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17.「ルティレマノ王国王女レピュア」

「皆殺しですわぁぁあああああ! 民に仇為すモンスターどもは、全て!」


 深紅のドレスにティアラを被った可憐な少女が、その容姿に不釣り合いな巨大な戦斧をぶん回す。


「プギィッ!」


一匹のオークが垂直に一刀両断される。


「プギィッ!」


別のオークが水平に真っ二つにされた。


「プギィッ!」


 さらにまた別の個体が、袈裟斬りされて身体が二つに分離する。


「わたくしの民に害を為した罰ですわぁぁあああああ!」

「「「「「プギィッ!」」」」」


 あっという間にオークの群れは全滅した。


 ついでに、勢い余って森の木々が何本も薙ぎ倒されている。


「……スゲー……」


 もしかして、あのドレスの色が真っ赤なのって、返り血がついても目立たないように、っていう目的だったりするのかな……


「ふぅ。……って、あれ? 貴方たちは?」


 少女は、そこで漸く距離を置いて見守っている俺たちに気付いたのだった。


※―※―※


「わたくしはレピュア・フォン・ルティレマノですわ! ルティレマノ王国の王女ですわ!」

「!」


 マジか!

 すごい子と出会っちゃったよ。


 俺たちも自己紹介した後、レピュアに訊ねた。


「何でオークと戦ってたんだ?」

「そんなの決まっていますわ! だって、わたくしは民を愛していますもの!」


 どうやら、国民を傷付ける可能性があるオークを予め狩っていたらしい。


「ライさまたちは、冒険者とのことでしたが、旅をしておりますの?」


 俺は、旅の目的を告げた。


 ややこしいから空間転移させられたことは伏せたが、もしここが勝手に入り込んじゃ駄目な区域だとか言われたら、正直に話そう。


「何と! 魔王討伐とは、素晴らしいですわね! わたくしは愛する祖国のことばかり考えておりましたが、諸悪の根源を断てば良かったのですわね! 目から鱗ですわ! 是非とも、わたくしもお供させて下さいまし!」

「……へ?」


 え? マジで!?

 お姫さまが一緒に来るの!?

 いや、戦力としては十分だけど、王女さまと一緒に魔王討伐って、色々大丈夫?


「姫さま! 探しましたですじゃ! またこんなところにお一人で!」

「爺や!」


 と、そこに、燕尾服に身を包んだ白髪の老執事がやってきた。


「爺や、わたくし決めましたわ! この方々と一緒に魔王討伐の旅に出ますわ!」

「何を血迷ったことを言っていますのじゃ!? 我が国の正当なる王位継承者である自覚がおありですかのう?」

「え? 駄目ですの?」

「駄目に決まっているですじゃ!」

「しょぼーん……」


 「では、王城に戻りますじゃ!」と言う老執事に引き摺られるレピュア。


「ライさま、ソティさま、エルラさま、ファラティアさま! 国家どころか世界を丸ごとお救いになろうとする貴方たちと出会えて光栄でしたわ! 戦う場所は違えど、皆が笑顔で暮らせる世界にしたいという想いは同じ! わたくしたちは同志ですわ! 同志ですわぁぁあああああ! 御武運を祈っておりますわぁぁあああああ!」


 アツい! アツい王女さまだよ、レピュア!

 あんな良い子、絶対めちゃくちゃ良い女王さまになるに決まってるじゃん!


「嵐みたいな子だったわね……」

「ハッ! 王族にもあんな子がいるんだね」


 圧倒された様子のソティと、面白い女に出会ったとばかりに口角を上げるエルラ。


 ん? 何かファラ、静かじゃね?


 そう思ってファラティアを見ると。


「ああぁぁああああああああああああ!」

「「「!?」」」


 突如、ファラティアの全身が炎そのものに変化した。

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