261話 演者が増えるよ!
「巫女さんのお昼はなぁ〜にぃ〜?」
「やっちまったなぁ!私は黙ってヒレカツ!私は黙ってヒレカツ!」
「6枚は多すぎるょぉ〜。まっ!私も6枚食べてるけどね。」
「それはいいんですけど、なんでまたここで姫子さんが昼食を?三枝先生。」
「現状、姫子さんはスマホは持っていてもスマートレンズは所有していません。なのでソーシャルゲームや映像鑑賞は可能でも、脳波を使うタイプのメディアへは干渉できて・・・、いないと思われます。」
「あ〜・・・、やっぱり暇的な?」
「巫女さん暇だよ。前に戻りたいとは思わないけど、前ほど自由もないしぃ。こーちゃんはお仕事で忙しいしぃ。赤ちゃんでもいればあやしたり、お腹の中ならプールでウォーキングとか、クラシック聞きながら編み物したりとかぁ・・・。」
めっちゃギャルっぽく話すけど、やりたいことだけはいい奥さんなんだよなぁ〜。まぁ、それが姫子さんの願いで雪女のさがなんだろうけどさ・・・。ママ友増やそうと言ってどうにかなるものでもないし、新生児室の前にはりつかれたらそれはそれで問題なのかなぁ・・・。
「ちなみに、今の状態で赤ちゃんの服は?」
「ロンパース?色々見てるよ!知らなかったけど、今は大人もロンパース履くんだね!」
「それって介護用の様な・・・。」
俺に女性のファッションを聞かれても困る。狐娘になって約4ヶ月、着てる服と言えば患者衣に狐の着ぐるみパジャマにスカートやらに・・・。あれ?割と華澄から貰ったり通販で買ったりしてるぞ?と、言うかヘルプ求めて見た三枝先生が目を逸らしてらっしゃる。
「介護?違うよ、こう言うの。」
「あ〜・・・、ワンピース水着なのかボディースーツなのか呼び名が分からない服か。えっ?姫子さんこれ着る?」
「う〜ん・・・、お腹冷えそうだからいいかな?こーちゃんも露出は控えろって言うし。」
姫子さんからスマホを見せられると、タンクトップボディースーツと記されている。パンツスタイルでこう・・・、脇腹と言うか下っ腹と言うかが両サイドの空いた部分から見えるし、どうもこう・・・、水着にしか見えない。
ただ、姫子さんがロンパースと言うのも分かるなぁ〜。股のところにボタンがついてて、トイレする時はそこを外すんだろ?多分俺は生涯に渡ってこの服を着ることもなければ、こうして見せられない限り調べることもなかったと思う。
「雪女が冷えを気にするという、壮大な矛盾はいいとして・・・。企画書的に姫子さんがNGそうなのってありました?」
「サウナはダメとか?」
「サウナ入る企画は出してないですよね?と、言うか温泉入るような企画は私自身が無理です。防水加工してると言い張っても、尻尾を温泉に漬けて炎上とか勘弁して欲しい・・・。と、言うか暑いのがダメ的な?」
「姫子さんの平均体温は35.5℃です。成人の正常な体温の範囲内ではありますが、場合によっては低体温とされる場合もあります。ちなみに、これはがん細胞が増殖しやすい体温帯でもあります。」
「三枝先生、がんってなに?病気?」
「病気と言えばそうですが、今の医療技術だと体内や皮膚にできる蕁麻疹のようなモノだと考えてください。」
「ブツブツは嫌だなぁ〜。こーちゃんのためにも綺麗な奥さんでいないとね!」
考えてみれば姫子さんが来る時は毎回違う服を着てるし、お化粧とまでは言わないけど、ちょっとした香水なんかはしてるっぽい。俺の香水?アレは虫よけだ。そうなると過去の人に女子力で完敗しているわけだが、女の子歴4ヶ月ならしゃあない。
「跡が残ることはありませんよ。ステージの問題もありますが、3程度までなら1週間程度。ステージ4になると2週間程度の入院となります。また治療方針でも変わってくるので、おおよそと考えておいてください。」
「投薬で髪が抜けることもなくなりましたからねぇ。ありがたやナノマシン。と、やるならやっぱりファッション系かなぁ〜。姫子さんの好きそうなファッションってある?」
「それはモチのロンでギャルっぽい服!こーちゃんがそれ好きそうだしね。でも、マタニティー服とかもいいなぁ〜。もしくは先取りして産後服?子供に御乳あげられるようになってるやつとか。」
嬉しそうに話してるけど・・・、そもそも姫子さんが子供を授かれるかは未知数なんだよなぁ〜。水を差すのは悪いとは思うけど、そこはどうしても考えてしまう。でも三枝先生がなにも言わない辺り、見通しは立っているのだろうか?
割と三枝先生って、無理なものは無理とズバッと言うタイプだし。じゃなきゃ白波先生を前に、露骨に嫌そうな顔とか態度とか取らないだろうし。いや?現時点だと俺やら姫子さんは患者枠だから逆にズバッと言わないとか?
「産後教育等はこの病院でも行っているで、その点に関しては産婦人科へ行かれるとよろしいでしょう。お産と言うものは、今も昔も未知数な部分がやはり多い。特に胎児の発育状況については顕著です。それよりも、今はどう言う企画を行うかです。」
「それもそっか。逆に巫女さんはどんな企画したい?発案はしてるけど、優先順位とかは書いてなかったし。」
「優先順位と言うか、企画の流れとしては2つ。1つは通年を通して出来そうなもの。例えばなにかを食べてみたとかね。もう1つは季節特有のもの、夏なら花火したとかね。別にこれと言ってバズを狙ってるわけじゃないから、活動日記風でもいいんだよ。」
「春はあげぽよ~とか、夏はナイトフィーバーとか?」
「現代語訳すると当たらずも遠からじ、ワロス。」
「マリちゃん逆に引っ張られてますよ。その前に姫子さんの紹介から始めると聞いていましたが?」
「それはまぁ、そうなんですよねぇ。ゲリラ的にLIVE駄弁り
配信とかでもいいんですけど、流石に姫子さんとくっちゃべってるだけだと絵になるかどうか・・・。」
下手にQ&Aとかするとなにを話されるかが怖い。それこそもう下手に妖怪いるよ〜とか、言い出したとしてもスマートレンズ付けてないから、こっそり指示とかも出来ないし・・・。いや、それはそれで今だと新しいのか?
他の配信者は知らないとして、番組を作るなら構成作家なんかが脚本なんかを作る。そうしないと変な発言で芸能人も炎上したりするし。でも、個人の配信チャンネルだといいのか?例えば配信内容自体もそういう事を言うかもすれば・・・。
「絵になる・・・。なにがとは言いませんが姫子さんは大きいし美人です。マリちゃんもまた、小柄で美少女或いは美マダムとして差支えはありません。そもそも、お二人の顔共に歪み等もなく血色もよいですし透明感もある。」
三枝先生は普通に褒めてる・・・、はず!姫子さんの胸を見てるのはいいとして、男の人の綺麗と女の人の綺麗は違うからなぁ〜。いや、でもまぁ。木本さん基準で好ましい姫子さんと三枝先生の綺麗が合わさって総合的に綺麗でいいのか。
どうせ全員の求める美なんてもんは幻想で、ところ変われば美人の基準も変わるんだろうし。前に海外の医者が言ってたなぁ〜、医者として日本人を見ると綺麗だけど、好みとしてはもう少し掘りを深くしたハッキリした顔がいいと。
「う〜ん・・・、先行ゲリラLIVE駄弁り配信とかします?するならお給料はだしますけど。」
「前言ってた歩合制?ならやる!」
「形態としてはそれですけど、実質アルバイトみたいなもんなんですよね。出演時間掛けるいくらって単価で支払うとしてますし、木本さんの方にも姫子さんのお給料はそれでやると伝えてますし。」
基本的な部分は時間単価、その後の配信の収益で上乗せと言う形で木本さんとは手打ちとした。この他に提供:宮内庁が入れば宮内庁からもお金は出るから、全体的なマイナと言うか利益率そのものは悪くないと思う。
「いつやる?今からやる?」
「流石に告知なしだと厳しいですよ。正月が終わって社会が動き出してもう1週間。最短だと今晩とかですかね?」
「なら、今晩やる!なにやろうかなぁ〜♪なに喋ろうかなぁ〜♪どうしたらこーちゃんの魅力を!」
「あ〜・・・、ある程度は質問投げるから答えてくださいよ?NGな話題集とかも後で渡すから呼んでおいてくださいね?・・・、LIVEじゃなくて録画配信の方がいいかなぁ・・・。」
言動だけ考えるとそこまでの不安はない。まぁ、眼の前に視聴者がいて話すわけじゃないから、上がるとかの心配はない。その代わり、人目がないから気も大きくなりやすい。う〜ん、初手LIVE駄弁り配信・・・。まぁ、明日は土曜だとしても告知してその日の夜ならそこまで集まらないか。
「必要なら敷田さんに話をするといいでしょう。本人もハルPはそこそこ気に入っているようですし。」
「敷田さんは忙しくないんですか?ブライトの件で結構大変だとは思ってるんですけど。」
「研究や検証と言うものは、急いで行うものではありません。確かに急ぐ場面、結果を出すべき場面はありますが、その時に全力を出すべきであって、常日頃から全力でいればいいといいものでもない。息抜きは必要でしょう?」
「息抜きになるなら願ったり叶ったりですよ。敷田さんにも連絡しておきます。」
そんなこんなで敷田さんに連絡して、本人もノリノリで来ると言うのでお願いしつつLIVE駄弁り配信の告知を流す。過去のアーカイブを見ればゲームが多いけど、温泉街を歩いたりパーキングエリアで飯食ったりした動画もそこそこ見られてるな。
『3、2、1、キュー。』
「どうも〜、狐巫女のツキです〜。本日は駄弁り配信!正月明けのお勤めご苦労様でねぇ。かく言う私も、巫女なので正月は忙しくて忙しくて・・・。」
>> 1乙〜
>> 2乙〜
>> なんか発表あるとか見たけどなに〜?
参拝者の表記は消してるけど結構見てる人は多い。駄弁り配信のなにがいいのかって?ラジオとして使えるところだよ!接続して動画見なくてもコメント読み上げは設定すればしてくれるし、単純に駄弁りを聞き流すだけでもいい。タイパと言うものを考えると、見る方は片手間感はこっちの方が上なのよね。視聴者側としてもリアルタイムで反応も帰ってくるし。
>> 相変わらずの廃神社で安心する
>> でも、なんか小物増えた?
「おっ!気づきました?皆さんからのお賽銭でテーブルが増えてますね。」
>> これみよがしに置かれるお菓子と骨付き肉w
>> この巫女食いながらやる気だぞ!
>> いや、お狐様は大多数なんか食ってる
でもなんか今回多くない?
「言ってるでしょう?腹が減ると。だからこう・・・、骨付き肉をボリボリと・・・。美人の咀嚼音ASMRって人気ある?あるならこのまま食べ続けることも辞さない!」
>> 油で光った唇はいいと思うぞ?うん。
>> 流石にフードファイター見てもなぁ〜
>> トラブルオンライン内なら、後から
食いに行こうもできるんだが・・・
「トラブルオンライン・・・、1つ目の告知!私を追うなよ?確かに1章未攻略だけど追うなよ?2章から始めて1章後回しにしてるし、ストーリーはストーリーとして腰を据えて楽しむ所存です。」
これはジャブと言うか、方針としての告知。流石にログインして毎回追われるのは勘弁願いたい。この配信で全員が全員やめるとは思わないけど、公での宣言は大事だよねぇ。なにより、ブライト関係でも下手に追われるとなにがあるやら・・・。
>> 残念!
>> 普通に遊ぶのはいいんだな?普通に遊ぶのは
>> 巫女さんの普通って、多分突拍子もないぞ?
>> 過去の逸話とか聞きたい
ホコリまみれの巫女さん・・・
>> ん?なんか手が見えるのだが?
「巫女さんノンアルもってきたよ〜。」
「そこはお神酒とかお屠蘇とかですね。アルバイトとしているんですから巫女っぽく・・・、ない町娘だからいいか。イェーイ、カンパーイ。」
「カンパーイ〜♪」
>> こら待て!
>> 説明!
>> なに!?演者増えるの!?
>> 姫子ーーー!!俺だーーー!!!
結婚してくれーーーー!!!!
>> 俺が結婚してやんよ!
>> 上が勝手に事故ってる件について
それよりも説明はよ!
「ん?このノンアルですか?案件ではないからメーカーとか言うのはちょっと・・・。神様に捧げられたありがたいノンアルです。楽しく美味しく飲みますよ?」
「巫女さんおちょこない?ないならコップとか。」
「適当に戸棚の使って下さいね〜。」
>> この巫女説明する気ねぇな?
>> この綺麗な人だれ?
>> 年末にちょろっとでた人
反応はいい。人もそこそこ集まってきたし、演者が増えるかもと言う話が広がりつつあるのか、もう少し増えそうかな?まぁ、これ以上引っ張っても仕方ないからここで紹介するとしよう。




