第七話 キラー
「ブラボーブラボー」
戦いを終えたフォーチュン一行の前に謎の男が現れた。
「だ……大帝国新帝王様……」
マスターが新帝王と呼ぶその男はいったい?フォーチュンは見覚えがあった。
「まさか……13号ことキラー?クローン兵器であるはずの君が何故大帝国の帝王に?」
「逆らう者は全員消せばいい。吾輩はクローン兵器ランキング第二位だったから簡単だったさ。そうすればあっという間に皆従い始める。オリジン帝王もそうやって成り上がってきたんだ。それに吾輩はオリジンの血を引く者だ。王位継承権は元々あったのさ」
キラーはフォーチュンを睨みつけた。
「そうか……君が我らのお父様ことオリジンを殺害したフォーチュンか」
「……そうだ。言い訳はしない。恨みたければ恨め」
するとキラーは一瞬でフォーチュンの前に立ち、ビームサーベルを起動した。
「今すぐ殺してやりたいが……お楽しみは最後まで取っておかないとな……。大帝国の本拠地がある火星で待っている。それまで宇宙警察に捕まるだの、過酷な宇宙で野垂れ死ぬだの、つまらない終わり方はしないでくれよ。吾輩はお前が過酷な冒険をして友人などを得て幸せになっている所を殺したいんだ。だから今殺すのはまだ早い」
キラーがその場を去ろうとすると、マスターは口を挟んだ。
「新帝王様……俺との取り引きはどうしますか?」
「ああ……マスター君……お前のバトルキングは負けた。武器工場も爆破された。それは事実だ……だから弱い奴の武器なんかいらない」
キラーはビームサーベルをマスターの胸に突き刺した。
「があああ!」
「……良い声で鳴くねえ。……ああそうだ。レイ王女にS級の指名手配を付けたのは吾輩なんだ。フォーチュンの味方をする奴は全員敵だよ」
核兵器という恐ろしい武器を作り輸出しようとしたマスターの最期はまさに因果応報であった。そしてキラーはそのままビルの屋上へと行き、小型宇宙船でどこかへ行った。
「なんやあいつ……何の躊躇いもなく命をあっさり奪いよったで……」
「それがキラーの恐ろしさだ。奴はかつてオリジン帝王の頼みならどんな汚れ仕事でも嬉々として受けていたんだ。父の願いを叶える事こそが人生の全てだと奴は思っている。おそらくオリジンの悲願である世界征服計画を進めようとするだろう」
「恐ろしい奴だわ……」
フォーチュン一行も屋上へと行き、ヘリコプターがあったのでそれに乗る事にした。これも自動運転のようだったのでフォーチュン一行は助かった。
「このままディザスター達を迎えに行こう」
壊れた武器工場にヘリコプターは向かいディザスターの前に着陸した。
「よお!お前らもその様子じゃマスターをぶちのめせたようだな!俺様も見ての通り計画は大成功だぜ!」
「……マスターは死んだ……キラーによって命を奪われた。僕達はそれを見届ける事しかできなかった。それとキラーは大帝国の新帝王になったんだ。恐らく世界征服計画を実行しようとしている。僕達の戦いはまだ終わってない」
「なっ……マジか……まあでも一旦金星での戦いは終わったんだ。どこかパーっと打ち上げでも行こうぜ!」
フォーチュン一行は街へと向かう。金星の都市はまさに綺麗な黄金色の建物が多く豪華であった。するとディザスターは。
「おっ、パチンコ屋があるじゃねえか。皆、一緒に行こうぜ」
「えっ、パチンコ?」
とフォーチュンは驚く。中へ入るとうるさい音が聞こえてくる。
「よし、俺様は今日はこの図柄揃い確率九九九九分の一をやって行くぜ!」
「これがパチンコか……どんなもんだろうか」
「あたしは見るだけにするわ」
「うちもそうさせてもらうでっ」
コロコロ……コロコロ……と球が進んで行く。そしてディザスターが赤保留を手に入れた。
「よっしゃあっ!赤は激熱だ!」
しかし派手な演出のわりにあっさりと外れてしまった。
「は?俺様に喧嘩売っているのか!」
ドゴオ!とディザスターは台を叩き壊してしまった。
「あっやべ……ついやりすぎてしまったぜ」
案の定黒服の店員がディザスターを捕まえに来た。
「逃げるぜ!」
ディザスターはその場から去っていった。一方フォーチュンは弱い緑保留で見事図柄揃いを引き当てた。その後の二分の一のラックトリガーチャレンジも成功し、連チャンに突入した。
「おお!何か凄いやん!」
「やるわねフォーチュン!」
「いえーい!」
何度も何度も連チャンを重ねて、最終的には五万球入手する事ができた。
「さてと……終わるときは僕はどうすればいいんだろう」
「うちが周囲を観察してどうすればいいか調査してみますわ」
ナゴミンはキョロキョロと人を観察した。
「ええ……まずはこの計数というボタンを押す。そして返却ボタンを押して出てきたカードを取る。次にカウンターにカードを渡して景品交換。最後に店の外にある交換所で景品を渡して換金や!」
フォーチュンは二十万信用ドルを手に入れた。
「二十万信用ドルがこんな簡単に手に入るだなんて……真面目に働くのがバカらしくなりますやんなあ」
「でも僕はもう二度と行かないよ。ギャンブルってのは最初だけ勝てるようにしてあるものなんだ。そしてハマった人をカモにする。ビギナーズラックが手に入っているうちに止めるのがいい」
「よく言ったわフォーチュン」
するとディザスターがフォーチュン達の前に現れた。案の定ディザスターはフォーチュンを羨む。
「クソ羨ましいなおい!……でもパーティの為の軍資金がこうして手に入った。このままホテルに行こうぜ!」
フォーチュン一行は金星のそれなりのブランドのホテルへ泊まる事にした。机へ座ると、フォーチュンはふと思った。
「そういや、まだディザスターの子分の事、僕達はあまりよく知らないな。どんな子達なんだ?」
「そういや紹介が随分遅れちまった。ほら三人とも。自己紹介だ」
「ヨツバです」
「クロバです」
姉のヨツバと弟のクロバは双子だった。
「ダイヤです」
「な?こいつら名前しか言わないだろ?全員人見知りなんだ」
自己紹介が済むと、一行はホテルのプールへと入った。ナゴミンは再びここで水泳大会をしようとしていた。
「温泉ではできなかったけど、ここでなら水泳大会し放題やな!」
「ナゴミン。あたしと勝負よ」
「負けないでーっ!」
レイとナゴミンはすっかりプールを満喫していた。
一方、ディザスターはフォーチュンに何か話したい事があるようだった。
「なあフォーチュン、二人で話したい事があるがいいか?……俺様の過去についてなんだが」




