↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うらめしちゃんはうらめしい!  作者: 花山 花
廃校の七不思議(元)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/43

4. 川沿い道の浮遊霊2


 一発目は潰されたが、まだこれからよ! とばかりに続けて三人ほど同じシチュエーションで驚かしてみたのだが、まぁ結果は散々だった。


『現代でも失われない人の温かさと、人の死すら無関心な現代人の冷たさを同時に見ることになったな……』


 驚かした四人のうち二人は、手すりの上に立つ私の姿を見つけると血相変えて駆け寄り、血まみれだと気づいた瞬間、即座に救急車を呼ぼうとした。

 首が千切れてたんだが、暗くて見えなかったか、動いてるから大怪我だけど生きてると判断したのかもしれない。

 あと二人とも相当慌てふためいてたから、怪我人だ! と判断した瞬間、他の考えが吹き飛んじゃった可能性もある。


 残りの二人は手すりの上に立っている私の姿を見たにも関わらず、自分には関係ないですとばかりに近寄りもしないで無視して歩いてった。

 まぁ今にも自殺しますってばかりの人間に関わり合いたくない気持ちもわかるよ、他人だしね……でも今にも死を選ぼうとしている人の姿を見て、その反応はあまりに冷たいんじゃなかろうか。


 まさかの自殺しようとする人間を見て無視する人間と、助けようとするあまり見るからに死体という状況を無視する人間しか出てこないとは。

 いや、もっと試してみたら私が望んだ反応をしてくれる人間も出てくるかもしれないが、さすがに救急車を呼ばれるかもしれないこの方法を試すのはちょっとあれだ。


『救命士さんにも119番した人にも迷惑かかるし、無駄に救急車を呼んでしまったせいで本当に怪我した人が助からなくて死んじゃう可能性もあるからなぁ……』


 いくら現世の法に縛られない幽霊でも、物理的に迷惑かかるようなことしちゃだめだと思うんだよね。

 よくあるタクシーに乗せて、目的地についたらいなくなっちゃう怪談も個人的にはアウト。

 あれ、普通に乗り逃げだからね。会社によるけど、乗り逃げされたら運転手さんの自腹になるんだよ。それがなくても他の正規のお客さん乗せる邪魔もしてるわけだし。

 恐怖を撒き散らすのは幽霊的にOKだけど、物理的な損害撒き散らすのは元人的にNG。


『工事現場はあんな大騒ぎにまでなっちゃったんだし、怪談話になれるポテンシャルは間違いなく持ってるはず……何がいけないんだ、なにが……!』


 いっそ他の幽霊がどうやって驚かしてるか知りたい。

 もしかしたらみんな、私がいたあの学校みたいな、自分の怪談が根付いた縄張りみたいなところにいるんだろうか。

 そうなると心霊話があるところにいかなきゃ先達には会えないわけだが……。


『他の幽霊に教えを乞うにも、幽霊がいる場所なんてわかんないしなぁ……街をうろうろしてたときも幽霊の先輩なんて出会わなかったし……』


 実は工事現場から情報求めて街に降りてきたとき、幽霊がいそうなところはすでに見て回った。

 いきなりの幽霊だったし、憑りついてたであろう学校は解体中だし、成仏の仕方もわからないし、「誰か詳しい人!!」と思って幽霊がいそうなところは一通り行ってみたが、悲しいことにと言うべきか幽霊と出会うことはなかった。

 世の中には怪談話がそれなりにあるんだから、街を歩けば二、三人くらい出会えそうなものだと思ったんだけど皆無である。


『記憶もないし情報収集もろくにできないのに、幽霊がいる場所なんて墓地や病院の定番以外わかるわけないし!』


 あとはいわゆるホラースポットとかに行けば会えるかもしれないが、盗み聞きか盗み見しかできない以上、ピンポイントでオカルトの話をしてる人と鉢合わせないとそんなの無理なわけで。

 記憶ないけど私そんな人と出会ったことないと思うな。往来の場でオカルトの話してる人や、わざわざ街中でオカルト本や動画見てるような人。


『……いや、でも方向性は、そう、間違ってない気がする。

 他の幽霊がどんな脅かし方してるか、どんな怪談が怖がられてるのか、現代の心霊界の流行を調べるのが近道でマスト! そんな気がする!!』


 まぁ、それで。じゃあどうやってそれを調べるのって話に結局なるわけなんだけど。


『うーん、幽霊、オカルトを見れる場所、聞ける場所、流行の……どっか……』


 ぐらぐら首を揺らし、はみ出た腸を人差し指でくるくる巻き付け、指遊びしながらうんうん唸る。

 痛くはないけど、見た目のグロさとぐらぐらびたびたぷらぷらする感覚は、いつまで経っても鬱陶しい。

 なんていうか、髪が目にかかるのに髪も切れないし、ヘアピンもないような鬱陶しさ。


『うん……?』


 胸元まで傾いた首を振り子のように勢い良くはねて元に戻したとき、それがぱっと視界に飛び込んできた。

 コンビニの扉に貼られたポスター。

 たぶんきっと生前でも良く見たような、視界に入っても意識に入らないような、よくあるもの。


《東京ワンダーランドご招待キャンペーン! ペアチケットを20組40名様にプレゼント!》


 ここはY県で東京なんて新幹線で何時間という遠い場所の話であり、私にはまったく関係ない場所だけど、いやでも幽霊ならもしかして入場無料で行けるし新幹線も飛行機も乗り放題なのか、ちょっと心惹かれるけどそれはさておき!


『遊園地……』


 生前の記憶はほとんどない私だが、それでも東京ワンダーランドが有名な遊園地だというのは覚えてる、

 そしてその遊園地にはアンデッドホテルというホラーアトラクションがあったことも。


『……遊園地!!』


 そうだ! 怖い場所のお手本ならここだ!

 遊園地のおばけ屋敷だ!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。