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白金(しろがね)の魔術師 もふもふ神獣との異世界旅  作者: そぼろごはん
第十二章 セレンシアダンジョン編
543/545

543 セレンシアダンジョン 6階&スーリアの初参戦

6階は海の階。ボスはクラーケン。たまに海岸の崖にワイバーンがいる。

『やっとワイバーンか!』

「たまーに崖にいるくらいらしいけどね。」

『索敵しろ。俺が仕留める!』

シンハはやる気十分だ。


「えーと。近くにはいないなあ。北に少し崖沿いに行くと、反応があるね。」

などと説明しながら、僕はシンハとフライで移動。

『お、あれだな。』

と言うが早いか、シンハがウインドエッジを発動。

ザシュッと首を刎ねて小型ワイバーンは首と胴体が海へと落下。

「おっと。回収。ふう。間に合った。」

波に接触する直前に、僕が亜空間収納に回収した。

「塩づけになるところだった。」

『それもよいではないか。』

「まったくもう。空中での回収は、結構技術が必要なんだぞ。」

『まあ怒るな。美味いワイバーンが獲れたのだから。次、行くぞ!』

「あ、待ってよう!」

やる気満々のシンハを追って、僕もフライで続いた。


それから2時間くらいだろうか。

崖で休憩していたり、巣の周りを飛び回っていたワイバーンを、シンハがひとりで狩り続けた。風魔法を使ったりもするが、大抵は空中で一騎打ちを挑み、かみ殺している。僕は回収と収納に徹した。まったく。ワイバーンより空中戦がうまくなっているとは。

黒龍戦の頃と比べると、シンハも相当に成長しているということだ。


『今何匹だ?』

息も上がらず、べろりと口の周りに着いたワイバーンの血を舐めながら尋ねた。

「えーと。今ので35匹。」

『もう少し欲しいな。』

「いやいや、これ以上は乱獲だから。いやもう十分乱獲だから。次はクラーケン狩りだよ。」

『むう。仕方ない。』

「少し休憩して、それからまたフライで海上を飛ぶからね。

「長時間ならお前にフライは任せる。」

魔力を使いたくないということだ。

「わかった。まずは休憩ね。」


狩りのご褒美に、今狩ったばかりの一頭を亜空間収納内でマッハで下ごしらえし、焼き肉にして振る舞った。

大きな骨付き肉に、かぶりつくシンハ。ゴキゲンで尻尾が無意識にブンブン振られている。

その隙にふと思いついてシンハを鑑定すると、称号に「ワイバーンの天敵」というのが付いていた。さもありなん、だよね。


その後のクラーケン狩りは、僕が電撃でクラーケンを麻痺させ、シンハが風魔法で足を切り飛ばしたりして、短時間で始末した。

せっかくなので、ほかにも魚系魔物をアラクネ製の網で大量に捕獲した。

浜辺に戻ってきたら、浜辺に大きなカニの魔物「ザラトーシス」が居たので、これもゲット。

「しばらく海鮮料理が楽しめるな!」

僕はるんるんだ。

今度、カニ入りパエリアを作ろうっと!


6階を制覇したので、ひとまず帰ることにする。

そのままセーフティーゾーンで寝ても良かったのだが、結構他のパーティーも居たので、家に戻ることにしたのだ。


帰ってみると、珍しくスーリアが拗ねていた。

「ぴっきゅ!ぷう!(パパもママも嫌い!ぷう!)」

眠っている間に置いてけぼりされたのが原因らしい。

さすがにダンジョン内では、外界と通信するのも魔力内にテレポートさせるのも出来なかった。

『連れて行ったらいい。』

「えー、でも今日より強い奴らがいる階層だよ。」

『仮にも古代龍の末裔なんだ。少しずつ狩りも覚えないとな。過保護は良くないぞ。』

「…。わかった。」

「ぴっきゃう!(やったあ!)」


「シルルはどうする?」

「あちしは家でお仕事してましゅ。」

とさばさばしたものだ。

「明日は畑と温室の手入れで忙しいでしゅ。」

あーそれな。温室も欲しくなって、庭に納屋くらいの大きさのものを作った。

中は拡張魔法で広げてある。シルルと相談し、試しにビニールハウス半分くらいの大きさにしてあるのだ。


「わかった。妖精たちにお手伝いしてもらって、よろしく頼むよ。」

「あちしに任せるでしゅ!」

ということで、グラントとグリューネたちと連絡をとって、明日はシルル隊長に庭のことをお願いした。妖精たちには先払いで魔力とクッキーをお渡ししておきました。


翌日、スーリアも連れて再びダンジョンへ。

7階からスタートだが、その前にスーリアに狩りの練習をさせようと、5階の草原階に飛んだ。

スーリアは僕の契約魔獣なので、「僕に属するもの」であるため、1階から始める必要はない。

僕が行った階までスキップ可能だ。

これが冒険者同士のパーティーの場合はそうはいかず、個人個人がちゃんと1階から踏破しないと一緒には行けないルールだ。


スーリアは光と火が使える。他の属性も使えそうだが、今のところ戦闘には火が中心になるだろう。此処は草原と森なので、周囲を火事にしないように、注意が必要だ。

対象を絞って使わせるのがコツである。


「(スーリア、わかるかい?あそこに魔狼がいる。倒せるかな?)」

「(きゃう。)」

中距離でファイアボールを命中させた。

ボフン!

青い炎だった。

ギャウ!

魔狼はもんどり打って転げ回るが、やがて動かなくなった。

「よし!よくやった!」

『ふむ。炎が青かったな。』

「高温の証拠だよ。すごいな!スーリア!」

と僕は大絶賛。

だがシンハが

『これではだめだ。まだまだだな。』

「最初にしては上出来だろ?」

『まあな。だが、毛皮が台無しだ。』

おいおい、初めての狩りなんだぞ。これでも素晴らしい成果じゃないか。

「まあね。火だと仕方ないよ。」

「きゃう…。」

スーリアがしょげる。


「でもほら、牙と爪は獲れたから、成果ありだよ。良かったね。」

とスーリアをなでる。

『サキ、お前なら火しか使えなかったら、どうやって狩る?』

「うーん。小さく凝縮して弾丸にして撃つ、かな。」

『やってみせてみろ。』


ということで、僕は通りかかった魔兎を狙った。

シュン!ピシュ!

指先から青い炎を出して、それを凝縮、回転させて、弾丸として発射。

魔兎は無言で昇天した。

眉間狙いで角のすぐ下に命中、貫通していた。



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