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俺は人生を捧げない、私は全てを取り戻す!  作者: ふりがな
第6章 翼持つ舟からの招待状
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第82話 修行

行方不明になっていた研究員の3人を連れ、

異郷への道から文書保管庫へ戻ってきた私達。


幸いにして研究員の人達は無事だった。


加賀崎さんは、ほっとした様子だったが、

列焼英さんからロキ達について聞かれた私。

簡単に説明しながら、


「はあ、何か故郷の都に入るため塔を進まないといけないらしく、

 彼らは仲間に合流するため行ってしまいました。」


と答える私だったが、

列焼英さんに気になったことを質問することにした。


「あの、異郷への道ってモンスターとか出るんですか?

 なんでもロキ達の向かった塔には、

 相当な怪物が巣くっているらしいんですが。」


その言葉を聞いて、考え込む列焼英さん。


しばらくして、


「ふうむ、確かに異郷と異郷を繋ぐ道には、

 人を超える怪物が闊歩している領域がある。」


「お前たちも見た通り、あの蛇などもそんな存在のひとつだ。

 異郷の中には、怪物そのものが育ったところもあるのでな。

 そんな異郷で力を着けたモノが、他の世界へと渡ったり、

 異郷の狭間に巣くったりする。」


「怪物の中には更なる力を求めて、異郷を渡る者を襲う輩もいる。」


と答えてくれた。


そこで私は素朴な疑問を抱き、聞いて見た。


「その怪物って、もう生きる為に何かを食べる必要はないんですよね。

 なんで他の者を襲うんですか?」


何時か聞いたことを思い出した私は、そこが不思議だった。


列焼英さんはその質問に対して、


「そうだな、例えば我々のような人種族は個々ではなく、

 社会を築くだろう。

 我らは、仲間意識を持ち集団で困難に対応する。」


「だが、それとは違い、怪物たちの中には自身の力を武器に、

 生き抜くことを是とするモノがいる。

 そういった種族は更なる力を求めて、他の種族を襲うのだ。」


「そうだな、彼らには最早、死など存在しない。

 が、力あるモノを倒すことでそのモノが持つ権能を奪うことができる。

 権能とは、そのモノが自身の領域で、

 どれだけの力を振るえるかを示すものだ。」


「権能を持つモノがその領域で10の力で出来る事があるとする。

 しかし、権能を持たないモノが同じことをするためには、

 100,1000といった力が必要となるわけだ。」


「権能は管理権限を持つ上位者によっても与えられるが、

 社会を築くことのない怪物たちは、

 その権限や権能を持つモノから奪うことで力を得るのだ。

 力を奪うとは、そのモノを倒すことで自身の力を示すこと。

 それにより、その領域での管理権限を獲得する。

 より強いモノを倒せば、大きな権限と権能を早く手に入れられる。」


「まあ管理権限がその領域での地位のようなものだとすれば、

 権能はそこで扱う力の性質のようなものだ。

 今の世で言うなら、動員できる権力のようなものだな。

 武官なら兵を動員できるだろうが、

 文官なら法の力でそれをも抑えられる。」


「そなたなら、風の精を味方につけているだろう?

 その例で行けば、別の誰かは火の精を動員できるものもいる。

 管理権限は位であり、権能とは行使できる力の種別と言える。

 どちらも上位になれば、より少ない力で大きな成果を上げられる。」


そんな答えに、私も今の力を上げられるのだろうか?と考えた。


「ああ、我らの場合はこの地に侵入しようとする怪物を、

 倒していけば管理権限や権能の強化ができるぞ。」


「この地には、強力な上位管理者がいるが、

 侵入者全てに対処するには至っていない。

 なので時折、この世界に入り込み事件を起こす怪物もいるだろう。」


「そんな事になる前に、怪物を追い払えば、

 この地への貢献によりそなたの力も増すだろう。

 正確には今ある力でより大きな事ができるようになる。」


と言いながら、私を見る列焼英さん。


「うむ、少し異郷の道で鍛えると良かろう。

 まだまだ、そなたには使えていない力がありそうだ。

 この辺りにはそれほど強い力を持つ怪物はいないが、

 それでも、そこにいるような普通の人間には致命的だ。」


「そんな事件を起こされる前に、怪物を倒し追い払っておく。

 それもまた、世界への貢献だからな。

 ああ、怪物の生死とか気にすることはないぞ。

 そもそも、異郷の道に入るほどの実力だ。

 倒したところで、元の領域で復活するだろう。

 まあ力自体は弱まるがな。」


鍛える?

それってもしかしてレベル上げとかなのだろうか?


私も学生時代はテレビゲームにハマった世代である。


単なる筋トレではなく、レベルを上げて実力そのものをあげる。


しかも、生死の概念がそれほどないと言う。

っていうか、私もそんな感じなのだろうか?

今まで深く考えてこなかったが。


現実問題、この調子では例の御使いや他の何かとのトラブルが、

この先も起きてくるだろう。


ここで、ある程度の力を手に入れれば、少しは楽になるかもだ。


ただ、異郷の道にはそれなりの実力者が徘徊しているらしい。


「すいません、どんな感じの怪物がいるんでしょうか?」


そんな言葉が思わず口に出る私だったが、


「ふむ、まあこの地の近くなら小鬼か魔犬あたりだな。

 そのくらいなら、そなた一人でも相手が出来るだろう。

 ただし、この地に入り込んだ個体とは実力が違うと感じるだろう。

 この地では管理者により、これらの侵入者の実力を大きく削いでいる。

 戦うなら、努々油断しないことだな。」


「後は竜種なども出る時は出る。

 その時は極力その場を去るのを待つことだ。

 彼らは格下を襲ってはこないからな。」


「ふむ、そうだな。

 そう言えば加賀崎が怪物を手懐けられるか?

 聞いてきたことがあったな。」


「蛇を見れば分かる通りだが、

 実力を見せ、気に入られれば相棒となることもある。

 ロキと言う者も連れていただろう。

 姿は見せなかったが、あれは魔狼の一種のようだな。

 まあ頑張れば、ああ言う強力な者も味方に出来る。」


そんな言葉に、私のテンションは上がった。


「竜を仲間にしたいのですが!」


思わず口に出た言葉は大変恥ずかしいものだった。


「ううむ、まあ頑張れば幼竜くらいなら、、

 それより、道を行くならオーガに気を付けるのだな。」


と列焼英さんが困った顔で伝えてくる。


「オーガ?

 大鬼ですか?」


と間抜けな顔で聞いた私だったが、


「その見解では危ないな。

 この地でいう鬼ではない。

 ふうむ、伝承とは違う存在だからな。

 そうだな、闘争にその身を駆られた神の一種と言えば分かるか?

 その力は天災レベルだし、竜ですら屠られる。

 聞いた塔とやらに大妖がいるなら、この近くに来ているかもしれぬ。

 決して近づくな。」


そんな恐ろしいモノがいるとは!

しかし、その時は竜やロキのガルムの事が気になっていた。


いつぞや見たリンドヴルムはとても強かった!

被害が出たが、その姿は正しくファンタジー。


そして、魔狼ガルムは例の御使いの手先と互角以上である。


他にも色々とファンタジーな仲間を見つけられるかもだ。


それまで苦労させられたモンスター達だが、

仲間にできれば、この上なく頼もしい。


私のテンションはうなぎ上りだった。

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