虞淵・離散
虞淵
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保羅圖敎遠虞淵
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篤信多生此險邊
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忠主是非如在極
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應因比利灼燔天
【句形】
七言絶句、平起こり、上平12文(淵、邊、天)
【語釈】
保羅…使徒パウロ。
虞淵…山海経などに記される、日の没すると言われる所。ヒスパニアという地名も一説には日の沈む場所を意味する。使徒パウロはヒスパニアへの伝道旅行を計画していたが実現しなかった(ローマ書15:28)
【訓読】
保羅 敎遠き虞淵に教へんことを図り
篤信多く生ず この険辺
忠主の是非 極に在るがごとし
まさに比利灼燔の天に因るべし
【大意】
使徒パウロはもっとも遠い場所とされたこの国に宣教をたくらみ、後世この国からは多くの篤信者が現れた。彼らの行動の是非が両極端に揺れ動くのはひとえにイベリア半島の焼けるような青空にあるのだ。
離散
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偶喪千年宅
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得還高祖郷
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立身歸富貴
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新国氣弘章
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西王一何暗
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疎錢失大陽
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遙行何在地
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空措禱祷場
【句形】
七言律詩、仄起こり、下平7陽(郷、章、陽、場)
【語釈】
得還高祖郷…1492年のユダヤ教徒追放によって離れた人々の一部は、パレスチナのサフェドやエルサレムなどに定着した。
【訓読】
偶ま千年の宅を喪ひ
得還高祖の郷に還るを得たり
身を立てて富貴に帰す
新国を新しくして気弘く章らかなり
西王一に何ぞ暗き
銭を疎みて大陽を失ふ
遙かに行きて何か地にある
空しく措く禱祷の場
【大意】
ユダヤ教徒の追放はスペインを乏しくし、オスマン帝国を富ませたのだった。ユダヤ教徒が立ち去った後にはただ空しくシナゴーグが残るのみである。




