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俺は人生を捧げない、私は全てを取り戻す!  作者: ふりがな
第7章 行き交う者、理想郷を繋げる道標
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閑話 天使の計画と政府の信頼

先日、未曾有のテロ事件に見舞われた日本。


その日、政府の発表がようやく行われた。


それは、関場が例の功労者たちを迎えた翌日の事だった。


首相官邸 エントランスホール、


総理会見

「先般、滋賀県から岐阜県にかけて起こったテロ事件について、

 私のほうから政府としての見解を申させていただきます。」


「先の事件は各県警や自衛隊の部隊出動等、

 大変重大な事案の発生と私達政府も認識しております。

 これについて、有識者等を交え慎重に議論を重ねてまいりました。」


「今回の事件では未確認の大型生物を確認しており、

 その正体についても意見交換を実施し、多数のご意見を頂戴いたしました。」


「その中で、ある種の新興宗教団体による暴走がこの事件の本筋ではないか?

 政府としてはそのように理解、認識するに至りました。」


「この意見に至るに当たって、

 日本は非常に多くの蛇に纏わる古代信仰があるとのご指摘を受けております。

 当該事件に当たって、最大の問題であった大型生物はヘビ類であると、

 報告を受けております。」


ざわつく会見場。

そもそも、あれが蛇とはなんなんだ?

という記者からの質問も跳ぶ。


「私は生物学に明るくはありませんが、その形状などや行動などを、

 分析してもらった結果からある種の仮定が成り立つとのことです。

 詳しくは、専門家会議の発表をお待ちいただきたく思います。」

 

「ただ、政府として国民の皆様の安全を考え、

 情報を一早くお届けする義務があると思いましたので、

 今回の会見を設けました。」


「当該生物が何らかの遺伝子操作による生物化学兵器等ではなく、

 単なる生物学上の延長にあるという根拠をご説明いたします。」


「まずヘビ類の大型化はそれほど珍しくはないという見解を、

 専門家からいただきました。

 もともと、地球の古代では当たり前のように十メートルを超えるヘビ類が、

 生息しておりました。

 また、当該個体に見られる頭部分の複数化は、突然変異として、

 既に他の地域で確認されております。

 今回の事件の発端となるであろうヘビ類は非常に大型であると思われますが、

 古代地球史ではまったくあり得ない話ではありません。

 むしろ古代においては多数生息していたと考えられます。」


「ヘビ類は変温動物種であります。

 地球温暖化が叫ばれる昨今において、生育するに必要な条件が整ったため、

 古代種の生き残りが現代の地上に上がってきたのではないかと推測されます。

 ただし、これは全くの異例な出来事であると思われます。」


「これについて、恐竜の絶滅時期を考えれば分かる通り、

 このような大型の爬虫類が生息していた時代は6000万年前とされています。

 その日から今日まで生き残るのは並大抵のことではありません。

 どのように生き延びたのか?

 そして、その事実をもって私達に何を伝えたいのか?」


「今一度このミステリーについて、私達は真剣に考える時が来たと、

 認識しています。」


「それと共に、

 この古代生物を利用した宗教集団が、

 今回の事件を起こしたテロ集団と推察されます。

 現在調査中ですが、該当する宗教団体の登録はありませんでした。

 ただ民間信仰の類は多くあります。

 今後の実態解明に政府として全力で取り組んでまいる所存です。

 ただし、あらゆる宗教、信念及び言論の自由は守られなければなりません。

 この件については、慎重に慎重を重ね調査を実施していきます。

 以上が、政府の今回の事件に対する認識です。」


ーーーーー


はあ、大きな事件だがあり得ないと断言できるものなど存在しない。

そう、本物の_多数の動画や映像が存在している。


だが、もうある程度の関心を削ぐ工作も済んでいる。


朝から溜息をもらしながら、関場は朝のニュースを見ていた。


今日は重要な会議があるのだが、そろそろ繋がるか?


霊的災害対応室の会議室で、その時を待っていた彼は、

いよいよ本題に入ることができると目線を上げた。


会議室に設置された大型スクリーンに、

アメリカ人と思われる男性が映り込む。


音声はまだ調整中のようで繋がっていないらしい。


ふう、音声の同時通訳も昨今では可能になったが、

会談内容が記録に残らないようその機能は停止している。


関場自身は英語が堪能だが、

今回の相手は日本語を流暢に操ることが出来る。


ちょっとしたニュアンスの違いなどで、外交関係が悪化するなど、

普通にあり得る。


意思疎通に気を配る彼の相手がやり手であることは疑いようがない。


関場が今回相手するのは、アメリカ合衆国ロサンゼルスに拠を構える

メルカバール・カンパニーのトップだった。


そう会談の相手は、ミカエル・メルカバール。

今も謎多き人類の友、天使たちの長である。


「おはようかな、ミスター関場?」


と語り掛けてくるメルカバール氏。


「はあ、ミカエルさん。

 もう敬語はいいですよ。」


「貴方とは爺さんの時代からの付き合いだ。」


と再び溜息を付く関場。


「それでどうでしたか?

 こちらでは、例の3人が遺構近くで消えたのを確認しています。

 直前にあなた方の言う敵性体が現れたようですが?」


その質問にミカエルは、


「ふうむ、それは気苦労を掛けたね。

 ラファエル達は無事、逃げ延びたそうだ。

 現在は軌道上にある我々の施設で整備中だ。」


と答えてくる。


「貴方が言うから、この件に根回ししましたが、

 あのような輩がこの国で暴れることなったら事です。

 本当に大丈夫なのでしょうな。」


と再度聞き返す関場に、


「ああ、大丈夫だ。

 あれは完全自動化された管制システムのようなものだ。

 番犬どもは彼らの主の意思に関係なく動いている。

 あの程度なら報告自体、上がらないだろう。」


「しかし、どうやら、そちらも手は打ったみたいだね。」


そう返すミカエル。


その言葉に、


「これはあなた方が絡んでいるのではないでしょうね?」


と、関場は問いかける。


「ははは、相変わらず用心深いね、君は。

 そうだね、そちらの件は私達のものとは関係ない。」


「では、そろそろ切るよ。

 あとは、そうだね。

 例の彼女たちとの縁は大事にした方がよさそうだ。

 私達より格上が戻ってきたみたいだよ。」


そんな会話の末、会議は終了した。


この後の関場の予定は寸刻みだ。

首相の会見から何もかもをセッティングしたのは彼らなのだから。


そして、総理に対しメルカバール・カンパニーへの資材提供を、

具申しなければならない。


現状、政府は危機対策で窮地に立っている。

何せ自衛隊が撤退に追い込まれたのだ。


そんな中でも彼ら霊的災害対応室は実績を上げた。

政府も無碍にはできないだろう。


はあ、ガイア神話連盟などという連中とも接触を持つ必要がありそうだ。


天使の計画「箱舟」には多くの資材と新たな知見が必要だった。

計画は世界の主要国をも巻き込んで、粛々と進んでいる。


そして、今回やっと足がかりになる舟を手中に収めた。


人の未来を賭けた大きな流れは、更なる加速を得るだろう。

しかし、その動きを察知しているものはまだ多くない。

現時点ではミカエルたち天使はラスボスの配下になっています。その昔の戦いで敗れたため。その為、ある程度の敵側の情報を持っています。そうしながら反抗計画を練っています。もちろん召使い2人はそれを知っています。今は明かされていませんが、それも彼らの能力に有利な関係があるのです。

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