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勇者の息子に転生したら育ての親が魔王でした~最強に育って無双します~  作者: ララ
第三章 レガリア編

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第133話 聖魔王と炎獣神

――ドラムガルド公国。


王都アイゼンベルグ。


その地下深くに築かれた王宮・玉座の間では、今も激しい戦闘が続いていた。


「――――来るぞ!!」


ズズズズズズズ……


地面が大きく震える。


「――――大地よ!!」


ドゴォォォォォン!!


床から巨大な岩柱が突き出した。


「うおおおおおっ!!」


離反した兵士たちが吹き飛ばされる。


「な、なんだこの力は……!」


「これが……土のレガリア……!」


「奴は本当に、レガリアを完全に使いこなしているのか!?」


王宮内部。


その中心に立っているのは――


新たなドワーフ王。


バルグリム・ドラムガルド。


「…………」


荒い息を吐きながら、拳を握る。


その身体からは、大地そのものを思わせる巨大な魔力が溢れ出していた。


「はぁ……はぁ……」


だが、敵の数は多い。


「陛下!」


一人の忠臣が叫ぶ。


「このままでは持ちません!」


「分かっている!」


バルグリムは周囲を見る。


かつて自分と共に国を支えていた者達。


その中には、今や敵となった者もいる。


「…………」


「どうして……」


バルグリムは呟く。


「どうして、そこまで王位にこだわる……」


答えは返ってこない。


ただ。


「殺せ!!」


「新王を捕らえろ!!」


「王子殿下を玉座へ!!」


怒号だけが響く。


バルグリムは歯を食いしばった。


「……くだらねぇ」


そして。


両手を地面へ叩きつける。


「――――砕けろ!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!


王宮全体が揺れた。


大地が隆起し、巨大な岩塊が敵兵を押し返していく。


「うわあああああ!!」


「退け!!」


「退けぇぇ!!」


バルグリムはその隙に前へ出る。


「この国は……」


拳を握る。


「俺が守る!!」



――――その時……王宮の外。


一人の兵士が空を見上げた。


「何だ?」


「…………」


遠く……王都の遥か上空。


「――――ッ!!」


二つの光が猛烈な速度で飛翔していた。


「ライト!」


「見えてる!」


ライトは前方を睨む。


巨大な山脈……その内部から、黒煙が噴き出している。


「あそこだ!降りるぞ!」


「わかった!」


――――王宮前


戦火が広がる中、王宮の前へと二つの光が近づいてくる。


一つは白と黒……二筋の光。


もう一つは紅蓮の炎のような……


「…………」


「何だ、あれは……?」


次の瞬間。


ズドォォォォン!!


空から漆黒と白銀の翼が舞い降りる。


続いて燃え盛る業火が王宮前へ降り立った。


「――――ッ!!」


地面が大きく抉れる。


煙が晴れる。


そこに立っていたのは――


ライト……そして、リオネ


「…………」


ライトは周囲を見渡す。


燃え上がる街。


崩壊した城壁。


倒れているドワーフ達。


「…………」


その表情から笑みが消える。


「やっぱり……」


ライトは呟いた。


「もう始まってる」


「うん……」


リオネも大剣を握る。


「急ごう!」


「ああ!」


二人は王宮へ向かって駆け出す。


「――――止まれ!!」


敵兵が立ちはだかる。


「アストリア王国に逆らう者は――」


その瞬間。


ヒュンッ!!


ライトの姿が消えた。


「――――ッ!?」


残像だけを残して敵陣を駆け抜ける。


次の瞬間。


ドゴッ!!


複数の兵士が壁へ叩きつけられる。


「なっ……!」


「速すぎる……!」


そして、ライトはそのまま走り抜ける。


「リオネ!」


「任せて!すぐに後を追うわ!」


リオネの身体から炎が噴き出す。


「――――獣神化!!」


ゴォォォォォッ!!


紅蓮の炎が周囲を包む。


「うわああああ!!」


「炎だ!!」


「退けぇぇ!!」


二人は敵兵の包囲を一気に突破していく。



――王宮内部。


「――――ぐっ!!」


バルグリムの身体が吹き飛んだ。


ドゴォン!!


壁へ叩きつけられる。


「陛下!!」


「来るな!!」


バルグリムは立ち上がる。


「俺一人で……!」


その前に。


一人の男が立っていた。


「……しぶといな」


先ほどの第一王子。


その周囲には、離反した家臣達。


そして。


「終わりだ」


王子が剣を構える。


「その力さえなければ……お前など、ただの平民だ」


「…………」


バルグリムは睨み返す。


「だったら……」


ゆっくりと拳を握る。


「力がある俺が王で何が悪い?」


「…………!」


王子の顔が歪む。


「黙れ!!」


「――――殺せ!!」


兵士達が一斉に襲いかかる。


その瞬間。


「――――待て!!」


玉座の間に轟く声。


全員が振り返った。


「…………」


王宮の大扉。


そこに。


白と黒の翼を広げた少年が立っていた。


「…………誰だ?」


バルグリムが目を細める。


その後ろには炎を纏う少女。


「…………」


リオネが大剣を構える。


ライトは周囲を見渡した。


そして。


土の力を纏う男を見る。


「あなたが……ドラムガルドの新王?」


「…………」


バルグリムは警戒したまま答える。


「そうだ」


「俺はライト」


「ライト……?」


「アルヴァニア王国のレオガルド陛下から、あなたを救援するよう頼まれて来ました」


「…………」


バルグリムの目が見開かれる。


「アルヴァニアから……?」


「はい」


ライトは頷く。


「話は後です」


その瞳が敵へ向く。


「まずは、この状況を終わらせましょう」


リオネが隣で笑う。


「そういうこと!」


バルグリムは二人を見つめる。


初めて見る少年。


そして炎を纏う少女。


「…………」


「お前達……何者なんだ?」


ライトは少しだけ笑った。


「それも後で」


「今は――」


翼が大きく広がる。


「この国の王を守ります」


「…………」


バルグリムは目を見開く。


「この国の……王……」


その言葉を。


自分が王になってから、誰かにそう呼ばれたことはなかった。


そして。


「……面白い奴だな」


小さく笑った。


「分かった」


バルグリムも拳を握る。


「なら、俺も戦う……この国の王だからな」


「…………」


ライトは頷く。


「それなら――」


「三人で行きましょう」


「うん!」


リオネが炎を燃え上がらせる。


「行くよ!」


「おう!!」


バルグリムの背後から大地が噴き上がる。


「――――土のレガリア!!」


ゴゴゴゴゴゴゴ!!


巨大な岩塊が形成される。


ライトの翼が開く。


「――――堕天化」


白と黒の魔力が爆発する。


そして。


リオネの身体から紅蓮の炎が舞い上がる。


「――――獣神化!!」


三つの力が。


王宮を満たした。


「な……」


「なんだ、この魔力は……」


敵兵達が怯える。


「三人とも……化け物か!?」


ライトが静かに言う。


「行くぞ」


次の瞬間。


三人が同時に動いた。

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