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勇者の息子に転生したら育ての親が魔王でした~最強に育って無双します~  作者: ララ
覚醒編

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第122話 アルヴァニア国王との謁見

ライトの絶叫がアルヴァニア王都に響いてから数十分後……


アルヴァニア王宮。


「…………」


ライトは、巨大な玉座の間に立っていた。


「…………」


そして、隣にはリオネ。


「…………」


ライトは思った……

――どうしてこうなった。


ほんの少し前まで、ただ修行のために獣人国へ来ただけだった。


それが……


決闘


勝利


そして


「結婚」


「…………」


ライトはもう一度考える

――どうしてこうなった。


「おじい様!」


リオネが叫ぶ。


視線の先の玉座には一人の老人

獣人国アルヴァニア王国国王レオガルド・アルヴァニア


「お帰り、リオネ」


「ただいま!」


「…………」


国王の視線がライトへ向く。


「して……そちらが?」


「うん!」


リオネはライトの腕に抱きつく。


「私の未来の夫!」


「違います」


即答。


「…………」


国王の眉が動く。


「…………」


「未来の夫?」


「違います」


「私が決めたの!」


「勝手に決めるな!」


「ほら!」


リオネは国王を見る。


「もう夫婦みたいでしょ?」


「どこが!?」


ライトが叫ぶ。


国王は……


「…………」


しばらく二人を見つめた。


そして


「……ふっ」


笑った。


「お前……」


「何?」


「面白い男を連れてきたな」


「でしょ!」


「だから違います!」


ライトの叫び声が玉座の間に響く。



「さて……」


国王は改めてライトを見る。


「名を聞こう」


ライトは姿勢を正した。


「ライトです」


「姓は?」


「…………」


一瞬、ライトは言葉を止めた。


「…………」


名前をこの国で明かすべきか、一瞬だけ迷った。


「ライト・グランフェル」


「…………」


玉座の間の空気が。


僅かに変わった。


「グランフェル……?」


国王の目が鋭くなる。


「魔王と同じ性だな」


「…………」


「関係は?」


「…………」


ライトは答えなかった。


その沈黙を。


リオネが不思議そうに見る。


「ライト?」


「…………」


やがて。


ライトは静かに答えた。


「……俺の育ての親は、魔王ガルスです」


「魔王の子とな!」


「はい、実の父親は勇者アレンですが……」


「…………」


玉座の間。


完全な静寂。


「…………」


「…………」


少しの間をおいて、国王の瞳が見開かれる。


「魔王ガルスが養父で、実の父親が勇者……アレン?」


「はい」


「…………」


「…………」


リオネとレオガルドが目を丸くする。


「え?」


「ちょっと待って、ライトのお父さんって……勇者なの!?」


「うん」


「それで、魔王に育てられたの?」


「うん」


「初めて聞いた!」


「言ってないからね」


「何で言わないの!?」


「聞かれてないし」


「…………」


リオネは考える。


「…………」


そして。


「じゃあ!」


「あなたって……勇者と魔王の息子!?」


「そうだけど」


「…………」


リオネの目が輝いた。


「すごい!!」


「そこ?」


「勇者と魔王の息子と私は結婚するの!?」


「だから結婚しないって!」


「おじい様!」


リオネが国王を見る。


「私、勇者と魔王の息子と結婚するわ!」


「だからしないって!」


国王は……


「…………」


「…………」


「…………」


しばらく沈黙した後。


「……リオネ」


「何?」


「お前は少し黙っていなさい」


「え?」


国王の視線がライトへ戻る。


その表情から、先ほどまでの笑みが消えていた。


「ライト殿」


「はい」


「勇者アレンの息子だというのは……」


「本当です」


「…………」


国王はゆっくりと立ち上がった。


「では……なぜお前は、勇者ではなく魔王と同じ性を名乗る……」


ライトの瞳が真っ直ぐ国王を見つめる。


「魔王ガルスが俺の父親で家族だからです」


「…………」


ライトは息を吐いた。


そして……


「…………」


「一応」


リオネが首を傾げる。


「一応?」


ライトは言った。


「俺は……」


「現在、魔王国の魔王代行です」


「…………」


「…………」


「…………」


リオネが固まった。


国王も


側近も


その場にいた全員が


「…………」


「…………」


「…………」


沈黙


「…………え?」


最初に声を出したのは、リオネだった。


「魔王……?魔王代行」


「…………」


「魔王国の?」


「そう」


「…………」


「…………」


「…………」


リオネの目が。


ゆっくりとライトへ向く。


「…………」


そして


「あなた……」


「うん」


「魔王なの?」


「だから魔王代行だって」


「魔王国の?」


「そう」


「…………」


リオネが。


ゆっくりと。


ライトの腕を掴んだ。


「…………」


「何?」


「…………」


「リオネ?」


「……すごい」


「…………」


「すごすぎる!」


「え?」


リオネの目が輝いた。


「勇者の息子で!」


「魔王国の魔王代行で!」


「私より強くて!」


「しかも銀髪碧眼の超絶美男子!」


ライトは、嫌な予感がした。


「…………」


「やっぱり結婚する!」


「しない!!」


「するの!」


「しない!」


「する!」


「しないって!」


「絶対する!」


「何でだよ!!」


「だって!」


リオネはライトを指差す。


「こんな人、絶対に逃がしたくないもの!」


「俺は獲物か!?」


「そうよ!」


「認めるな!!」



しかし、その騒ぎの中、国王だけは一人笑っていなかった。


「…………」


魔王の養子


勇者の息子


魔王代行


そして……光と闇の力


あの戦いで感じた二つの異なる魔力。


国王は静かに目を閉じる。


「……やはり」


「…………」


「レガリアか」


その言葉にライトの表情が変わった。


「…………」


リオネが首を傾げる。


「おじい様?」


国王はライトを見つめる。


「ライト殿」


「…………」


「一つ聞きたい」


「何でしょう?」


「お前は……」


国王は静かに問いかけた。


「光と闇のレガリアについて、何を知っている?」


「…………」


ライトの瞳が細くなる。


「…………」


その瞬間、ライトは理解した。


――この国王は何かを知っている。


自分が求めている「レガリア」の秘密を。


そして、この獣人国へ来たことは、ただの修行の旅では終わらない。


そんな予感がした。


ライトは静かに答える。


「俺の知っていることなら……全部話します」


国王は頷いた。


「そうか」


そして


「ならば……」


その目が鋭くなる。


「まずは、お前が何者なのか」


「そして……なぜ、光と闇の力を宿しているのか」


「それを話してもらおう」


「…………」


ライトは頷く。


「分かりました」


だが。


その隣では、リオネがライトの腕を、ぎゅうっと強く抱きしめていた。


「…………」


ライトが横を見る。


「……何してるの?」


「何って?」


「腕」


「婚約者らしくしてるのよ」


「婚約してない」


「これからするの」


「しない」


「するの」


「…………」


ライトは遠い目をした。


――修行の旅


――獣人国


――レガリアの秘密


そして


「結婚」


「…………」


ライトは思った。


――どうしてこうなった


その一方、国王は静かに笑っていた。


勇者の息子


魔王代行


光と闇のレガリア


そして、王国とツヴァイス神聖国が狙う存在。


この少年が、獣人国を訪れたことは決して偶然ではない。


やがて来る人族と獣人族、魔族とエルフ。

そして世界全体を巻き込む戦い。


その戦いに備えるため。


国王は決意する。


この少年を、この国の敵にはしない。


「……リオネ」


「何?」


「…………」


国王は孫娘を見る。


「お前が選んだ男か」


「うん!」


「だから違います」


「ふっ……」


国王は苦笑する。


「そうか」


そして。


「ならば……」


その瞳に。


王としての覚悟が宿った。


「歓迎しよう」


「魔王国の魔王代行ライト・グランフェル」


「…………」


ライトは静かに頭を下げる。


「ありがとうございます」


その隣で。


リオネが満面の笑みを浮かべる。


「おじい様!」


「何だ?」


「じゃあ、結婚式はいつにする!?」


「しない!!」


またしても、玉座の間にライトの絶叫が響き渡った。


――こうして


勇者の息子に転生した少年は、獣人国アルヴァニアの王宮へと迎え入れられた。


修行の旅のはずだった。


誰にも迷惑をかけず。


一人で強くなるはずだった。


しかしライトの旅は開始早々


「獣人国」「おてんば王女」そして「結婚騒動」


という予想もしなかった方向へと進み始めていた。


そしてライトはまだ知らない。


この出会いが、やがて自分が「一人で強くなる」という考えを捨てる大きなきっかけになることを。


――そして

リオネ・アルヴァニアという少女が、後にライトにとってかけがえのない「仲間」の一人となることを。

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