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俺は人生を捧げない、私は全てを取り戻す!  作者: ふりがな
第3章 その献身は、誰が為
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第39話 日常に紛れた不可解

昨日は、大変だった。

焼肉店の一件だが、お会計で私達の食事代が巨額であったのだ。


一応言っておくが、一般庶民にとってであり、

お金持ちにとって、普通かもしれない。


それは散々食べた一行が、

お会計をして出ていくときに起きた


割り勘だったが、

クランベリーさんと私の会計は、10万くらいだった。


信じられないほど、お高い店だった。


いくら高い給料貰っても、これでは1か月もたない。

かなり肝が冷えた私だった。


ちなみに、クランベリーさんは、普通にスマホ決済で払っていた。

私も何とかなった。


焼肉に行く前に、コンビニに寄って、

1か月分の生活費を下ろしていたのだ。


しかし、誰よりも食べた天明さんは、払えなかった!


何故か?

彼女のクレジットカードは、会社の費用を支払うものであり、

高額の支払いに対して、制限が設けられていた。


そして、一般的には社用ならかなりの額を払えるそれは、

日頃の天明さんの行為により、相当な制限が掛けられていた。

よほど経理の人が怒ったのだろう。


自分用のものが、ないのか?

私もそう思った。


実際、彼女はスマホを持っていた。

自分ので、払えば良い。


その通りだ!


しかし、何故か、彼女の持っていたスマホは

会社が、配った社員専用のものだった。


要するに、天明さんのクレカと同じ番号が入ったものだ。

残念無念ながら、彼女は会社から帰って、

そのまま、我が家に来た。


彼女の勤め先は、最新の研究をしている重要施設。


あの、何を研究をしているのか分からん研究所は、

かなりのセキュリティを敷いているらしく、

私用のスマホは、持って入れない。


つまり、彼女が、持っているのは必然的に業務用のものなのだ。


ついでに、プロジェクトが始まっており、

漏れなく機密性が高まったため、私物をあまり持って歩けない。


そして、彼女は、財布を持ち歩かない派だった。

なんでも、酔って落とすから!だそうだ。


財布を落とすなら、スマホだって落とすよな!

と聞くと、


彼女は、リクルートスーツの上着を黙って指し示す


そこにはスマホが入るポケットがあり、盗難防止用なのか?

ストラップ兼用の留め具が付いていた、


なるほど、上着を脱がない限り落さないと、、


財布もそうするべきだと思うが、何も言うまい。


無銭飲食、一歩手前の天明さんは、クランベリーさんに

熱い眼差しを向ける。


そうだな、クランベリーさんなら、普段高級ステーキとか

食べるだろうし、払えるかもしれない。


彼女は、かなりの資産家の令嬢だと聞いている。


どこでってか?

クマの件で東北に行った帰り、天明さんとの会話で、

彼女の御父上のことが、話題に挙がったのだ。


彼女がやたり尊敬していて、更に私に日本男児の心得とやらを、

押し付けてくる原因が、コレだった。


実家は、ヨーロッパだったが、

今は、彼女と一緒に日本に来ているらしい。


まあ話が逸れたが、

そんな彼女に天明さんが期待するのは無理もないことだ。


泣きそうな天明さんが、意味ありげに見つめているのだが、

クランベリーさんは、困ったように口を開く。


「私のスマホは、チャージ式だ。

 父が、電子決済に懐疑的でな。」


「ついでに、今は護衛中だ。

 会社の方では、どこでも決済可能なよう、

 現金を持って歩くよう指導されている。」


”我が家は、クレジットカードを持たない主義なのだ。

電子データなど何とでもできると父も御爺様も言っていてな”


そう言って、財布を出した彼女は、こちらに見せてきた。

ポイントカードはあるし、現金もある。


しかし、クレジットカードのプラチナやブラックはない。


現金は、結構あるが、

天明さんを、私とクランベリーさんが見つめる。


天明さんのお会計は大体70万前後。

なぜそんなに食ったのだ!


それから、私は店の人にコンビニがないか聞いて、

その場所に走った。


それが、昨日の顛末だ。

一応、天明さんは、お代を返してくれるらしい。

当たり前だ!


朝のテレビを見ながら、昨日の顛末を思い返していた私。


ちょうどニュースが始まり、2か月前のコンビニ強盗の件が

話題になった。


あの強盗5人組は、現金目的ではなく、

何か、建設会社の機密データを盗んだらしい。


内部情報故に、詳細は公開されていないが、

土地の再開発で何かの遺跡が発見され、

その事実を隠蔽しようと企んだのが、その建設会社。


重要文化財の発見により、再開発が中止になることを

恐れたのではないか?

という専門家のコメントが入る。


しかし、隠蔽した情報が漏洩した。

例の5人組は、犯人側のデータ回収担当であり、

会社の機密データが入った鞄を、受け取りに来ていた。

だが途中で、被害者のサラリーマンに持っていかれたらしい。


犯人グループが、何をしようとしていたのか?


ニュースの解説では、

データを人質に多額の身代金を要求するつもりだったのでは?

ということだった。


うーん、この再開発って、私が住んでいる場所の近くだな。


遺跡か、最近多いな、このフラグみたいなものが。



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