表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の息子に転生したら育ての親が魔王でした~最強に育って無双します~  作者: ララ
第一章 転生…そして幼少期編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/125

第1話 転生案内係

初めての作品で、手探りで執筆しておりますので内容において、度々改変などがされております。

ご不便をお掛け致しますが、温かい目でご覧頂けると幸いです。

『もしもーし! 起きてくださーい!』


知らない女性の声が聞こえた。


俺はゆっくりと目を開く。


目の前には、薄いピンク色のツインテールを揺らした美しい女性がいた。背中には白い羽。どう見ても天使だ。


……いや、天使というよりコスプレイヤー?


『ん……? 俺は確か階段から落ちて――』


『はい~。死にましたね~』


おっとりとした口調で、あっさり死を宣告された。


『いや、そんな軽い感じで言われても……』


しかし不思議と動揺はなかった。


体の痛みも疲労感もない。


長年悩まされていた肩こりも腰痛も消えている。


むしろ人生で一番コンディションがいい。


階段から落ちたら健康体になりました――なんて詐欺広告みたいな話があるわけもない。


だからこそ、俺は自分が死んだのだと納得できた。


『ていうか、ここどこですか?』


周囲を見回す。


真っ白な空間。


そして並んだカウンター。


どこか見覚えがあると思ったら、市役所の受付によく似ていた。


『ここは天国の転生受付係です~』


『……は?』


『転生受付です~』


満面の笑みで言われた。


『転生って、あの漫画とかラノベに出てくる?』


『まんが? らのべ? は分かりませんが、三神さんは転生候補者に当選しました~』


当選。


その言葉に少しだけ胸が高鳴る。


転生モノは好きだった。


まさか自分がその立場になるとは思わなかったが。


『あっ、自己紹介がまだでしたね~。私は転生案内係のラフィーユと申します~』


『ご丁寧にどうも』


反射的に頭を下げてしまう。


サラリーマン時代の習性は死んでも抜けないらしい。


『ちなみに、死んだ人はみんな転生するんですか?』


『いえいえ~。特別に選ばれた方だけですよ~』


『おぉ……特別な人間』


その響きだけで少し嬉しくなる。


単純だとは思う。


だが男という生き物は「選ばれし存在」に弱いのだ。


『それでは早速、転生先を選んでいただきます~』


ラフィーユが一枚のボードを差し出した。


【転生先候補】


・異世界の初期村付近にいるゴブリン

・異世界のデカいバッタ

・異世界の川を流れる流木

・異世界の畑を耕す牛

・異世界の勇者の子供


『勇者の子供で』


即答だった。


『もう少し考えませんか~?』


『いや、勇者の子供で』


『説明だけでも聞いてください~』


そこからラフィーユによる候補紹介が始まった。


ゴブリンはゴブリンキングの息子。


バッタは成長すると三十メートル級。


流木は世界樹の枝。


牛はミノタウロスに進化可能。


どれも説明だけ聞けば凄そうだった。


だが結論は変わらない。


ゴブリンはゴブリン


バッタはバッタ


流木は木


牛は牛だ。


『最後は勇者のお子さんです~』


『おぉ』


『勇者と聖女の間に生まれた子供ですが、とある事情で親元を離れています~』


『……以上?』


『以上です~』


説明が雑だった。


圧倒的に雑だった。


むしろ選ばせたくないという意思すら感じる。


だが、それでも。


勇者の子供。


その肩書きだけで他を圧倒していた。


『やっぱり勇者の子供で』


しばし沈黙。


ラフィーユは露骨に困った顔をした。


『はぁ……分かりました~。異世界の勇者の子供への転生を承認します~』


勝った。


何に勝ったのか分からないが勝った気がした。


『転生後にやるべきこととかあります? 魔王討伐とか世界救済とか』


『特にありませんよ~。お好きなように生きてください~』


『自由すぎるな……』


『それでは行ってらっしゃ~い!』


ラフィーユが手を振る。


次の瞬間、俺の体は光に包まれた。


意識が遠ざかる。


そして――。



『よし、転生完了っと』


ラフィーユは小さく息を吐いた。


『やっぱり勇者の子供を選んじゃった~』


本来、案内係には転生先の不利益情報を伝えてはいけない規則がある。


だから彼女は何も言わなかった。


言えなかった。


『今回の勇者の子供、かなり訳ありなんだけどな~』


ラフィーユは苦笑する。


『世界の敵にならなきゃいいけど~』


そう呟きながら、彼女は次の転生者の書類へと手を伸ばした。


これから始まるのは、勇者の子供として生まれた一人の少年の物語。


――そして、世界を大きく揺るがす波乱の人生の始まりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ