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勇者の息子に転生したら育ての親が魔王でした~良いとこどりで最強に育って無双します~  作者: ララ
第一章 転生…そして幼少期編

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第21話 魔竜の洞窟攻略戦②

初めての作品で、手探りで執筆しておりますので内容において、度々改変などがされております。

ご不便をお掛け致しますが、温かい目でご覧頂けると幸いです。

ライトが異世界へ転生してから十年と数ヶ月。


その長い歳月の中で――今まさに、最大級の絶望を味わっていた。


原因はただ一つ。


目の前にそびえ立つ、規格外の存在。


――巨大な樹木の魔物だった。


◇


少し前。


ホイズの最高到達地点である第三十一階層へ辿り着いたライト達は、第三十階層までと同じ要領で進軍を続けていた。


ホイズが前衛。


ライトが魔法支援。


ハクが攪乱。


連携は完璧だった。


襲い来る木の魔物達を次々となぎ倒しながら進む中、ライトは一つの疑問を抱いていた。


(おかしい……)


なぜホイズは第三十一階層で止まったのか。


確かに木の魔物は強い。


ライトやハクとは相性が悪く、苦戦する相手だ。


だが――ホイズには関係ない。


目の前では今日も絶好調で、


「フンガァァァッ!」


バキィィィン!!


木の魔物をへし折り、


「ホイサァァァ!」


メキャァァァ!!


胴体を真っ二つにしている。


もはや木こりではなく災害だ。


この調子なら第三十一階層どころか、その先も余裕で突破できそうに見える。


そんなことを考えながら進んでいると――


不意にホイズが呟いた。


「あちゃ〜。やっぱりまだ居るだ〜よ」


その視線の先。


そこには巨大な壁があった。


いや、壁だと思った。


木で出来たような曲面。


所々に入ったひび割れ。


階層全体を塞ぐような圧倒的な質量。


「……壁?」


ライトが首を傾げた次の瞬間。


ズズズ……


その壁が動いた。


「……は?」


「ライト様、それ壁じゃないだーよ」


ホイズが当然のように言う。


「すっごく大きいエンペラーツリーだーよ」


「エンペラーツリー?」


ライトは慌ててステータスを確認した。


ーーーーーーーーーーー

名前:なし


レベル:151


ジョブ:エンペラーツリーLv.34


熟練度:

しなる枝Lv.21

固まる樹液Lv.16

鋭い葉Lv.18


特性:

怠け者

突然変異

自己防衛

ーーーーーーーーーーー


「レベル百五十一ぃ!?」


思わず叫んだ。


今まで遭遇した魔物の中でも頭一つ抜けている。

いや、頭一つどころではない。


比較対象が可愛く見えるレベルだ。


「コイツ、ほとんど動かないだども、通路の前を塞いでるだーよ」


ホイズが指差す。


よく見ると巨大樹の向こう側に、確かに次の階層へ続く通路が見える。


つまり――

こいつをどうにかしない限り先へ進めない。


「前に来た時も邪魔だっただーよ」


「どうしたんだ?」


「頑張っただども倒せなかっただーよ」


なるほど。

だから第三十一階層止まりなのか。


……と思った直後。


「途中で腹減ったから帰っただーよ」


「そっちかよ!!」


思わず全力でツッコんだ。


だが笑っている余裕はすぐ消えた。


改めてエンペラーツリーを見上げる。


デカい。


とにかくデカい。


もはや山だ。


木というより地形。


「あのさ……ちなみにベイルとかアローラは?」


「二人も先には行けなかっただーよ」


「…………」


終わった。


完全に終わった。


剣でどうにもならない。


魔法でもどうにもならない。


ホイズですら突破できない。


魔王軍幹部三人が揃って無理だった相手だ。

どう考えても詰みである。


(いや、待て……)


ライトは頭を回転させる。


諦めるには早い。

前世知識を総動員しろ。


木だ。


木には弱点があるはずだ。


まず火。


却下。


燃えるだろうが、あまりにもデカすぎる。

森全体が火事になる可能性がある。

こんな所で火に囲まれたら、良くても一酸化炭素中毒て死亡といった流れだろう。



次。


水。


根腐れ。


理論上はいける。


だがこのサイズを腐らせるには何年かかる?


水路工事?


却下。


手間がエグい。

現実的ではない。


除草剤?


そんな便利なものは無い。


他には……


木の弱点……


木……


木……


木……


そして。


ライトの脳裏に一つの光景が浮かんだ。


前世で見たニュース。

木が虫に食われて枯れる映像。

シロアリ被害でボロボロになった家。


虫害。


その瞬間、ライトの目が見開かれた。


「あっ!」


「だす?」


「虫だ!!」


「虫?」


「虫に食わせるんだよ!」


ホイズがきょとんとする。


だがライトは確信していた。

巨大な家ですら崩壊させる。

ならば巨大な木もいけるはずだ。


問題は虫がいないこと。


……いや。


いる。


見た。


つい数時間前に。


第十五〜十九階層。


あの大量の巨大アリだ。


あいつらが木を食う保証はない。


だが――

やる価値はある。


数千、数万単位で群がれば、嫌でも動くはずだ。


「ハク!ホイズ!」


ライトはニヤリと笑った。


「一旦戻るぞ!」


「諦めるだすか?」


「ワフン?」


「違う」


ライトは自信満々に指を立てる。


「今から援軍を連れてくる」


そう言って踵を返した。


目指すは第十九階層。


大量のアリ型魔物が待つ巣穴。


巨大樹攻略作戦――

その第一歩が、今始まろうとしていた。

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