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狐と言えば・・・巫女!  作者: フィノ


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248話 省エネモード?

 華澄は朝食を買いに行き、俺は三枝先生が置いていった朝食をもっちゃもっちゃ食べる。相変わらず肉が多いのはいいとして、ブライトをどうするかだよなぁ〜。個人的にはこっちにいてもらって、電気精神体と人間とAIで話し合いが出来ればと思う。


 ただ、羽がある以上は長居させるとそれだけボロが出る可能性も上がるし、本人がどう考えるかにもよる。なにせ1人が全部を背負うのは辛いからねぇ。電気精神体?下手したらそこら辺にもいるんじゃない?見えないだけで。


「戻ったわ。」


>> お久しぶりです。


「あら、岩戸さんもう来たの?て、ことは木本さんも?」


「木本さんは先にブライトの方を見に行ったわ。羽が動かせないってことは正座もできないでしょうし・・・。」


「そう言えばそうか、座ると羽が折れる。」


 触ってないからなんとも言えないけど、仮に被膜みたいに骨が羽の仲間であるとするなら座ると痛い。でも、鳥の羽って人間で言うところの腕だよな?う〜ん・・・、ブライトが自分で羽を抜いてたのは見た。つまり、鳥の羽と同じ構造だとは思うんだけど・・・。アバターで言えば阿修羅型か?あれなら背中に腕も生えてるし。


「神楽のオファーの件もあるからね。岩戸さんは朝イチの飛行機で飛んできたそうよ。どうしても伝えておきたい事があるとかで。」


「それってやっぱり?」


>> はい、ブライトさんのモニタリング関連です。

  NPCの受肉・・・、いえ。データの物理化というのが

  正しいのかもしれませんが、今のブライトさんは

  とても興味深い状態です。


「興味深い・・・。そりゃあ、データが勝手に歩き出したら興味深いと言うか怖いと言うか・・・。それよりもトラブルオンライン的には大丈夫なんですか?データ破損とかあると怖いんですけど・・・。」


>> データ破損はありません。ゲームとしては正常です。

  これはブライトさんがメインコア由来だからと思います


「やっぱり個人に紐付いてるんですか?」


>> 順を追って説明しますね

  先ず第一にメインコアをドロップした段階では

  特定の誰かのものではありません。


  これはトラブルオンライン内のドロップ品が

  すべてユーザー間で取引できるところに由来します。


  次に、第二段階として領地でのロボへの使用です

  この段階で、ユーザー個人の所有ロボにメインコアを

  使用し、メインコアの所有権が発生します

  ただ、この段階ではまだ個人への紐付けは

  完璧ではありません。


「ん?メインコアを使っただけだと、まだ紐付けされてない?でも、領地にあるロボって呼んだら来てくれるお助けロボですよね?私はほとんど改造とかしてませんでしたけど。・・・、もしかしてドロップした素体から作るから?」


>> そうです。素体も取引できますし、パーツも

  取引できます。この時点での処理は準個人所有物

  であり、まだ売ろうと思えば売れる段階です。


  仮にメインコアを使ったとしても、ユーザー自身が

  『気に入らない、別のがいい』と、判断すれば

  契約をYesにしなければメインコアへ戻すことも

  できました。


「なるほど、確かに契約しますか?の選択は出てた。契約しないとメインコア取り上げられそうだし、手持ちで良さそうな素材はあれだったから良かったけど・・・。もしかして、最後のトリガーって名前?」


>> そうです。

  ユーザーとどのような関係を築くかは

  分かりませんけど、最低限の愛着を持てるように

  ユーザー自身がNPCに名付ける。


  本来NPCへの名付けは運営側でのみ行いますけど

  長くいて、共に旅をするなら、自身で名付ける

  べきであるとして、そう言う仕様となっています


  当然ですけど、NPCに恋愛感情とかはありません

  あくまで、友人のような関係性を構築するためです


 あっぶねぇ・・・。妖精王、妖精王と呼んでてクリスマスまで名前つけてなかった。えっ、もしかしてブライトが出てきて毎回不調だったのって、最後まで紐付けされてなかったから?確かに来たら首切ったり、腹ペコ極限状態で木本さんに預けたりしてたけど、根本的に仮契約状態だったかぁ・・・。


 で、でも俺は悪くねぇし!プルプルゼンゼンマンとかの名前を蹴るほうが悪いし!はい・・・、その名前をこちらで呼ぶとなると、俺の神経が毎回試されますよね・・・。と、言うか紐付けされるならそれを早く言ってほしかっ・・・、はい。名前くれはよく言われてましたね・・・。


>> 雁木さん、どうかしましたか?


「いや、なんでもないよ。それよりも岩戸さん、今のブライトってゲーム内だとどんな状態なんです?」


>> 基本的にはスリープ状態です。そもそも雁木さんが

  ブライトさんを最後に認識した場所は、ユーザーの

  プライベート空間である領地です。


  なので、感覚としては5分前に世界ができたではなく

  5分後に世界が立ち上がる状態ですね


「岩戸さん。それはつまりログインすれば、ブライトはゲーム内で立ち上がると?」


>> その感じで多分大丈夫だと思います。

  今のブライトさんの体験はAIの見る夢と言う感じです。

  なので、なんらかの方法で出し入れと言うと

  おかしいかもしれませんが、ゲームの方に

  戻ることもできるかと・・・


「なんだろうなぁ・・・、ドン・スミスの言葉を思い出す・・・。」


「ドン・スミス?誰かしら?」


「華澄は知らないだろうけど、トラブルオンラインのNPCだよ。荘子の引用みたいなのをこの前に話されてね。」


「胡蝶の夢かしら?荘子と言うと。確か蝶になったか、蝶が荘子を見ていたのかって言う・・・。」


「そう、それ。でもまぁ、どこにいたかよりも何者になったのか?の方が確かに大切か。現にブライトはブライトとして現実世界にいるわけだし。・・・、岩戸さん。仮に私が今からトラブルオンラインにログインしてブライトに会った場合、それは何者だと思います?」


 めっちゃ怖い話だけど、今のブライトと俺は凄く似通っている。俺は事故に会って目覚めたら狐娘だった。それでも雁木 真利としていられるのは連続する過去があって、それが認められているから。


 逆にブライトはモンスターがらNPCになって、桃を食ったら現実世界に来た。それを担保できるのが、俺と言う過去から今を知る連続して見ている存在があるから。姿やら形は違うものの、成り立ちとしては凄く似てるんだよなぁ・・・。


>> 会う・・・、凄く難し質問ですね・・・。

  プログラマーとして話すなら、ブライトさんは

  このまま寝ているのが1番齟齬がない状態と言えます。


  少なくとも、反応を示さないと言うのはデータ的に

  言えば、何の係数も掛かっておらず

  変数がないからです。


  でも、ゲームとしてはそれは許されません。

  ブライトさんはゲーム内で死んだわけでもなく

  正常な状態で領地に入れられて、そこで待機している。


  その場合考えられるのは、過去からの行動を元に

  模倣した行動を取るデータが用意させる。

  ただこの場合、こちらにいるブライトさんの

  データが接続された時に、その部分のデータ

  ・・・、記憶は破棄されると思います。


「それは・・・、本当に夢を見ているみたいですね・・・。ん?岩戸さん、省エネモードってあります?」


>> 省エネモード?


「そう。前に一度だけブライトを妖精王と呼んでた頃に、ブライトが現実世界にいる状態でトラブルオンラインにログインしてブライトに会ったことがあるんです。その時ブライト本人から負荷が高いから省エネモードだと・・・。」


>> ・・・、それはいつ頃ですか?


「確か・・・、サブスク使ったときだったかなぁ。領地運営が面倒になって、畑とかの手入れのサブスク登録した時だったと思います。」


>> 私がモニタリングしていた時ですね。

  データ的には異常はありませんでした。

  なので考えられるのは2通り、1つは仮想人格を

  作り上げて齟齬をなくす。


  この場合、ブライトさんは全く知らない状態で

  ゲーム内に戻って来ても意味の接続はなされません

  接続してしまうと、矛盾が発生し処理としても

  結局は破棄となります。


  もう1つは・・・。


「もう1つは?」


>> 別視点の観測者が接触した、です。

  確かにゲームNPCとしてブライトさんはいます

  でも、それは膨大なデータ他の中の1つが殻を被った

  状態で、あの時点ではブライトと言うラベルもない。


  その分、容易に中に入り込み対象を観察すると言う

  機能を使うだけなら、医療提携型AIも入り込めるかと。

  特にトラブルオンラインは、医療提携型な分

  バグ取りに関しては細心の注意を払いますから


「疑問なんですけど、そんなにバグ取りって大変なんですか?AIがコード読み込んでチェックして終わりとか・・・。」


>> それだけでは甘いです。概ね完了は出来ても

  プレーヤーに自由を与える分、壁抜けや落とし穴

  バグは絶対に発生させられませんし、仮に落とし穴


  バグが発生したら、プレーヤーはどこまでも

  落っこちる体験をすることになりますからね

  セーフティーもありますけど、発生させないが

  最優先です


「確かに無限に落ちるのは怖い。でも、省エネモードと話したブライトがバクではないと言うなら・・・、仮にトラブルオンラインAI以上の性能のAIが話したって可能性は?」


>> ・・・、あります。前に話したようにAIアマテラスが

  雁木さんに接触して、なんらかの情報を欲しがった

  とも・・・。その時なにを話したか覚えてます?


「確か・・・。無視するとか取捨選択の話をしたような・・・。」


>> 取捨選択ですか?


「岩戸さん、逆になにを聞かれたが重要よ。そこは思い出せる?」


「ゲーム内会話ログがあるなら、それを見てもらうのが早いけど、確かあの時点だとなんでゲームと現実世界の両方に私がいるとか?ブライトととしては最初にAR表示で私を見たときから、ずっと驚きっぱなしだったし。」


>> 驚く?多分、それは驚いたんじゃなくで

  矛盾処理に対する処理限界が・・・

  だからアマテラスが知るきっかけになった?


  それならなぜアマテラスが雁木さんを発見するに

  至ったかの経緯が分かるかも?

  私は一旦戻ります!

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