258話 脇道に逸れたい 挿絵あり
三枝先生とそんな話を終えてゲームにログイン!最初から2章を選択してるから、領地にでもいかないとブライトには会えない。若干の面倒くささと言えば、章を切り替える時に普通なら領地で切り替える機能が使えず、ログアウトしてからログインしなおす必要があるとか?
まぁ、それほど時間がかかるものでもないから、いいのだが・・・。そんなことを思いつつ撮影をスタートして、辺りを見回すと火災は収まり、着々と拠点への改修が進んでいるようだ。
「あっ!ツキさん。」
「ニーニャか、それは?」
「他のコロニーから届いた物資を運んでるんです。降下してきた稀人さんたちも増えてるんで、薬や装備品なんかも充実させないといけないですからね!」
「へ〜・・・、お店ってある?と、言うか買える?」
「買えますよ!ただ拠点維持のために取引は素材重視だから、金銭での販売は多少割高です。オオミカの原生生物はどれも有効活用できますからね!お店に行くなら案内しましょうか?」
「お願いしようかな、連れてってよ。」
トラブルオンラインとしては、モンスターを倒してもゴールドは落ちない。落ちるのは素材と、たまに宝箱が出ればそこからゴールドが出てくる。悲しい話をするなら、頑張って倒しても宝箱じゃなくてボロいズタ袋だと、中身はお察しのゴールドしか・・・。
まぁ、今が過去ならNPCたちが素材売れって言う話も分かるなぁ〜。人と人が戦うなら金銭は有効かもしれないし、交渉材料になるかもしれないけど、相手がモンスターだと装備品やら武器作るから素材売れになるんだろうし。
そんなことを思いつつ、ニーニャにマーカーをセットして後ろを走っていく。俺がログインしたところはバン・ホーの御神体の前だったけど、街を歩けば他の種族の御神体も見える。でも、なんか少しずつ大きさが違うような・・・。
他のキャプテンを見てないから元の大きさと言うか、身長も分からないから誤差かな?なんにしても、お供え物なのかゴールドが御神体の前に置かれたりしてるし。
「ここです、この拠点1番のお店は!一応鍛冶神の天目スフィアもあるから、こそっと賄賂である金塊を渡したり、自身の行いを査定してもらって武器を授かる事もできますね。」
「あ〜・・・、有料ガチャを賄賂扱いとか。流石悪い文明の運営。重課金対策としてはいいんだろうけどさ・・・。」
「重課金?何の話か分かりませんけど、金塊は稀人さん達の宝物ですよね?」
「いや、こっちの話。確かに金塊は宝物かぁ〜。なにせリアルマネー使ってるわけだし。と、言うか無理配布貯めれば課金しなくてもねぇ・・・。鍛冶神のところはやっぱりハンマーで?」
「ええ。武器を打って出してもらう形ですね。」
未来でも木槌振って『カチンっ』という安っぽい音と、レアリティ別での演出しかないしそんなもんだろう。まぁ、SFしてる過去だからこっちの方が派手かも。
そんな事を思いつつ店のラインナップを覗くと、各種ポーションにそこそこな武器や防具が並んでる。1章だと鉄の剣、2章でも鉄の剣。いやねぇ〜、多分武器使用率の高いものを選んでるんだろうけど、流石に今の段階で鉄の剣はねぇよ!覚醒済みなのはいいけど、ゴールドでの価格と鉄鉱石での個数が表示されてる。そんなラインナップをスクロールしていくと・・・。
「おぉ〜、下の方は結構いいものがあるじゃん。ビームサーベルにコンパチブルビームガンとか。」
防具のレベルキャップ、武器のレベルキャップ。それが大体100までで、そもそも絶対に使えないと言う話ではない。なら装備するとどうなるかと言えばデバフ扱いになる。割とこれが痛いからレベルキャップは悪い文明なんだよなぁ〜。
まぁしかし、筋力5でクソデカいハンマー振り回す方が異常と言われれば異常だし・・・。まぁ、だからほとんどの人はレベルキャップ外すようにさっさとレベルを上げるのよね。まっ!年末年始イベント考えると新規でも杭を覚醒させて2章に来てる人もいるから、しかたないと言えばしかたないか。
「なにか買います?」
「いや・・・、ポーション買えるだけ買おうかな?備蓄も少なくなったし。」
薬草10でポーション1つ。ゴールドで支払うなら1つ1000ゴールド。確かに薬草で払ったほうがお得と言えばお得かぁ。採取すれば薬草は手に入る・・・。手に入るのか?
「薬草って生えてる?」
「降下前の調査だと極わずかです・・・。そもそもオオミカ自体、私たちが離れる前とかなり生態系も変わってるようなんですよ。なので、生産プラントから転送してもらっていますけど、それにも限界が・・・。」
「OK。買いすぎると供給制限出るやつか・・・。そこは1章と同じなのね・・・。と、言うか今の作戦状況は?」
「司令部に行けば色々聞けますけど、私が知る限りだとレジスタンスとの合流や燃料確保等でしょうか?ツキさんの場合、徽章を既に持ってるから、多少難しいミッションを受けられるかもしれませんね!」
「徽章って他でも貰える?」
「もらえますよ?なにに対しての徽章かは別として、どんな作戦に参加したとか、どんな行動を行ったとかで評価されますし。」
ある意味トロフィー的な?まぁ、一度司令部へ行ってみよう。どうせ機能としてはギルドとそんなに変わらないとは思うけど・・・。街を散策しながら向かおうとすると、ニーニャも司令部に用事があるからと付いてきた。
日華自体無事な不時着ではなくて墜落なので、幾何学模様の床と剥がれ落ちだ部分からは砂の地面が見える。こんな状況で機械兵製造プラントとやらは大丈夫なんだろうか?
「転送システムって万能じゃないの?私たち的にはポータルで好きなところに行ったりするけど。」
「転送システムですか?無機物や薬はいいとして、私たちが転送されると下手すれば死にますね。ツキさんや他の稀人さんは死んでも戻ってくるから使いますけど・・・。」
「どこでもドア的な殺人理論容認なの!?」
「えっ!?死んでも戻ってくるから稀人なんですよね?」
確かにNPCはポータルを使わないし、未来でかぐやに行くときは星渡りなんて話になるんだけど、よもや死んでから別の場所で寸分違わず再構築されていると認識されていたとは・・・。もしかして、これって閻魔帳の誤魔化し?
「まぁ、バン・ホーもそんな感じの認識だったし間違いではないか。と、ここが司令部?」
「はい・・・、ボロいですけど・・・。」
多分日華のブリッジだったところのかな?煤けて焦げて、一部は剥がれたところを補修したのか、鉄骨っぽいものが剥き出しになったりしてる。どうしてもっと良さそうなところがスタートじゃないのかと思ったけど、普通に雨降ったり常時雪が舞ってたりするとエリアがある事を考えると、生活基盤を考えるなら砂漠が有力になるのかぁ〜。水は多分転送してきてるんだろうし・・・。
そんな司令部にはプレーヤーも多くいる。そして、背景的に並んでいるNPCも入れば、どこかへ向かうのか隊列をなした兵士の軍団も見える。並ぶのが好きな人はなんだか並んでいるしまうらしいが、俺は並ぶ気がないので素通りして中へ。
「ようこそ、司令部へ。作戦参加をご希望ですか?」
「その予定です。今はどんな作戦が?」
「現在行われている作戦はこのようなものがあります。」
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物資確保ミッション:
墜落した日華及び各コロニーの物資は枯渇気味です
原生生物を討伐し、素材や食料を
充実させて下さい
推奨レベル:100〜120
生態系調査ミッション:
レジスタンスからの報告では、我々の知らない
生態系が構築されているようです。
特定種の調査を依頼します
推奨レベル:100〜∞
レジスタンスとの合流ミッション
レジスタンスとは完全に移動ルートが断絶しています。
レジスタンス拠点、潮彩までのルート確保と
確保後に楓までの水上ルートを確保し
バイオ燃料となるメイプルシロップを輸送船に積載し
護衛して帰ってきて下さい
推奨レベル:150〜
徽章ミッション
現在所有する徽章に関するミッションはありません
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あ〜・・・、レジスタンスとの合流ミッションがメインシナリオか。ニーニャもそれを示すヒントをだしてきてたし。脇道に滅茶苦茶逸れたい・・・。どうせなら、日華から出てモンスター見たり、外の様子を見て回りたい!生態系調査ミッション・・・、生態系調査ミッション・・・。
「ツキさん・・・、手が震えてますけど・・・?」
「ちょっとした天使と悪魔の攻防戦がね・・・。複合的に受けるのは?全部リンクは出来そうだけど?」
「各ミッションの指定時間に間に合うならどうぞ。詳しい話はここではなく、各専門部門で聞いて下さい。そこで内容の提示も行われるかと。」
「なら、そこに行ってから決めるよ。」
「なら、私が案内しますよ。」
そう言ってニーニャが俺の手を取る。ナビゲーターなんだろうか?歩きながら周りを見ると、他のプレーヤーもNPCを連れている人もいるし、話し込んでいる人もいる。今更そんなナビゲートが必要かと聞かれると困るけど、2章始める条件が覚醒した杭だから仕方ないか。
「とこからがいいか迷いましたけど、先ずは生態系調査部門ですね。」
「お〜、近未来的・・・。」
扉の前に浮かぶように宙に部門名が書かれ、それを通り過ぎると縦横斜めと扉が開いていく。中ではガラス越しに捕獲したモンスターがなにやら実験とかされてるように見えるな。
「おや?生態系調査ミッションを受けて下さる稀人ですか?」
「いや、内容確認してからかな?どんな感じ?」
「そうですね・・・、先ずはこちらに来てこれを見て下さい。」
部門長:ヤクトと言う名札を下げたビーバーっぽいNPCに連れられて行った先には、今のオオミカが立体映像で浮かんでいる。赤い点が日華かな?他はほとんどが地形は分かっても黒塗り状態なんだけど・・・。
「真っ黒ですね・・・。」
「過去のオオミカのデータはあっても、今のオオミカの詳細なデータはありません。我々がお願いしたいのは植物の自生率やモンスターの分布等です。特に邪神に汚染された地域では、現存する原生生物も少なくなっていると予測される。そこで、行った先で撮影し記録を残してきて欲しい。」
「撮影はいいとして、やり方は?」
「このレンズを付けて瞬きをしていただければ大丈夫です。それでデータベースに送られます。」
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システムアナウンス
モンスターや風景の撮影は瞬きと『撮影』の宣言による
脳波を読み取って行われます。
※盗撮防止のため、他のプレーヤーは暈して映り込みます
※旅の思い出として残すなら、事前に撮影許可を
取って下さい(1章、2章共通)
※NPCについては、通常のビジュアルで撮影できます
※このレンズは装備品枠を使用しません
※詳しくはゲーム規約を参照して下さい
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必要なのかは別としてON/OFF機能もある。まぁ、今まで普通にスクショとか撮ってたし、そこまで気にするもんじゃないかな?いや、機能があるなら、どこかで使う機会なんかあるんだろうけどさ。
「試しにそこにいるニーニャを撮影してみて下さい。」
「どれどれ・・・。はい、ポーズ。」
「えっ!?・・・、キリッ!」
『撮影!』
敬礼したニーニャがパシャリ。そのままアルバムに収納されたけど、これでデータベースに送られたのかな?元々1章でもそんな感じだったけど、こうしてミッションとしてはでてなかったなぁ〜。まぁ、旅の思い出とするなら結構いいのかも。
「それで大丈夫です。特定生物の調査は先に進んでからとなりますが、様々なデータを送ってきてくださいますか?」
「分かった、これなら引き受けるよ。」




