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W  作者: maow
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W 第一部 第二話 26

優たちが観光に行った後、私たちは、アリサ大使の部屋に集まっていた

「はあ、なぜこうなるんだ」

「まあまあー」

「結構、似合ってるんじゃない」

秋は、アリサ大使の変装をしていた

今日の朝、春樹から連絡が入りアリサ大使の観光に付き合うことになったのだが、

もし、アリサ大使の外出が外に漏れたら、格好の的になる、背格好が似ていた秋

を身代わりにしているのである

本人は、髪を金色に染めたり、服のサイズ、特に胸、が気に食わないようだけど

胸のことを本人に言ったら国際問題になりそうだけど

でも、パッと見ただけではわからいぐらいのクオリティに仕上がっている

「どうも申し訳ありません、アリサ大使のわがままにみなさんを付き合わせてしまって」

ケインさんが申し訳なさそうに頭を下げてくる

「いいわよ、別に」

「そーそー」

「うちの優が世話になったんだ、これぐらいのことお安い御用だ」

アリサ大使のおかげで、優は元気になったのだ、仲間として、相棒として、お礼をするのは当然のこと、ケインさんにもアリサ大使にも謝られる必要はない

「ありがとうございます、では私は午後の会談の準備がありますので、失礼します」

そういうと、ケインさんは部屋を出る、恐らく会談をする場所へ行ったのだろう

「はーい」

冬華がケインさんに手を振る

ミーサさんはアリス大使の観光に同行中

さすがに、ミーサさんとケインさんのどちらかはアリサ大使についていかなければ、ということになり、同性のミーサさんがついていくことになった

「どおー、お姫様気分は」

「どうと言われてもな、似合うか」

「とってもー」

はっきりいって、お姫様そのものである

お姫様のご登場です、といわれて今の秋が出てくれば、疑うことなく信じる

「王子様は春樹かしら」

「な」

「きゃあー」

秋の顔は一瞬で真っ赤になっていた

優もそうだけど、なんか・・・いいわよね

昨日の夜のこともあって、少しは気にしてたけど、問題ないようね

「彩夏、お前」

彩夏が睨んでくるが、普段の気迫がなく、全く怖くない

「ごめん、ごめん、今頃、春樹は優と観光中ね」

だから、もう少しいじめることにする

「ん」

いつもの秋だとさらに睨んできそうだったけども、普通に落ち込んでしまう

あー、まずった

「もー、さいかー、いじめちゃだめだよー」

冬華がすかさずフォローしてくれる

ありがとう、冬華

「大丈夫だよー、アリサ大使もー、ミーサちゃんもー、ついてるからー」

「そ、そうだな」

「じ、じゃあ、しばらく外の見回りでもしてるわ」

ここは冬華に任せて、私は逃げ、じゃなくて見回りをしてくる

「わかった」

「さいかー、いってらっしゃーい」


ざっと、見まわってはみたものの

「といっても、不審者なんてそうそういないわよねえ」

不審者どころか、誰のも会わなかった

すると、後ろの方から足音が、振り返るとついさっき見たスーツの人がいた

よく見るとその人は歩きながら書類を見ていた

「あら、ケインさん」

「あー、彩夏さん、どうしたんですか」

ケインさんに話しかけられると、少しびっくりした様子で顔を上げた

「ちょっと、見回りを、ちゃんと前向かないと危ないわよ」

「はは、すいません」

ケインさんは少しばつが悪そうに笑っていた

「私は秋たちのところへ戻るけど、ケインさんは」

「僕も、会談の準備は整ったので秋さんの護衛に戻ろうかと」

「じゃあ、一緒に行きましょう」

「喜んで」

彩夏とケインは並んで歩きだす

ここで、ふと気になり、彩夏がケインに話しかける

「ケインさんって、アリサ大使のところで働いてもう何年ぐらいになるんですか」

「ざっと7年ぐらいですかね、ミーサは5年ぐらいだと思います、彩夏さんはシグナルに入って何年ぐらいですか」

てことは、意外ともう30ぐらいになってるのかしら、そういう風には見えないけど

ケインの外見はいいお家のお坊ちゃまという感じで、とても30代には見えなかった

「もう、3年ぐらいになるわね、警察入ってすぐシグナルに飛ばされたからね」

「へえ、秋さんも」

「いや、秋と春樹はシグナルに入ったのは同じ時期だけど、それまでに2年違う部署で働いていたから」

彩夏と優、冬華は同い年で、春樹と秋は2年先輩になる

「そうですか、どうりで秋さんは他の方より大人っぽく見えたので」

「私も十分な大人なんですけど」

昨日の露天風呂での一軒が脳裏をよぎり、とっさに胸を隠す

「はは、すいません」

「まあ、確かに、秋の方がお姫様に見えるわよね、私は・・・」

さっきの、アリサ大使の変装も私がやったら、恐らくコスプレ

「そうですか、私には、彩夏さんも十分お姫様に見えますよ」

「ふぇ、え、えっと」

ケインの言葉に彩夏が動揺していると

「おてんば姫に」

「な」

どうやら、からかわれたらしい

さっきの罰があたった

彩夏はしばらく黙って、頬を膨らませていた


もうすぐでアリサ大使の部屋というところで

「うわ」

慌てた冬華、肩を掴まれる

「え、ちょ、どうしたのよ冬華」

「来ちゃった」

「何が」

「シン国王」

「え、ええええええ」

彩夏の絶叫が旅館全体に響き渡っていた


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