282話 コレどうしよう?
強制的な毒付与。流石に回復するが鱗をどうにかするには役立つ。一応、電撃で鱗を逆立てる、毒でランダムに鱗の隙間を増やして中の肉に攻撃すると言うセオリーはある。他の方法?山程あるけど、水中戦で酸素補給なしでノーリスクなのは30分、リスクありでも戦えるのが追加の30分。トータル1時間を考えつつ、長引くなら酸素補給まで考えて弱点を狙いたくなる。
まぁ、そんな事を考えつつも水龍の口の中へ突貫!モンスター内の作り込み?されてるけど割と凶悪よ?なにせモンスターとしては食ってるって話だから、デカい歯で噛まれそうになったり、すり潰されそうになったり、舌で乱打されたり・・・。
「ちょ!なんでツキさんまで!?って、それなに?」
「ハロー陸亀さん。装備を水着に戻してるから良き良き。毒餌として食われることにしました。ところで、モンスターに丸呑みされたご経験は?」
「すすんで丸呑みになんかされるか!・・・、えっ?もしかして中は全部弱点とか?それなら・・・。」
「ナイナイ。そんな仕様なら大型モンスターは全部美味しい経験値じゃん。一応、ダメージは入るけど倍率は変わらないよ。それに私が出したサンダーマインが山程流れてくるし、今回は水中だから下手すればモンスターの食道に当たって紅葉おろしコース。」
「ならなんで!俺だけなら脱落1だろ!?」
「その脱落1が痛いし、やりたいことがあるから来たんだよ。手短に話すけど、体内は・・・、シューティングレースゲーだからね!」
「は?」
『その心臓、貰い受ける!』
『ボクは爆発するクラゲ・・・、共に死のう?』
『マーマン泳法を見よ!』
「なんで他のモンスターが!」
「そりゃ水龍が食ったからだよ。回避重視!この水流で水系モンスターは速くなる!」
強制スクロールシューティングゲーム。岩に当たれば死に、雑魚にあたっては死に、パワーアップしたと思ったら、何かに当たってすぐにレベルを下げられる・・・。
ダツ・ダーツは敵の弾!爆発クラゲは接触死亡オブジェクト、そしてマーマンはバックアタックしてくるイヤらしい雑魚!生き残るにはただ1つ!エラから出るだけ!なら、さっさと前に泳いでモンスター達とレースだぜ!
「狐泳法!尻尾泳ぎ!」
「あっ!その加速ズル・・・、くねぇな。ぶち当たったらダメージ貰う3D回避ゲーとかで加速とか・・・。大丈夫なのか?」
「両手で尻尾掴んでるから大丈・・・、あっ!1尾消し飛んだ!いやっ!横に私が出したサンダーマインが!」
「あっぶな!水着じゃなかったら俺も直撃してた・・・、なんでこんなに通路がうねるんだよ!」
「水龍が動く、フロムさん達が攻撃する、水龍が暴れるの影響でございますことよ?ちょっと壁に寄ってヘッドバッド!いや!水流でクルクル回る〜。」
『その右腕、貰う!』
「それ、絶対楽しんでるだろ!あたっ!ダツ・ダーツが刺さった!」
「そりゃぁゲームだから楽しまないと!うっぷ。流石に目が回ってくる・・・。」
『あぁ〜・・・、ボクに当たったね?』
『横にいるボクも一緒だね!』
「やっば!連爆する!」
「よし見えた!装備変更:黄竜の盾!」
爆発クラゲが爆発し強制的に壁へ!さっきの爆発で更に尻尾は減ったし、このまま壁タッチするとHP半分は消し飛ぶなぁ〜。そして、即離脱しないとすりおろしによるスリップダメージが!と、言うか陸亀さんはなんでまたタワーシールドを?減速は出来るにしても・・・。それか!
「ツキさん手を伸ばせ!」
「空振ったらカッコ悪いからしっかり掴んで!」
伸ばした手が・・・、指が絡まり陸亀さんに引き寄せられる。ははっ、まさかそれがここで成立するのか。ナインテールに頼って盾を使わないから、そんな事ができるとは夢にも思わなかった!
「この盾サーフィン、どれくらい持ちそう?」
「できればそのレベリオンヘッドやめてくれないか?お姫様抱っこはいいとして、俺の眼の前がレベリオンの頭だぞ!」
「やりたいことがあるからまだダメ!後、腰と言うかお尻の辺りは気をつけて、ナインテールが再生してくるから!」
「あいよ。盾サーフィンはモンスターを倒せばサーフ時間が伸びる。つまり、クラゲを轢けば伸びる!」
陸亀さんにお姫様抱っこされてるのはいい、クラゲに盾を当てて爆発してジェットコースターなのもいい。ただ、360°回りながら進むのは結構辛い!
「エラはまだか!」
「多分もう直ぐ!エラの近くに行ったら私をリリースして!中で毒ばら撒く!そしたら鱗の隙間が広がる!」
「なら、そこから総攻撃だな!先に酸素補給はするが・・・。アレがエラでいいか?」
「アレでいいよ!隙間を通り抜けて!」
縦に並ぶ網みたいなもの。それがエラで隙間からは外が見える。ただ、エラにへばり付いたモンスターもいるし、肩越しに後ろを見れば大きくうねった舌が壁と挟み込もうと上がってきてる。あんまり中に留まる時間もないか。
「リリースするぞ!」
「よし!ならやってから出る!」
陸亀さんを見送り、流れに逆らう様に泳ぎながらデスクラウドやらデッドリーポイズン、生態侵食何かを乱発して重ねつつ合間にヘッドバッドを仕掛けてようやく毒状態にできた。毒の種類やモンスターの種類にもよるけど、プレーヤーくらいまでの大きさならモンスターが咳込んだり泡吹いたりするし、それよりも大型だとたまにジタバタしだす。
更に大型だと?血管っぽい紫の筋が入る。一応毒状態を可視化するためと言うか、そのラインがある限りは毒状態。中から見てもちゃんと青筋と言うか紫の筋が入ったから、鱗に隙間も出来ただろう。
「戻ったか!」
「戻ったよ!私も酸素補給してくる!」
「行ってこい!俺とフロムさんは的当を楽しんどくぞ!誰もいないなら範囲攻撃も使い放題だ!アルテミスシュート!」
「えっ!?フロムさんも?・・・、あぁ。拡張骨格ね。うわぁ・・・、ハープーン・キャノンとかガチャ限なのによく持ってたなぁ〜。」
床にどっしりと踏ん張りデカい銃を腰溜めに添えて、水龍に向かって陸亀さんのロボと共に砲撃するフロムさん・・・。亜人の銃苦手は仕方ない。それでも銃を使いたいなら、両手装備の重火器系、それを乗り越えるなら拡張骨格。
人気不人気で言うと、装備すると文字通り体が大きくなる近未来チックな防具と言うか鎧?だから、体を動かす事に慣れたプレーヤーにはあんまり人気がない。性能は悪くないよ?ジャンプ距離とかも上がるし。
そんなフロムさんの横を通り過ぎ、ブクブク泡の出ている場所に頭を突っ込む。そうすると酸素ゲージが回復していく。ズルしようとするなよ?手を入れても酸素ゲージは回復しないからな?ちゃんと顔を入れないと回復しないからな?
「外はどう?中から毒状態にしたけど!」
「どうにか鱗を何枚か剥がしだぞ!銛のリリースをミスって振り回されとったわい。しかし、陸亀さんはどうしたんじゃ?海亀みたいに盾サーフィンで移動しまくっとるが・・・。」
「私も知らなかったけど、水中でも盾サーフィンは有効みたいよ?」
「おっしゃー!!盾が使えるならどうにかできる!シールドバッシュ!シールドブーメラン!そして突撃!からのシールドサーフィン!」
『この羽虫どもが!瀑布!水龍舞!タイダルウェーブ!』
「うぉぉ・・・、壁に磔にされてダメージが!ヒール!ヒール!ハイヒール!みんな大丈夫!?キツイならヒール飛ばすよ!」
渦潮やらが飛んできた上でタイダルウェーブで壁への叩き付け!水中だからタイダルウェーブの火力は低い、その代わり距離移動と連続ダメージが!回復した尻尾が全損してHPゲージがガリガリ削れる!
1番近くにいた陸亀さんはもろにくらって、結構な勢いで壁に叩きつけられたけど・・・。あっ!ピクピク動いてるから大丈夫かな?自分でヒールやらポーション使ってるみたいだし。
「俺にヒールくれ!ポーションがない!」
「はいはい!イヴァさんヒール飛ばすよ!コラ水龍!こっち見んな!装備変更:対巨獣用戦艦ビーム砲レプリカ・・・、ピンポイントシューター、精密射撃、高速チャージ、発射!」
沈みつつもビーム砲を発射!減衰するけど誤差だと思いたい・・・。榴弾砲とかの実弾系は減衰しない代わりに弾速が遅くなるしねぇ・・・。紫のラインが入って肉が見えてるからダメージ効率は上がってるはずだけど・・・。と、言うか中々磔から解放されねぇ・・・。
『・・・、脱皮。』
「総攻撃ボーナスタイム!」
「今削りきれ!上級でもレベル5ならできるはずだ!」
「確か10カウントだよな!?龍種の脱皮ボーナスタイム!」
「そう!脱皮中は一時的に防御力が下がって鈍くなる!でもその後は1.3倍くらいになって更にいやらしくなる!」
脱皮の宣言で水龍の鱗か1枚、また1枚と脱落していく・・・。それはさながらキラキラ光るスノードームのよう・・・。周りの光る海藻なんかと相まって凄い綺麗で撮れ高は期待できる。でも、そんなことを考えてる場合じゃない!
「採取、採取、採取!バフ盛るよ!」
パーティー単位のバフはMP消費が激しいので、装備を大麻に切り替えてMPポーションを挟みつつバフを盛る。なにを使うかなんて分からないからとりあえず盛れるだけ盛る!もったいない?トラブルオンラインのMP回復速度は伊達じゃない!更に大麻装備で倍率ドン!ついでにいつか使おうと思ってた異時同図法図も装備!
「採取!バフサンキュー!自前のバフは盛ったからガンガン行くぜ!ここで死に晒せ龍種!」
「採取!今ならワシもハンマーで行けるわい!」
「ちょっとベテラン方?その採取はなに!?総攻撃だろ!?」
「陸亀さんたまに採取して!その剥がれた鱗・・・、次は水流に乗って私達を殺しに来るから!」
「ちっ!お得意の自前武器精製かよ・・・、採取!アタッカーとして双剣で行く!」
『ぐぬ!こ、この!』
「はっはっはっ!こちとら陸上生物なんだよ!眼の前で脱皮なんかする方が悪い!魔法ループ叩き込むから範囲気をつけて!サンダーレイ!サンダーカノン!」
『はっはっはっ!こちとら陸上生物なんだよ!眼の前で脱皮なんかする方が悪い!魔法ループ叩き込むから範囲気をつけて!サンダーレイ!サンダーカノン!』
「うぉ!?ツキさんが2人に・・・。異時同図法図?覚醒させてる?」
「『してない!だからそこまで強くはないけど、手数は増える!』」
「声がダブって聞こえてやかましいの、それ。」
「『私もここまでやかましいとは思わなかった!ハイ・ブラズマカノン!デンデラリュ』」
「ケラウノスシューター!なんでもいいから今は押せよ!このまま削りきれずに水龍が動き出したら、辺りに電流ばら撒くぞ!」
「分かっとるよイヴァさん防御貫通は痛かろう?天地轟雷!ちっ!やっぱり足場が悪い。普段通りのモーションにならん。」
「それでもエグいエフェクトでてるよフロムさん。サンダーエンチャント!回転切り!両断する刃!ダブルスラッシュ!蜂のひと刺し・・・!」
陸上さんがどんどんアーツを叩き込んでるから奥義狙いか?なら、カウント管理もしとくかな。どこに当たってもいいけど脱皮が完了と言うか新しい鱗が生えてる所に当たってもダメだし。
「『陸亀さん!残り2!』」
「双剣の極意:ディザスターカッター!」
『おのれ・・・、おのれぇぇぇ・・・!!!』
脱皮中の総攻撃、それでかなり削れた。そして、その勢いのまま脱皮が完了してもどんどん攻撃を行い押し込む!確かに水流に流されて、舞う鱗でボコボコダメージが出て、その巨体で泳ぎ回って打ち付けたりはしてくるけど、逆鱗に攻撃してバーサークなんかはさてやらない!
『くっ・・・、我が種の繁・・・、栄・・・。』
「た、倒せたよな?」
「水が抜けて水龍がポリゴンになって消えたから倒せた。ちっ!やっぱり宝箱はでないかぁ〜。シケてやがる。」
「まぁ、本来のボスじゃなくて裏ボスじゃしの。」
「まぁ、ここで1デスだけなら安いだろ。上級相手だし、レベルとメンバーに助けられたか。」
途中でうっかりデスった俺とイヴァさんは見なかったものとする。いいね?水中だからと壁を蹴って立体機動で攻撃を仕掛けたけど、とぐろのド真ん中にご招待されて、そのままスリップダメージで殺しきられるとは思わなかったぜ!まぁ、復活援護でフロムさんと陸亀さんが挑発しながら泳ぎ回ってるのを眺めるのは、ちょっと面白かったけどさ。
「宝物庫入ろうぜ、なんかいいもんあるだろ。」
「なかったらキレる!」
「俺の労力を返せと叫ぶ!」
「ここにパーツがなきゃ、ローラー作戦で全部屋再度見て回るぞ?ブチ切れながら。」
(なんで俺よりも年上だろうこの3人は、こんなに元気なんだよ・・・。水龍討伐含めてもう3時間くらいだぞ?)
「じゃぁ、幸運の大麻をフリフリと。フロムさん開けて〜。」
「うむ!」
フロムさんが扉に手をかけ押していく。宝物庫・・・、まぁ流れ着いた物が色々置かれていて、なにがあるかは分からないランダム報酬部屋なんだけど、壁にはなんか凝ったレリーフが掘られてたり、宝石がはめ込まれてたりとゴールド換算にすると結構美味しい部屋ではある。
そんな部屋の中央に宝箱が山積みで置かれてるけど、それよりも欲しい物は部屋の壁によりかかるようにしてあった。正面から見れば錆びくれていて、剥き出しの配線は火花を散らすこともない。でも、原型は留めている。そして、あの蔵で見た姿とそれは瓜二つ・・・。
「あった!ようやくパーツが取れそうな奴があった!」
「落ち着いてフロムさん!ここでタップミスとかしたら洒落にならないから!ほら、ヒッヒッフ〜・・・。」
「ヒッヒッフ〜・・・。」
「介護士とジィさんはいいとして、俺と陸亀さんは部屋を勝手に漁るぞ〜。どこか採掘ポイントねぇかな?虹の法螺貝が欲しいんだが・・・。」
「俺はなんか武器かなぁ。流石に水中戦用の武器が少なくて今回は辛かったし。」
部屋を物色する2人はいいとして、意を決したフロムさんがウォーカーアーマーの前に経って手をかざす。そうするとなにを採取するかのリストが現れる。やっぱりか、事前になにが必要か聞いておいてよかった。リストにある項目だけで10以上も採取できるパーツがあるし。
「メイン回路と脚部じゃよな?」
「そう。と、言いつつもクエスト受けたのはフロムさんだから、フロムさんしか確認できないよ。まぁ、記憶にある限りはそうだけどさ。」
「そ、そうじゃな。うむ、間違っとらん。先ずはメイン回路を採取。」
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メイン回路の採取に成功しました
残り採取回数は1回です
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そのまま脚部を採取すると、ウォーカーアーマーは風化して消えてしまった。現物が残ってれば無理やりにでもなにか採取できないか試したものを・・・。
「ふぅ〜・・・、柄にもなく緊張したわい。ありがとうツキさん、イヴァさん!陸亀さん!ありがとう!パーツの採取は完了したぞーー!!」
「水臭いですよ、フロムさん。と、言いつつもここのボスは倒してないし、コンテナが2個残ってるんですけどねぇ。まぁ、ぼちぼち見て回りましょうか。と、そこの2人!私の分も残しといてよ!」
「介護士ツキさんだろ?悪いが根こそぎもらうぞ?コレはゴールドだけかよ。」
「俺も俺も!おっ!海の漢トライデント?割といいじゃん!」
「ワシはいらんから3人で分けてくれ!」
3人で宝箱を漁るウミユリの化石やら特大エメラルド、水中銃はいらないなぁ・・・。と、次が最後か。なにが出るかな、なにが出るかな♪
「・・・、ちょっと集合!」
「なんじゃ?」
「なんか変なもんでも出たか?」
「オパール系なら交換するぞ?今集めてんだよ。」
「いや・・・、私は私の幸運が怖い。ラックなんてもんはないゲームだけど、幸運の大麻フリフリはガチなのか・・・。メイン・コアがでましたです、はい。」
「「「は?」」」
アマテラス!貴様見ているなぁ!いや、医療提携型AIか?岩戸さん曰く注目したいプレーヤーにメイン・コアはでやすいらしい。それは絶対でもなければ確実でもなく、ドロップした本人が使う使わないまでプレーヤー側に依存する。でも、こうして出ちゃったんだよなぁ〜。
でもメイン・コアが出たからと言って俺の場合使うロボがもうない。なにせメイン・コアを使うにはロボがいるし、そのロボは各プレーヤーに対して1体。俺の場合ブライトがいるから使い道がないのよね・・・。
「ちょ!それツキさんどうすんの!?」
「おいおい・・・、買うが?売るなら俺は買うが?」
「う〜む・・・、ワシは降りる。今回は3人に時間割いてもらっとるし、はなから目的外のドロップ品は譲るつもりじゃった。」
さてどうしたもんかなぁ〜。もしかしてだけど~、もしかしてだけど~、座敷童子大先生の横の部屋に行ったからなんじゃない〜。と、言いつつも座敷童子大先生の加護って俺に当てはまるんだろうか?




