べた事を纏めてみると....


入り口から奥まで一直線にレッドカーペットが敷いてある


巨人でも座るのかという位の大きい玉座がある


玉座の後方に入り口の扉と同じくらい巨大な扉がある


といった感じだ。


他には何かがいる訳でもないし、特に変わった物も置いてない。


『ボスは不在か?』


この魔竜の洞窟にボスがいるなら間違いなくこの玉座の間にいるはずだろう….この広間はそんな雰囲気なのにボスはいない….


『誰もいないだーよ』

『ワンッ!ワンッ!』

『グルァ!』


ライトの言葉に広間の探索に飽きた面々が集まってきて応える。


ダンジョン攻略を進め、遂にボス部屋へ辿り着いたが、ボスは留守にしていた....んなアホな。


『こうしてても仕方ない、進む扉があるんなら先に進むか』


ライトは肩透かしを食らったような表情で玉座後方の扉を見つめながら、先に進む決断をする。


『じゃあ開けるだーよー』


そのライトの決断に躊躇なく扉を開け始めるホイズ。


すると、ホイズが開けた扉の先には何者かの気配を感じたのだった。

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