第10話 明かされた真実
初めての作品で、手探りで執筆しておりますので内容において、度々改変などがされております。
ご不便をお掛け致しますが、温かい目でご覧頂けると幸いです。
真実….
ライトには、魔王達が自分に隠し事をしていると感じる事が度々あった。
何故勇者の子供である自分が魔王の国にいるのか?
また、勇者と聖女である実の父と母の行方….
そして、城の外に出てはならないと言われる理由。
今、正にベイルが話そうとしている真実にその答えがあるのかもしれない….
そんなことを考えている俺にベイルは話を続ける。
『先程アローラからお話しさせて頂いた通り、今回我々と相対した敵はアストリア王国軍です』
『そして、アストリア王国は勇者アレンの祖国であり、今回の侵攻の目的は勇者の子である、ライト様を取り戻す事です....』
『俺を取り戻す??そんな事の為に奴らは皆んなを傷つけたのか!!元々俺は奴らの所有物じゃない!ましてや助けて欲しいなんて思ってない!!』
ライトは余計なお世話だと憤慨した。
『しかし、アストリア王国は、ただ純粋にライト様の救出を目的としている訳ではないようです....』
『どういうこと?』
『本当の狙いはライト様のお力です...』
『俺の力??』
『ライト様は勇者アレンと聖女エレナの間に生まれた子。常人には持ち得ない高い神聖力をお持ちだと王国は考えたようです....』
『例えば本当に俺が高い神聖力を持っていたとして、それを何に使うつもりなんだろう....?』
まぁ理由は何であれこんな事をした王国には何を頼まれても協力するつもりはない。
『正確な理由は分かりませんが、魔王様は何かにお気付きだったようで、絶対にライト様を王国に渡してはいけないと、常々仰られていました』
『だから、父ちゃんは俺に城から出てはいけないって言ってたの?』
『はい、どこで誰に見られるか分からない...もしかしたら何かの方法で探知されるかもしれないと、信用出来る者達しかいない城内に特殊な結界を張り、ライト様をお護りしておられました....』
『なるほど、そんな理由があったのか….』
『はい、魔王様はライト様がこの事を知れば、きっと魔王国とアストリア王国の戦いを避ける為に、王国に下る決断をされるとお考えになり、ライト様には訳を話さずに城内に止めるようにと我々に命じられました。魔王様はライト様を本当に大切に想ってらっしゃいましたので....』
『......』
たしかに理由を知ったら、そうしたかもしれない....
父ちゃんは分かった上で隠してたのか....敵わないな....
『でも、父ちゃんは何でそこまでして俺をアストリア王国に渡してはいけないと思ったのか....』
一つ謎が解けるとまた一つ謎が増える....
『それは勇者一行がアストリア王国から戻らなかった事が理由のようです』
『勇者が戻らなかった?』
『はい....元々勇者一行はライト様がお生まれになった時は、魔王国で暮らしておりました』
『ここに住んでたの!?勇者が?魔王国で??』
行方不明の父と母が魔王国で暮らしていた事実を知り、驚くライト。
『はい....それを語るには少し長い昔話をせねばなりません....』
そこから、ベイルは勇者達が魔王国で暮らすようになった経緯を話し出す....
『今から11年程前、アストリア王国では魔物による人族の被害が増えており、原因は魔王に有ると国王のアストリアⅣ世は魔王の討伐を勇者アレンとその仲間に命じました』
『.......』
話を聞きながら、俺は勇者と魔王の因果はどこの世界においても似たようなものなのだろうと考える。
国王が勇者に命じ、仲間達と共に魔王討伐の旅に出る...ありふれた話だ。
前世でプレイしたRPGでも物語の冒頭にはよくある演出だった。
その時は、王様の言う事を疑いもせずに魔王は悪い奴だと決めつけて旅立ったものだ。
今思えば、自分では倒せないからと力ある者に頼り切る姿勢は、某猫型ロボットアニメのスネ○みたいなものだ。
更にベイルの話は続く....
『その後、魔王国に乗り込んで来た勇者アレンと国をお護りになられていた魔王様は対峙され、やがて激しい戦いとなりました....』
『凄まじい魔法と剣技の応酬が続き、勇者の仲間達が一人また一人と倒れ、戦況は魔王様に傾いていきました』
『しかし、そんな戦いの中で、何度も殺せそうな状況であっても、魔王様は勇者とその仲間達を決して殺そうとはしませんでした』
『そして、魔王様と勇者だけがその場に立ち、お互いに満身創痍の状態となった頃、魔王様は勇者から戦いを止める提案を受けたのです….』
『勇者が戦いを辞めた??』
『はい、停戦の理由は自分達が魔王国を滅ぼさねばならない理由がなくなったというものでした』
『勇者は我々魔王国の魔族と戦う際に、ある違和感を感じていたと言います。それまで、国王からは魔王国は諸悪の根源と言われ、魔族や魔物は悪でしかない、殺すしかないと常々教えられてきたそうです。ところが実際に戦ってみると、そんな悪意は感じなかった….他で戦った魔物達とは明らかに違っていたと….』
『父ちゃんには人族に危害を加える考えはなかったんでしょ?』
『はい、現に我々は他の大陸で人族を襲う魔物達とは無関係で、他種族への侵略も殺戮も行っておらず、勇者が向かってくるから迎え撃つという理由で戦っていただけでしたので....』
『そして勇者は魔王様と戦い、自分達が魔王国を只々侵略しているだけではないのか?という疑念が確信に変わったと我々に語り、謝罪をしたいと言いだしました』
『魔王様はその勇者からの停戦提案と謝罪を快く受け入れ、アストリア王国に深い疑念を抱いていた彼等を魔王国に迎え入れたのです。そして丁度その少し後にライト様はお生まれになりました。』
『なるほど、アストリア王国からすると勇者が裏切ったような形になっているのか....』
まぁ、国王も嘘をついていたようだから自業自得だがな...とライトは考える
『はい、そのようです....』
『じゃあ勇者一行は、何故もうこの国にいないの?』
『それはこの国と貴方様を守る為です....』
ベイルはそう告げると、ここで小さく息を吐いた....
『また俺の為か....』
ライトはまた俺なのかと、小さく溜息をつく




