第23話 ハクの同族
初めての作品で、手探りで執筆しておりますので内容において、度々改変などがされております。
ご不便をお掛け致しますが、温かい目でご覧頂けると幸いです。
エンペラーツリー攻略後、役目を終えたデスマーチアント達を狩り尽くし、やっと一息といったライト達だが余りゆっくりもしていられない。
『よーし!そろそろ進むぞー!』
『次で新記録だーよ!ベイルとアローラより凄いだーよ』
『フンスッ!フンスッ!』
記録更新を喜ぶホイズと鼻息を荒くしてヤル気十分なハクを連れて先に進む。
目指すは魔王ガルスしか辿り着いたことのない最下層、50階層だ。
32階層から34階層は密かに心配していたエンペラーツリーの出現はなく、木の魔物が階層毎に数を増やして襲いかかって来るのみだった。
なので、魔物の出現数自体は多かったがホイズを先頭に立ち、連携を取りながら進むだけで比較的楽に突破する事ができた。
ちなみに今更だが、木の魔物の名前はデビルツリーだとホイズが、そのデビルツリーを拳で粉砕しながら笑顔で教えてくれた。
というか、俺はここまでの戦いのお陰でレベルが上がっている感覚があるが、多分ホイズも以前に比べて強くなっている気がする....もちろんハクもレベルが上がっているだろう。
洞窟攻略が終わったら全員のステータスを確認してみよう。
ひょっとしたら、進化一番乗りはホイズかハクになるかもしれないな....
そんな事を考えていると、ライト達の目の前には35階層に続く通路が現れる。
そして、その通路に躊躇する事なく歩みを進める三人。
次はいよいよ35階層だ。
ここまでは正直、戦闘面で苦戦する事はなかった。
エンペラーツリーで足止めを食らったが、それでも死の危険を感じるほどの強敵には出会ってはいない。
もちろん俺達が成長しているという事もあるだろう。
しかし、この魔竜の洞窟は魔王ガルスが過去に修行の場として選んだ場所....このまま終わるはずがない。
果たして自分達はどこまで進めるのか、胸を高鳴らせながらライトは35階層に足を踏み入れた。
ー35階層ー
辺り一面の森林。
30階層からここまでもそうだったが、太陽が届かない洞窟の地下深くで、なぜにこうも立派な木々が育つのか....
前世の地球では草木が育つ為には大体、降り注ぐ太陽の日差しと雨などから得られる命の源ともいえる水が必要不可欠だったように思うが、この世界では違うのか....
確かに天井や壁からは、恐らく鉱石なのだろうが眩い光が発せられており、洞窟の中をある程度の明るさで照らしている....
しかし、あくまでも光源といった形である事から、草木にとっての太陽の役割をしているとは思えない。
『不思議だな、世界が変わるとこんなにも当たり前だと思っていた事も違ってくるのか....』
ライトは、そんな事を思わず言葉にしてしまうが、その瞬間、周りから凄まじい数の殺気を感じた。
『ハク!ホイズ!』
『囲まれてるだーよ』
『グルルルルルルッ!』
俺が言うまでもなく二人は気づいていたようだ。
周りの木々の陰に多数の目が光って見える。
その放たれた殺気は獲物を狙う猛獣の如く、ライト達に向けられている。
迷う事なく戦闘態勢に入る三人。
次の瞬間、木々の陰から一斉に白い何かが目にも止まらぬ速さで襲いかかってきた!
当然、それは先程までライト達に殺気を放っていた者達だ。
見事な連携...そして、その余りのスピードと数の多さに、攻撃を防ぐ事で精一杯な三人....
暫く苛烈な攻撃が続くが、それを何とかしのぎ続けていると、今度は一斉にピタリと攻撃が止む。統制がとれた動きだ。
そして、その白い何かの正体がライト達の目の前にジリジリと姿を現した。
『ハク.....』
その姿を見たライトは思わず声を漏らす。
そう、その白い何かの正体は、自身の相棒であるハクにソックリな白い毛並みに青い瞳をしたホワイトウルフの群れだったのだ。
『グルルルルルルッ!』
『『『ガルルルルルルッ!!!』』』
しかし、同族と思われるハクとそのホワイトウルフ達はお互いに姿を認識した後も威嚇をやめない。
すると、とてつもない殺気を放ち続ける群れの奥から、何やら大きな人影がズンズンと前に出て来るのが見えた。
そして、その人影が群れの先頭に姿を現す....
その人影の正体は、盛り上がる筋肉に純白の毛皮を纏い、二本足でしっかりと大地を踏み締めながら、まるで穢れのない澄んだ海を思わせるような青い瞳でこちらを見つめる人狼の姿であった....
『白いウェアウルフ....』
その美しくも勇猛な姿に、思わず言葉を漏らすライト。
すると唐突に純白の人狼は口を開く。
『なぜ、我らの同族が貴様らと共にいるのだ!』
この人狼は言葉を話すのか....そんな驚きもあったが、それよりも人狼が放った言葉が気になる。
『同族?ハクのことか?』
ライトはハクを指差しながら問いに答える。
『そうだ、我ら誇り高きホワイトウルフと同族の者が何故、貴様らのような下賎な者と行動を共にしているのかと聞いている』
恐らくそうだろうと感じてはいたが、どうやらこの白い狼達と人狼はホワイトウルフでハクと同族だということで間違いないらしい。
しかも、俺とホイズは下賎な者と....
『グルルルルルルッ!!!』
その人狼の言葉に対し、更に威嚇を強めるハク。
『ハクは俺の相棒だ!だから一緒にいる!何か問題があるのか?』
『あるに決まっておろう!見たところその者は我と同じく王の資質を有しておるようだ!ただでさえ我々ホワイトウルフは高貴な種族、王の資質を備えるとなれば尚更貴様らのような者共が関わってよい訳がなかろう!』
『ほぅ、それは俺が魔王代行だとしてもか?』
『ま、魔王代行だと!なぜ下賎な人族の貴様が!!....そのような嘘、冗談であっても許される事では無いぞ!!』
『嘘じゃないだーよ!!ライト様は魔王様代行だーよ!』
人狼の言葉に我慢出来なかったのか、激しい口調…?でホイズが反論する。
『むぅ...例えそこの人族が本当に魔王代行だとしてもホワイトウルフの王を従える為には力を証明する必要がある!それは変わらん!ならば力を証明してもらう他あるまい!』
『どうすれは証明出来る!?』
『我と戦え!そして勝利すれば認めてやろう!でなければこの先に進む事も許さん!』
これからもハクと共に歩む為、そして此処より先に進む為にライトは純白の人狼と戦う事となったのだった。




