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第7話 第2回研修1日目 その2

高速をひた走る車の中、

難しい顔の私が、心の中で唸っている。


うーむ、ここから何時間くらいかかるのだろうか?


石油危機な今日、そもそも車で移動する意味があるのか?

私の心は、非情な疑問に駆られている。


なぜってか!

この車、軽なんだ、

そして、乗車しているは皆若い女性だ、私を除けばな!


リクルートスーツないつもの天明さんは、


「お昼どこで食べますか?

 今日は、会社持ちで食べられますよ、

 夜も豪華に食べましょうよ!」


と本当に呑気に楽しんでいるようだ。


一方、クランベリーさんは法定速度を守りながら

車を危なげなく、進ませている。


ただ、助手席についた天明さんが、

スマホを見ながら東北グルメを紹介するため

結構、意識を持っていかれているようだ。


一本しかない太いうどん、芋のソフトクリーム等に

ご執心の天明さんに対して、ベリーなパフェらしき

巨大なカップが気になっているように見えるクランベリーさん。


昼食は、高速のサービスエリアになりそうだ、、

随分遠いな、、、


ーーーーー夕方遅く


もはや腰が痛くなってきて、苦痛に耐え忍ぶこの頃。

若いっていいな!


まだまだ元気な二人を見ながら、自分の歳について深く考え込む。


景色は、とっくに大都市部を過ぎ、山林が並ぶエリアに入っていた。


辺りは暗くなりかけており、

今日はそのまま現地のビジネスホテル行きのようだ。


ちなみに、この軽自動車だが、サービスエリアで2回給油している。


まあ、現地に入る前に

万全を期したクランベリーさんが、ガソリン満タンにしたのだが。


かなりの距離を移動したが、帰りを思うと憂鬱な気分だ。


まあ、私が運転しているわけではないから、

文句を言うのは筋違いかもしれないが。


今回、向かうのは、過疎化に伴い、

周りの村落が徐々に無くなりつつある地域だ。


緑豊かなと言えば、とても自然的で良いように聞こえるが

実際は人が住んでいた痕跡を自然が覆い尽くそう浸食している場所だ。


昔は、峻厳な山々を登りにお客が訪れていたようだが、

今は異常気象で水源などにも異常を来たしているそうだ。


そこに来て、クマ被害が頻発。


一応、一口にクマというが、その性能をちゃんと知っている人は

どれだけいるだろうか?


クマの運動能力は


直線なら時速40km以上で走り抜け、

優れた聴力は僅かな音をも聞き逃すことはない。


更に犬のような臭覚を備え、樹木には登れるし、水泳も得意である。


種類にもよるが、体長は1m弱から2mに至るまで、

それ以上の個体もいる。


クマが振るう一撃は、条件次第で1500kgから2000kg、

プロのボクサーの5、6倍だろうか?


最大威力なら、お相撲さんの初手、つっぱり2発分だそうだ。


しかし、クマの脅威はこれに留まらない。


クマの引っ掻きやパンチを気にしていると、

噛みつき攻撃を喰らう。


そして、一番の脅威は、

これらの能力を山や森の中で容易に発揮できることだ。


人間対人間なら、まだ環境がこちらに味方する要因もあるだろうが、


クマのホームグラウンドな山林では、自然は人間に牙を向けるだろう。


どうだろうか?

少し調べただけで、この驚異的能力。

しかも、これが複数体いるというのだ。


そう集団生活はしないらしいが、子供連れの母クマとかはいる。

子供といえど、人間より強いだろう。


その体重で押しつぶされるかもだ。


さて、考え事をしている間に、現地付近に到着したみたいだ。

うん、豪華な食事をしたいなら、明日以降だな。

夜遅い今からでは、無理だろう。


コンビニだな。


「はあ、開いてないですね。

 ちょっと調査に時間がかかりすぎました!」


と宣う天明さん。


「できるだけ、急いだのだがな。

 仕方ない、今日は普通のレストランで良しとしよう」


これはクランベリーさんの言葉。


いちいち、2人に突っ込むと面倒臭いことになりそうだから、

心の中で指摘させていただこう!


クマの調査に来たはずが、

東北のサービスエリアを上って下りたあんたらは一体何なんだ!


上りと下りで食べられるものが違うってか?


あとレストランは、この辺りにはない!


いくら探しても、

貴方が探している3つ星レストランは地方では貴重なのだ。


あっても、日を跨ごうとしている現状では開いてないわ!


というか、泊まるところの心配をしたらどうだ!

急に決めてきたから、予約してないそうじゃないか!


コンビニだなと思っていたが、今の時間じゃ弁当もないし、

もうお湯入れて食べるカップラーメンか、菓子パンのどちらかだ。


地方は時間が遅いと商品棚からみんな無くなる。

数売れないから、仕入れも少ないんだ。


心の中に諸行無常の鐘が鳴っている。

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