「中華民族」という話
# 「中華民族」という話
「民族団結進歩促進法」(中国語: 中华人民共和国民族团结进步促进法)が、2026年7月1日に施行されます。
中華人民共和国の法律ですが、中国国内だけでなく、域外適用もなされます。
域外は国外ですから、外国人にも適用されます。
少し考えてみましょう。
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###### 「という話」について
「という話」は、現実の事象や事件・事故を背景にした「虚構の推理」による考察です。#思考実験
事実と異なる内容であることを承知のうえ、いっしょに考えてみましょう。
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## 中華民族
そもそも、中華民族とは何でしょうか。
実はよく分かりません。
私が「中華民族」と聞いて、パッと浮かぶのは漢民族です。
ですが、中国政府が述べる「中華民族」には、漢民族だけでなく少数民族も含まれています。
「はあ?」ですが、本件では「中華思想をもった民族」だとしましょう。
より正確に言えば「漢字を使う民族」です。
### 漢字を使う民族
日本人も漢字を使う民族ですから、書き言葉であれば、だいたい分かります。
「百花繚乱」と書いてあれば、少なくとも「花」のことだと分かります。
「百」はいっぱいで、それが「乱れている」のですから、「繚=からみつく」の意味が分からなくても、「花がいっぱい咲いている」くらいは想像できます。
#### 表音文字
逆に、英語はアルファベット26文字を組み合わせた表記です。
専門用語になると、まったく理解できなくなります。多くがギリシア語やラテン語由来ですから、語源を知らなければ、想像すら困難です。
たとえば、〝Leukocytes〟はどうでしょう?
cf.
https://www.issjp.com/columns/column-4526/
これは医学用語で、英語にすると〝White blood cells〟――日本語で「白血球」です。
他にも〝Aristotle's lantern〟「アリストテレスの提灯」という言葉があります。
これは棘皮動物のウニの口のことです。アリストテレスが「ランタンに似ている」と残したので、この名前があります。
ウニの専門家か、アリストテレスを調べた人でないと、初見では理解できないでしょう。
#### 表意文字の優位性
ですから、表意文字には、表音文字にはない優位性があります。
一つの漢字によって、示すものとそれ以外を区別するのです。
たとえば、赤血球があり、その対称として白血球があります。
(他にも血液の成分はあります。)
曖昧性を排除する働きが強いと言えます。
はっきり言うと、支配するのに都合がよい言語なのです。※正しくはない。
#### 漢字を使う国
残念ながら、中国以外で漢字を日常的に用いる国は、日本以外ほとんどなくなってしまいました。
(一部、シンガポールなどの華人社会では使用されていますが。)
台湾と、香港およびマカオでは、繁体字を使用しています。
『康熙字典』(康煕字典)由来の繁体字は、旧字体と似通っていますから、日本人でも比較的読めるのではないでしょうか。
漢文を勉強したことがあるなら、問題ないレベルで読むことができるかもしれません。
一方、中国本土で使われている簡体字は読みにくいです。
これは日本の常用漢字ではなく、繁体字を略しているからです。
私からすると、美的感覚に欠ける意匠です。
せめて、草書のように書いてあるのなら分かりますが。
cf.
楷書・行書・草書
なお、今の日本人は古文書を読めませんが、御家流草書を学べば、読むことができます。
私はディスレクシア(失読症)なので、草書を読むのはほぼほぼ不可能に近いのですが、なんとか読むことができるくらいにはなりました。
cf.
『くずし字用例辞典』
https://amzn.to/4eJ04Qe
#### 支配するのに都合がよくない言語
「白血球」「赤血球」のように、見ればだいたい分かる言語ではない場合、支配する場合、大きな困難が生じます。
インド・ヨーロッパ言語の多くの専門用語はギリシア語やラテン語由来ですから、学習が必要です。
たとえば、神父になるには大学を卒業する必要があります。少なくとも聖書関連の文書を読む必要があるのです。
けれど、市井で、真摯に祈っている無学な人たちと、どう異なるのでしょうか。
その人たちから、本の「『聖書』以上の知識など不要だ」と言われればどうでしょうか。
米国の反知性主義は、知的権威やエリート主義に対して懐疑的です。
これでは国家の運営はままなりません。統治が難しくなります。
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## アネクドート
アネクドートは、ロシアの政治風刺話です。
- スターリンは、資本主義のエージェント(スパイ)だった。
- 一国社会主義論で、世界革命論のレフ・トロツキーを失脚させ、資本主義を守った。
- 有能な将校を粛清し、共産主義の流出を食い止めた。
- 労働者を強制収容所に送り、生産性を著しく低下させた。
- 軍需産業を強め、財政破綻を推進させた。
- 結果、西側陣営の勝利に大いに貢献した。
この小話は、一定の歴史的事実と符合しています。
最近では「東アジアの民主主義の覇者は習近平主席だ」と言われているそうです。
### 中国文化「金・酒・女」
文化的に、中国人は「お金が大好きで、お酒が大好きで、女が大好き」な民族です。
回教徒(イスラム教徒)はその反対ですから、ウイグル人を弾圧するのも無理からぬのかもしれません。※私には理解不能ですが。
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## 中国の英雄
ニューヨーク市立大学のウラディン・E・ブラグによると「今日の中国の祭祀施設ではチンギス・カンが第一の英雄とされる一方、典型的な中国の英雄である岳飛(宋の忠臣で女真族と戦った人物)は近年、歴史教科書から排除されつつある」とされています。
cf.
The Chinese Cult of Chinggis Khan:
Genealogical Nationalism and Problems of National and Cultural Integrity
(Statement for Discussion in Victoria, BC, Canada, October 3-5, 2003)
Uradyn E. Bulag
City University of New York
https://www.smhric.org/E_Bulag_2.pdf
「チンギス・カンが中国の英雄? そのころあなたたち、モンゴル帝国に支配されていましたよね?」
私が「実はよく分かりません」と述べた理由です。
チンギス・カンは、モンゴル帝国の創始者です。
中国の元王朝の正式名称は、大元大モンゴル国です。
ただし、支配していたのは漢民族ではありません。
岳飛は漢民族の宋の英雄です。
どうして、岳飛ではなく、チンギス・カンかというと、モンゴル帝国は東欧を征服したほど強大だったからです。
cf.
タタールの軛
中国政府は「チンギス・ハンはヨーロッパまで遠征した唯一の中国人」「中華民族の偉大な英雄」と喧伝して、統治下のモンゴル人を懐柔しようとしてきた。かつて魯迅は「チンギス・ハンが大帝国を建立した頃、われわれは彼の下僕だった事実をどう解釈するのか」と中国人の妄想を諭そうとしたのだが。
cf.
https://www.newsweekjapan.jp/articles/-/908?display=b&page=2
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## 戦勝国中国
中華人民共和国は第二次世界大戦(1939年 - 1945年)の「戦勝国」だと言っています。
中華人民共和国の建国は、1949年10月1日です。
すごいですね。まだ国がないのに、勝手に戦勝国を名乗っています。
日本が戦っていたのは、主に中華民国――今の台湾です。
後に中華人民共和国となる中国人民解放軍は、少ししか参戦していません。
人民解放軍は力を温存し、国共内戦で中華民国を台湾に追いやりました。
その後、1971年10月25日の26回国際連合総会「アルバニア決議」で、中華民国(台湾)は国際連合安全保障理事会常任理事国の座を失いました。
台湾が失敗したのはこの時、国連を脱退したことです。
1933年(昭和8年)に、日本が国際連盟を脱退した教訓を十分に生かせませんでした。
脱退してしまうと、一票を失うだけでなく、発言する機会がなくなってしまうのです。
ですから、ウクライナ侵攻の際も、国際連合はロシアを脱退させませんでした。※正しくはありません。
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## CPCの国
中華人民共和国は、国というより中国共産党(Communist Party of China)そのものです。
中国人は、国家に興味はありません。なぜなら、千年近く征服国家だったからです。
漢民族の宋や明の時代はありましたが、理想が高く結局は武力に負けています。
### 中華民族の偉大な復興
中国共産党の述べる「中華民族の偉大な復興」の「中華民族」が何か分かりませんが、「偉大な復興」するのは「中国共産党」です。
中国人は強いものが大好きです。
中国語で、米国は「美国」――「美しい国」と書きます。
アメリカ合衆国が大好きなんです。
#### 偉大な復興
「偉大な復興」を成すためには、黙っていればよかったんです。
欧米を騙し友好国だと思わせておいて、すべて中国製にしてから、世界を征服できました。
各国の主要機関に中国人を採用させ、議会を乗っ取り、情報を一元化すれば勝てた勝負でした。
けれど、中国人はやってしまうんです。
つい、勝てるなと思ったら「よし勝つぞ」と言ってしまうんです。
黙っていられないところが中国人らしいですし、それが中国という国なのでしょう。
### 宋襄の仁
中国春秋時代の紀元前638年に、宋の襄公と楚の成王が、泓水で戦いました。
楚という強大な国に、礼儀にこだわり情けをかけた宋の襄公は負けてしまいます。
その後、孫武はその著書『孫子』で「兵は詭道なり」という、何でもありの戦いを述べます。
かつて徳の国であった中国は、何でもありの国になってしまいました。




