W 第一部 第二話 67
「よお、バカ弟子」
ぼさぼさ頭の男がマカミに向かって手を上げる
「ヤタガラスにケルベロス」
べデイの元まで駆け寄ったアーサーが二人へ剣先を向ける
「お前、どうしてここへ」
マカミもヤタガラスの方へ向く
「お前みたいな疑り深い奴が俺の言ったことを真に受けてたんでな」
「ちっ」
苦虫をかみつぶしたような顔でヤタガラスを睨みつける
「ということは」
べディが映像に映るヤタガラスを見る
ビリ、ビリリ
「ども、こんちわーす」
ぼさぼさ男の下から褐色の女が出てきた
「ラヴ」
「俺と同じ手を使ったわけか」
「あー、使わせてもらったぜ」
まあ、ロキみたいに中身まで俺そっくりとはいかねえけどな
アストラ会議場では、幹部たちがオーディンたちの動向を見ているたが、
「・・・・・・・・」
一人、ロキはラヴの方を黙ってみていた
あの様子からして、言動までまねるということはできなようですわね
だから、会議中もずっとヤタさんは黙ってたわけですか
相変わらず、油断も隙もないお方ですこと
「ふ」
それでも私のオーディン様には敵いませんけどね
ロキもオーディンたちの動向を見始めた
「ほほ、さすがにこの年にもなると長旅は答えるわい」
「ケルベロス」
ケルベロスがヘラクレスの元へ駆け寄る
「合図したら一目散に逃げろ」
「っ」
ケルベロスが誰にも聞かれないよう小声で話しかけると
「これで形勢逆転だな」
ヤタガラスが急に大きな声を上げた
「そっちは三人だがこっちは五人だ、どうするつもりだ」
「お前、頭悪いだろ」
「お前よりはいいがな」
会議場に緊張が走る
すると
ピー、ピー
警報音が鳴り響く
その瞬間
「何」
スプリンクラーが作動し、視界がよく見えなくなる
「きゃ」
その一瞬のすきにヘラクレスがヘラをお姫様抱っこして、ケルベロスと共にドアの方へ一目散に走った
「まて」
バン、バン、バン
アーサーとビャッコが追いかけようとしたが、ヤタガラスが発砲しそれを止める
「急げ」
ヘラクレスがドアを抜けるとすぐにヤタガラスが鍵をかけ、他の三人は会場の外に出ようとするが
「開かない」
「これは」
自動ドアが封鎖されていた
「ち、玄武の仕業か」




