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俺は人生を捧げない、私は全てを取り戻す!  作者: ふりがな
第6章 翼持つ舟からの招待状
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第76話 復興への想い

帰郷して数日後、私達は愛知県警の呼び出しに応じる為、

名古屋市へと向かった。


一時、あの事件によって物流網にも影響が出ていたが、

数日前、一部を除く交通網が点検を終え復旧した。


私達は、今回も新幹線での移動である。


警察の方には、今日の午前中に行くと伝えてある。


うん、まあ今回、目撃者は多数いる。


何せ、女王卑弥呼と思われる事件を起こしたリーダーは、

事が起こる前に皆の前で演説まで行っている。


良く考えてみれば、当時、最前線にいたのは、

自衛隊や警察の部隊のはずだ。


彼らは、当然、現場の情報を撮影録画していたはず。


女王卑弥呼は、最後の戦いで、

召使いが呼んだ蛇の怪物にとどめを刺して光の中に消えて行った。


おそらく、もうこの世にはいないはずだ。


しかし、最後の戦いの顛末を彼らは知らない。

誰か説明しただろうか?


あの時、自衛隊の戦車が撤退に追い込まれ、

猛毒に対応していない警察や自衛隊の部隊も後方へと撤退していた。


あの場で最後まで残っていたのは、私達と三枝木さん達、

そして、あの僧侶たちに天使たちである。


ううむ、あの天使たちは例のラファエルさん達だろう。


いきなり、天使の恰好で現れていることから、

彼らが警察に説明とかするわけがない。


そうなると、あの位の高そうな僧侶のお爺さんと右藤住職たち。

ううん、それもないか。

あの一団はどうみても何かおかしいと思うのだ。


だって、私達も中の人が不明な謎の外国企業によって、

組織されている。


ただ、私達の所属する企業は法律順守であり、

こんな危険なことになっても、秘密部隊とか出てこない。


ある意味、アテナさんがワンマンアーミーのようだが、

現時点ではそれもそうだろう。


三枝木さん達が作っているランドナックルなるロボットも、

その腕で殴る仕様のようだ。


ある意味、今回のタロスがおかしいだけであり、

企業として日本に何らかの武力組織を持っているわけではない。


そこへ行くと、あの僧侶の団体は明らかに変である。

この科学一辺倒な現在の日本で、なぜ、現場に僧侶たちが入れたのか?


有志連合はまあ分かる。


卑弥呼の多頭蛇は、怪獣クラスだったし、

重機等を利用した搦め手を考えることもあるだろう。


実際、大活躍だった。


しかし、僧侶たちは違う。


現場からは自衛隊の部隊すら撤退していた。

そう、最後の決戦は本当に危ないものだった。


ラファエルさんが毒を無力化していなければ、

私達もあっさり墜ちていた可能性がある。


ちなみに、私達や三枝木さん達は、ランドナックルという

秘密兵器の存在を明かして現場に入ることを許可されていた。


うむ、当たり前だが、

あの現場に入る前では、警察が通行規制を行っていた。


そんな中、あのお坊さんたちは最終決戦の場へと突入してきたのだ。


順序良く考えて行けば分かる通りだ。

あの僧侶たちの集団は何か政府組織と繋がっている可能性がある。


普通に考えて、謎の巨大怪獣が暴れる現場に、

僧侶の一団を通す訳がない。


つまり、あの集団は何らかの武力を期待されて派遣されたのだ。

そして、巨大僧兵を呼び出したりしている。


金剛だって、今までの常識を覆す代物だったが、

あの巨大僧兵はその上を行く存在だ。


もはや、陰謀論とか言っていられない。

例の法力といい、何か今までの日本を陰から守ってきたとか

いうのだろうか?


まあ益体のない想像をしていた私は、その間も名古屋市にある

愛知警察署へと向かっている。


もう名古屋市には到着して、タクシーで向かっているところだ。


駅では天明さんがお土産を物色するという一場面もあったが、

それは後からと言うことで決着した。


署の前に行くと、三枝木さんが待っていた。


私達の行動を予測したのだろうか?

と思っていたら、アテナさんが連絡していたらしい。


署に入ると、4人は別々に事情聴取された。

事情聴取と言っても、犯人扱いの厳しい取り調べという訳ではない。


4人を別にしたのは、事件の細部を正確に知ること。

一緒にすると、誰かの意見に左右されてしまうことがあるそうだ。


皆の主張が一致したなら、それは事実と見ていいそうだ。


ちなみに私達は最後に参戦したわけだが、

どちらかと言うとタロスについての意見と

首謀者である女王の最後について聞かれた。


タロスの件は、あの戦闘性能である。


日本の地にあの兵器級のロボを

持ち込んだことを咎められるのは当然かもしれない。


しかし、その割にはあまり追及はされなかった。

そして、一番力が入れられていたのが、女王の似顔絵作成だ。


女王は亡くなったはずだが、今まで何処にいたのかも分からないのだ。


あれだけの騒ぎを起こした張本人であるが、

まだ関係者が日本に潜伏しているかもだし、

本当に亡くなったかは警察も確認できていない。


あれだけの化け物がいたわけだから、女王自体もまだ健在とかあり得る。

今後のため、しっかりと調べたいというのが警察の本音らしい。


最後に、三枝木さん達にも説明されているけどと前置きして、

あそこで見た僧侶の一団に関しては何も話さないようにと口止めされた。


一体あの僧侶たちは何者なんだ!


そんな私の考えを読み取ったのか、

聴取していた警官のひとりが説明してくれた。


あの僧侶たちは、

霊的災害対応室とかいう日本政府の一部署の管轄化にあるらしい。


なんだそれは?


そんな疑問に対して、


「皆、そう言うんだけどね。

 世の中にはそういう不思議なこともあるんだよ。

 君も漫画とかみるだろうけど、

 君の見たお坊さんたちは、そういうのを専門としているんだよ。

 もっと規模の小さい事件が普通だし、

 滅多にないんだけどね。」


「こういう事件の被害者はほぼ泣き寝入りなんだ。

 君も災難だったけど、あまり興味を持たずに忘れなさい。

 首を突っ込んでもいいことないからね。」


と諭された。


そして、皆それぞれに署の待合室に集合した私達は、

警察のお偉いさんに今回の事件解決を祝したパーティーに誘われた。


なんでも、有志連合の方たちや岐阜から逃れた市民などを、

招いたお祭りのようなものを開催予定らしい。


滋賀県でも同じようなお祭りを行うらしいが、

今回のお祭りを機にまた岐阜市へと戻ってきてもらいたいという、

復興と再出発の祈りを込めたお祭りになるそうだ。


開催は明日になるそうだ。


大津は、繁華街などで被害を出したが、

逆に言えばその部分だけだった。


しかし、岐阜市の方は大通りやその周辺で、

本格的な戦闘が勃発した。


不発弾なども残っているかもしれないし、

水道などのインフラも一部破壊された。


今もまだ、現場は封鎖中だ。

何せ、あの蛇は毒とかも吐いてきた。


それらの処理にも時間がかかっている。


そんな事情もあるが、これで街を離れてほしくないという市民の声もあり、

祭りは名古屋市の駅前で行われるそうだ。


私達が署に呼び出されたのも、今回の活躍を認められての事らしい。

まあ、女王の顔とか最初の演説していたときに、見た人は多いはずだし。


あとタロスについてだが、

あの巨大な僧兵を呼び出した僧侶のお爺さんからの援護があり、

問題なしとされたようだ。


そして、祭りには三枝木さんのランドナックルを登場させる予定だとか。


うん、まあ同じくロボットというカテゴリではあるし、

一般的にはまだ存在しないようなハイテクロボである。


企業の機密ではないかって?

その点は、タロスの件を不問にすることで帳消しになるそうだ。


天明さんは早速、名古屋名物のお店に行こうと言い出すし、

アテナさんは三枝木さんにようやく日の目を見ることになった、

ランドナックルの件で祝福の言葉を掛けていた。


私は、その様子を見ながら、今回の出来事を振り返っていた。

事件の規模が徐々に大きくなっている。


一体、あの御使いと言う存在は、

どこまでこの現実に入り込んでいるのか?


そんな存在と対決姿勢を取る私達に、

今後どんなことが降りかかってくるのだろうか?


垣間見えてきた本当の現実が、私達を翻弄し始めている。

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