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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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266話 やっきざっかな!やっきざっかな!

 荒れ地を抜け船大工の集落へ。道中?岩塩と塩水はかなり拾ったよ!まぁ、他にめぼしい物と言えば夜だから出てきたのか、セブンスリッチと言うモンスターが列をなして7体現れた。初見だと面倒と言えば面倒だけどなんだよねぇ。


 どれか1体倒すと『アナタが7人目』と言う呪いを受けて、受けたプレーヤーには足枷と鉄球が現れる。そう、鈍足効果!下手にハマるとモンスターがどんどん湧いてきて嫌になっちゃうよね。まぁ、リッチのローブと鎌も拾えたからいいか。


「お〜い、やってるか船大工ども〜。」


「今は夜だぞ稀人ども!これから飯だがなんの用だ?」


「なに、海図と船を1隻出してほしいんじゃよ。」


「はぁ?今の時間帯はな・・・。」


「ほい、300ゴールド。まぁ、これでうまいもんでも食ってよ。」


「だからな。」


「前金で20万ゴールド、後払いで40万ゴールド。当然、ワシ等が死ねば取っ払いでいいぞ?」


「・・・、話を聞こう。」


(流れるような反論塞ぎだな、おい。)


(言うなよ陸亀さん。ちまちま話し時間食うよりは、テーブルを最初から傾ける方が早い。それに、変にゴネられてもかなわん。)


 船が納められているデカい工場の扉を開き、流れるように交渉の席へ。夜に来ると飲めやら歌えやらと、何かとここの大工たちは待たせようとするのよね。まぁ、そんな首をさっさと縦に振らせるのがゴールドである。


「で、どこへ行きたい?見たところ4人だが、これで全員か?」


「そうじゃよ。ちと、海底神殿まての。」


「・・・、お前たち歳は?」


「全員250歳。色々寄り道する予定じゃったが、直線上にある孤島だけで後は墓場の方に直行、待機はせんでええ。」


「アイテムは揃え済みか・・・。丸太は?」


「たんまりと。陸亀さんとイヴァさんは?」


「少なくとも1000本単位で持ってきたぞ?」


「同じくだ、夜の海ならそれくらいいるだろ?」


「はぁ~・・・、送るだけだな?待機して物資の販売もしなくていいんだな?」


 船をチャーターしようとすると必ず聞かれるセリフ。船を現地に残すメリットはあるよ?船を待機させていると船頭がアイテムを売ってくれる。なんなら注文をつけるとそのアイテムを多めに仕入れてくれる。デメリット?船が壊されるから誰かを残す必要がある。


 船を修理してれば船頭はロストしないけど、残ったプレーヤーが死んでしまえば、その時点で急いで戻らないと船のロストも確定する。そうしたら、支払うゴールドもまた跳ね上がる・・・。まぁ、借金したら地道にモンスターの素材売るといいよ。


 なにせそぐわないレベルのところに、自分から突っ込んで行ったってことだしねぇ。最悪丸太を結構な量納品しても許してはくれるし。そう言えばNPCをロストさせたくない派の人はどうにかしてNPCを船に乗せて襲撃イベント回避させようともしてなぁ〜。結局街のNPCは船に乗らなかったらしいけど・・・、2章ならバティシステムで乗ってくれる?


「そうじゃ。後払い金は金庫に入れて、鍵は船頭に渡す。道中の戦闘で逃げられてもかなわんしの。」


「OK、OK。なら、リストを出すから船頭を選んでくれ。船に指定は?甲板で戦うならそこそこデカいやつ。銛撃ちで海魔を沈めるなら何機か積むぞ?」


「誰か射手やるか?やらんなら甲板の広い船を借りるが・・・。」


「やっていいなら私やる!爆薬草渡すから爆弾も乗っけて!」


「追加料金だが?」


「いいよ、樽代でしょ?丸太と爆薬草渡すから40個くらい積んで。」


「本当にいいんだな?返さんぞ?」


「ケチ臭いことは言わないよ。」


「ツキさんはなにと戦う気なんだよ・・・。」


「ツキさんのフレのお前がしらんなら俺もしらん。フロムさんのフレと言うだけで変わり者感はあるが・・・。」


「なに?イヴァさん、フロムさんって変わり者?割とストッパーだと思ってたけど?」


「昔、騎士団にカチコミかけたぞ?『ワシが追われるのに、フレのアイツが逃げ果せたのは気に食わん!』てな。」


「あ〜・・・、その逃げ果せたフレは多分ツキさんだわ。あの2人、今は丸くなったんだな・・・。えっ?イヴァさんもなにかした感じ?」


「俺は風変わりなことなんてしてないぞ?強いて言えば、モンスタートレイン作って何体貫通するのか?とかやったくらいか?飽きたら周りにモンスターのお裾分けはしたが・・・。」


「十分アンタも風変わり組だよ・・・。なんだろうなぁ・・・。俺、結構ギルティ方面で頑張ってるのよ?」


「悪さを比べるもんでもなけりゃ、よさを比べるもんでもないだろ?なんだ?暗殺でもしまくってるのか?」


「最近はそれが多い。でも、同じくらいコイツを探し出せってクエストも増えてる。」


「人探しか、なにかの仕込みかもな。」


 後ろでくっちゃべってる2人はいいとして、船の方は準備ができた。残る船頭指名でちょっと悩む。出されるのは性格と今の状況4人分。勇猛果敢やら冷静沈着はいいとして、臆病も捨てがたい。一件デメリットを感じるかもしれないけど、この性格が索敵範囲が1番広いんだよなぁ〜。


 ちなみに最近大金を得たと言う状況表示があると、割と不真面目になる。逆に困窮中と出ると、プレーヤーになにかを売ろうとしたりしてくる。


「フロムさんどうする?」


「夜を考えると臆病じゃろ。しかし、状況がのぉ・・・。」


「最近子供が生まれた?う〜ん、これがあると寄り道しづらいんだよなぁ〜。早く帰りたいって言うし。」


 夜の船出で勇猛果敢は論外。日中なら優秀なんだけど、夜でもモンスターがでたら交戦したがる。冷静沈着は悪くない、しかし懐に余裕の状況は気になる。残るのは臆病と見習い船頭。見習い船頭はプレーヤーの指示通りに動いてくれる。その反面、プレーヤー側の指示がないと動かない。


「じゃが今回は臆病、これじゃろ。他を出せとゴールドをだしてもいいが、それでええ性格が来るとも限らん。」


「なら、この船頭で」


「ビル・クリストフか。おい!ビル!仕事だ!行き先は海底神殿、海図に地点は打ってある。」


「えっ!?夜ですよ?海魔が・・・。」


「お前にも子供ができたんだ、稼いでこい。少なくとも今回の稀人御一行は全員250歳だ。」


「まぁ、それなら・・・。よろしくお願いします。」


 バンダナ巻いてチョッキを着たビルはちょっとなよっちい。でもまぁ、連れて行ってくれるならいいとしよう。そのなよっちさが索敵能力になってるんだし。ドックに行くと両サイドに銛撃ち機が付いた船があった。帆船だと思うだろう?


 残念な事にこの世界の船はそんな古臭いものではなく、外見だけなら強襲艦やら空母やらである。悪い運営の運営はちょいちょい『これはファンタジーSF』とアピールしてくる。まぁ、甲板でモンスターと戦ったりするから、広さを確保するならこうなるんだろうなぁ〜。あんまり小さいと沖に出た時に海魔にボリボリ食われるし。


『船の操縦は任せて下さい、でも戦闘はお願いします。資材を援助していただけるならそこの箱へ。後は・・・、海の上は大丈夫ですか?』


「大丈夫!水蜘蛛もウォーターライドも使えるよ。ないならバフ盛るから言ってね。」


「海の上をウォーターライドで行くのはどうもなぁ。同じトランポリンなら俺は水蜘蛛で走る。引き上げは頼むぞ?」


「俺も走る派かな?ツキさんのMPが切れたらドボンだろ?」


「なら、ワシとツキさんだけじゃな。まぁ、ワシも水蜘蛛は使えるから大丈夫じゃろ。とりあえずみんな、ボックスに大工道具と丸太を入れといてくれ。」


 ドックから滑り出るように夜の海へ。普通の陸フィールドよりも海フィールドは暗い。これが雨やら暴風なら更に揺れるし視界は悪い。とりあえず、今日は穏やかかなぁ。そうなると、肥料用に骨集めが捗る!


『左側面!ダツダーツの群れです!他も!』


「ヒュ〜ッ、大漁!」


「やっきざっかな!やっきざっかな!狐火!」


「マーマンかよ・・・、セイレーンの方が好みなんだがなぁ。」


「なんじゃイヴァ。前はセイレーン嫌いだったじゃろ?」


「なに、サキュバスかち割るのもドライアドかち割るのも変わんねぇと思ってな。一応、こんな見た目でも俺は紳士なんだぞ?ライトニングボウ!」


『特攻!我らダツダーツは特攻のみ!刺され!貫け!その心臓貰い受ける!』


「サイクロンハンマー!!悪いがお前さん達の特攻はダメージがデカいのでの。ツキさんそっちは?」


「えっ?陸亀さんが盾を貰った喜びに打ち震えて、ダツをガンガンジャストガード粉砕してますよ?頑張れ〜。」


「夜だから多いって!クロックアップ!刹那の見切り!反応する肉体!・・・、ちっ!PvP考えるとあんまりバフは見せたくないんだがね。と、言うかツキさん楽してない?」


「なら魔法ぶち込みしょうか?双子の雷神!雷獣招来!デンデラリュウ!ハッハッハ!!!まだ雷がよく効く!で、ちょっちドロップ品拾ってきていい?」


「ん?海上散歩?」


「ついでに海中も見てくる。ロープだけ切られないようにしといて。ては、とうっ!」


 臆病な性格のおかげでモンスターを先に見つけて報告してくれたり、避けたり振り切ったりしてくれる。そのおかげで結構早足で進めてるけど、その分振り切れないモンスターは強めなんだよなぁ〜。まぁ、夜に船出す時点で強いのはわかり切った結末なんだが・・・。


 それはそれとして、甲板に上がる前に魔法で焼いたモンスターのドロップも惜しい。一応、船側でも回収はしてくれるけど、全部じゃなくて大体半分とか?全回収指示を出せばしてくれるけど、その分止まったり速度を落としたりするから、自分で取りに行くしか・・・。


『前方クラーケン!か、海魔か!?浮上してくるけどデカい!』


「なんですと!?飛び蹴り!」


「お早いお帰りで。よくもなぁ、あんな軌道を。前にジャンプして反転飛び蹴りとか、どうやってんの?」


「あぁ、ソバットのイメージですよ。なにせジャンプしてからの飛び蹴りは色々と悪さが出来ますからねぇ。と、銛撃ちしますよ〜!」


『オレ、マーマン。アナタのなか〜ま・・・。』


「お前のような仲間がいるか!?ダブルチョッパー!ツキさん風穴開けたれ!ビル!船の損傷は?」


『ダツダーツが刺さった部分の装甲に穴が空いてますけど、軽微です。修理していいですか?』


「箱に入れた丸太は使ってくれ!軽微?すぐに大破するだろ?早く直せ!」


「的がデカいと撃ちごたえがあるぜ!あっ!触腕出た!甲板叩き付け来るぞーーー!!!」


「あんな見える攻撃ならジャストガード余裕っしょ!後は頼むぜ!」


「あいよ、流石にこのデカさは反動硬直があるか?」


「流石にデカいクラーケンだから、なっ!」


 バスバス撃ち込む銛を嫌ったか、クラーケンが甲板触腕を振り下ろす。それを陸亀さんがジャストガード!ガキンッの音はいいものの、あまり体格差があるとジャストガードしてノーダメでも硬直が出るのよねぇ。そんな固まった陸亀さんをフロムさんが抱えて走る。


 流石に触腕一撃で船は沈まないけど、丸太がどんどん修理に吸われるから、ガードできるならした方がいい。失敗したら?ペチャンコと言う名の大ダメージだよ!一応、ナインテールも触腕をオートジャストカードしてくれるけど、一撃で全損させられると言う・・・。くっ!吸盤か!あれに吸われるのか!まぁ、吸盤の真ん中にはイカトンビがあるんだけどさ・・・。


「一点突破!コンセントレーション!月の女神よここに・・・、アルテミスシューター!!」


 No民の人も使っていたアルテミスシューター。青白く輝く矢がクラーケンの眉間にヒット!おっ!ポリゴンになったから倒せたか。


「いやー、夜の海っていいでゲソね。」


「そんな事を言っとるとアレもでてくるんじゃなイカ?行くのはサルガッソ地帯じゃしなでゲソ。」


「だから樽を用意したんでゲソよ。」


「夜の海になんかでるの?あんまり海にでないから知らないんだけど?」


「ゴーストシップじゃよ。」


「乗り込んでスケルトン海賊団をボコして船長の帽子をむしり取る遊びだろ?小舟で近づいて昔はよく忍び込んだ。あの帽子がなぜか高値なんだよなぁ〜。それにスケルトンどもも泳ぐと言うか漂ってくるし。」


「そう。だからコイツを海に投げ込んで爆発して船を沈める。あんなボロ船なら2つもあればどうにかなるんじゃなイカ?」


「いや、俺に疑問形で聞かれても・・・。そのイカとゲソはツキさんやめない?」


「えーっ、これ撮影中よ?やれることはやった方がいいんじゃなイカ?でも、インビジブルゴーストシップは消えろ。」


「なんか違うの?名前的には幽霊船じゃん。」


「急に立ち込めた深い霧の中、瓦礫のような船と出会っても先に攻撃を仕掛けるな。だが決して目を逸らすな。その船は持ち主の魂を抱えて彷徨い、同胞となる船員を求めて近づいてくる・・・。ぶっちゃけ、霧がでたら真横にいる系の幽霊船。めんどいとはレイスとかの飛行系のモンスター満載だから普通に飛んでくる。」


 普通のゴーストシップは先制攻撃としてスケルトンを船に撃ち込んでくる。それなら着地狩りもできるから結構余裕がある。でも、インビジブルゴーストは霧に気付いて一気に加速して逃げないと、真横に現れてどんどんゴースト系のモンスターを送り込んでくる。


 乗り込んで船長をぶっ倒せばおしまいなんだけど、一匹の強いモンスターとワラワラ湧いてくるモンスター。どちらが海では面倒かと言われると、船の損傷考えるとワラワラ系がイヤ。なんならダツダーツの連続エンカウントとかもイヤ。


 これが勇猛果敢だったら、ちょっとモンスター見つけたから近づこうぜ!とかいい出すんだよねぇ。まぁ、レベル上げとか素材集めならそれもありなんだけど、今は海底神殿へ早く行きたいからね。


『海魔来ます!・・・、新手か?見たことないタイプです!』


「なに?レアモンスター?誰か情報ある人挙手!」


「しらんな。」


「俺は海にでないしなぁ。むしろツキさん知らない?ちょっとジャンプしてよ?情報の音がするかもしれないし。ほら、飛べ!ちょっと、そこの板を飛びながら進んで!」


「ヒィィ・・・!あの板海にせり出してる!って、そもそも情報の音ってなんですか?情報の音って。電球でも光ります?こう・・・、ツキちゃんフラッシュ!」


「うぉ!ご来光ヘルメットが眩しっ!」


「ワシも目に来た!それ眩しい!ツキさんやめーや!」


「まぁ、殴ればいいだろう。ビル!大きさはーー?」


『そこまで大きくはありません・・・、なんだコレ・・・。取り付いた!甲板に上がります!』


「あっ・・・。海にお帰りさせて差し上げろ!」


「これって・・・、邪神の影?へー、初めて見た。」


「1番ホットな獲物じゃねぇか!いらんから突き落とすぞ!」


「ワシも杭の欠片はいらん!さっさと海へ帰れ!」


 なんでこんな所で希少ボスが出てくるんですかねぇ!?てか、本当に希少ボス?確かに邪神みたいにイモムシはだしてるけど体は黒いモヤで覆われていて、人型と言うか不定形と言うか目印みたいにイモムシだけは淡く光ってるのよね・・・。

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