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アテナちゃんの神界物語  作者: れんP


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6/13

第五柱 「はじめての調査任務」


 


会議が終わった直後。


 


「はぁぁぁぁぁ……」


 


オリュンポス神殿の廊下に、盛大なため息が響いた。


 


「どうしよう……任されちゃった……」


 


肩を落としながら歩くのは、アテナ。


知恵と戦略の神として任務を任されること自体は珍しくない。

……だが今回のそれは、少しだけ“重い”。


 


「“ほころび”の調査、か」


 


後ろから声がかかる。


振り向けば、そこにはヘパイストスの姿があった。


 


「おじいちゃん……」


 


「はっはっは、そんな顔をするな」


 


豪快に笑いながら、アテナの頭を軽く撫でる。


 


「お前ならできる。あの場での分析、見事だったぞ」


 


「……でも、まだ何も分かってないよ」


 


ぽつりと呟く。


 


「だからこそ、調べるんだろう?」


 


その一言に、アテナは小さく目を見開いた。


 


「……うん」


 


「よし、それでいい」


 


ヘパイストスは満足げに頷くと、懐から小さな腕輪を取り出した。


 


「ほら、これを持っていけ」


 


「これって……?」


 


「ワシが作った探査用の神具だ。目に見えない“歪み”も、ある程度は感知できる」


 


「え、すご……!」


 


「ただし、使いすぎるなよ。お前の知恵で補え」


 


にやりと笑う。


 


「うん! ありがとう!」


 


アテナは嬉しそうに腕輪を受け取った。


 


「さて……まずはどこから調べるかだな」


 


 


――その頃。


 


神界の片隅。


 


誰にも気づかれない場所で、“それ”は揺れていた。


 


まるで空間そのものに、ヒビが入ったかのような歪み。


 


そこから、何かが“覗いている”。


 


「……」


 


言葉はない。


 


だが確かに、“意思”だけがそこにあった。


 


 


――再び、アテナ。


 


「よし……まずは、ヘスティアの言ってた“炎の揺れ”から調べよう」


 


手首の腕輪が、かすかに光る。


 


「原因があるなら、必ずどこかに“繋がり”があるはず」


 


知恵の神の瞳が、静かに輝く。


 


「待っててね、“ほころび”」


 


 


それはまだ、小さな異変。


 


だが確実に、神界の奥深くで広がり始めていた――。


ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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